決戦①
こんにちは。中学生の時に書いた作品のリメイクになります。自分が好きなものや、影響を受けた作品がいろいろ詰まっているので、楽しんでいただければ幸いです。
目の前に立ちふさがる強大な敵。世界を暗黒に染めんとする巨悪。ここで打ち倒さなければ、友の、家族の、無辜の人々の暮らしや幸せを壊されてしまう。ただ、ここで戦うしか道はないのか。かすかな疑問が、湧き上がる。
「エレノア、最後に貴方に聞きたい。本当に私達は戦うしかないの?どうして世界を闇に染めようとするの?」
私の疑問を、一笑に付すエレノア。その態度を訝しんでいると、
「お前たちは、何か勘違いをしているようだな。私が何をしなくとも、元よりこの世界は闇に覆われている。我はただ、そんな世界を終わらせてやろうというだけだ。」
そんな答えが返ってくる。それから彼女が、口を開くことはなかった。これ以上の問答を拒む、硬い沈黙。もう、戦うしかないのだろうか。
今までにない強敵。恐れなのか、緊張なのか、手が震える。
「あさひ、大丈夫。私たちは負けない。だって一人じゃないもの。みんなが応援してくれている。その祈りと願いが、私たちに力をくれてる。それに、私には貴方が。貴方には私がついているから。」
優しい言葉とともに、手が差し伸べられる。私は伸ばされた手を握る。その手の暖かさと言葉に余計な力が抜ける。平坦な、抑揚の感じづらいしゃべり方。でも、確かな熱がこもっていた。それは、かつて一人でいることしか知らなかった彼女が、人との関りを積み重ねてきた証だった。
「つくよちゃん。うん、そうだね。私たちは負けない。二人の、いやみんなの力が合わされば、どんな敵にも負けない。守ろう!私たちの世界を!」
確かに繋いだその両手からたくさんの勇気がもらえる。二人で一緒に。それだけでどんな壁でも乗り越えられる。その決意を確かにするために、はっきりと声を上げる。
「「チェンジ!マジカルフォーム!」」
もう何度も繰り返してきた基礎魔法、「変身」。淀みなく、私達の姿を書き換えていく。今まで来ていた現代的な服装は、光に包まれ、リボンとフリルに彩られた大きなロリータ調の服装へと変化していく。胸元に、大きくついたリボンと、丈の短いスカート。私達が大切なものを守るためのかたち。
「目覚めを告げる黄金の光、マジカル・ソル!」
「夢見を守る銀の光、マジカル・ルナ!」
全身に、暖かいものが流れ込み、万能感で満ちていく。今なら、自分の体を思った通りに動かせるような感覚がある。人を超えた、魔法の力。だが、それでもまだ足りない。もう一段階、更なる『変身』が必要だ。
「来て!ホープ・スフィア!」
私たちの全身に白い光が降り注ぐ。光が晴れ、二人の間にはカラフルに彩られた、天球儀が降り立つ。手をかざし、力を込める。すると、ホープ・スフィアから溢れた光が、私たちの体を包み込む。
「暗い宇宙を照らす、星の光」
「ひとりぼっちの星でも、繋がれば物語を生める」
「「チェンジ!フォーム・アステリア!」」
眩い光は収まり、私たちの姿は今までとは全く変わったものになる。純白のフィッシュテール型のドレス。背中には、小さく白い天使のような羽が生える。先ほどとは比べ物にならない力。使命も、勇気も、力も、全てが揃っている。ならば後は倒すだけだ。
「いこう!」
今度は私から手を伸ばす。握られた手の温かさ。それを推進力に換え、エレノアに向かって突進する。
「「はぁ!」
自身を弾丸にし、拳を打ちつける。轟音ととも、壁に打ち付けられるエレノア。派手に飛ばされた割には、その体に目立ったダメージはない。
「ほう。やるな。三魔将を破ったのは偶然ではないようだ。これがホープ・スフィアの力。いや、友情とやらの力か。」
そう、皮肉げに語る。そして地面へと降り立ち、体についた埃を払う。そんな姿は、汚れ以上に気にするべきものはないと語っていた。でも、まだ一発だ。一回で駄目なら、百回打ち込むだけだ。握っていた手を離し、エレノアとの距離を詰める。そして、拳を振り抜く。と、見せかけて左回し蹴り。側頭部を狙うが、足首を掴まれる。咄嗟に引き抜こうとするが、強い力で固定されていた。
空いている片手に、禍々しい光が凝縮される。光は、動けない私目掛けて、撃ち放たれようとしていた。
「ルナティック・レーザー!」
そのとき、頭上から銀の光が降り注ぐ。禍々しい光は、私ではなく、銀の光を迎撃するのに放たれた。2色の光がぶつかった衝撃で、私は放られる。
「ありがとう。」
声をかけると、微笑みを返す彼女。1人では勝てない敵。でも、2人なら。
「ルナティック・レーザー」
再び放たれる閃光。今度は、何本もの光が降り注ぐ。エレノアは、防御行動を取ろうとする。だが、光は彼女を狙って放たれてはいなかった。周囲に着弾する閃光。土煙が舞う。即席の煙幕。煙に紛れ、接近する。
「てやぁ!」
気合い一閃。拳は芯を捉えた。
「そうでなくてはな。」
煙から覗く、鋭い眼光。それが楽しげに細められた。反射的に、腕を構える。次の瞬間には、地面に転がっていた。晴れた煙からは、足を上げたエレノアと、飛びかかるルナの姿。
痺れる腕に、無理矢理力を込め、私も突進する。
「「はぁああああ!」」
二人同時に、攻撃を打ち込む。腕をクロスさせ、防御態勢をとっているがその態勢は崩れていた。好機が見える。すかさず、蹴りと突きの連撃を放つ。フェイントなどは考えない。考えるべきは、この攻撃に、全精力を注ぐことだけ。
二人がかりの連撃も、そよ風の様に捌かれる。もう何発撃ったか分からなくなったとき、針の穴ほどの隙間が見える。ここだ。ルナと、一瞬だけ視線を交わす。
「ルナティック・レーザー!」
超至近距離で放たれた、ルナティック・レーザー。通常であれば、私たち自身も大ダメージを負う。しかし、威力が調節されたそれは、広く、薄く、光が散っていく。つまりはただの目くらましだ。でも、それで十分。
「ソラリス・シュート!」
黄金に光る右手、渾身の力でもって抜き放つ。ハッとした表情を浮かべるエレノア。ガードしようとするが、ほんの数瞬、間に合わなかった。
エレノアが、後ろに吹き飛ばされる。そのまま後ろに倒れそうになるも、何とか踏みとどまっている。立ってこそいるが、足は少し震えており、確実にダメージが入っていた。絶対と思われた壁に、微かなヒビ。見える光明。更なる追撃を入れるため、拳を打ち込む。
「どうして世界を闇になんかで染めるの?」
拳は、はじかれる。
「その問答はもう終わった。言ったはずだ。私が何もしなくとも、すでに世界に闇は満ちている。」
私の隙を埋めるようなルナの蹴り。
「そんなことはない。ソルが、みんなが教えてくれた。この世界は暖かい光で溢れてる。」
受け止められる、ルナの蹴り。
「そうだな。我もそのように思っていたことはあった。だがな、そんなものは幻想だ。確かに、世界にはそういった光を持つ者もいる。しかし、光は脆く壊れやすい。そんなもの、なんの役にも立たん。」
初めて発せられる、感情的な声。そこに、初めて『エレノア』という人間を見た気がした。だからこそ、言わずにはいられなかった。
「確かに、そうかもしれない。優しさや、絆はふとしたすれ違いや、悪意で簡単に壊れちゃう。でも、だからこそ!守るんだ!みんなで!」
全力を振り絞り放つ、右こぶし。エレノアは防御の姿勢を取る。拳は、エレノアの体に届かなかった。拳から伝わる、硬い感触。
まだだ。更なる力を引き出す。全力で届かないなら、全力を超えるまでだ。
「ソラリス!シュート!」
防御の上から攻撃を叩き込み、体中の全エネルギーをもってして振りぬいた。白色に染まる視界。それは、この一瞬の間に消費されたエネルギー量を表していた。たたらをふむ。こらえきれず、倒れこみそうになるも、すんでのところで、支えられる。
「ルナ、ありが、とう」
段々、はっきりとしていく視界。そこに映っていたのは、膝をついたエレノアの姿だった。
「面白いね。長い時を生きてきたが、私に膝をつかせたのは君たちが初めてだよ。」
少なくないダメージを負っているはずなのに、むしろ柔らかな表情を浮かべるエレノア。少し何かが引っかかる。だが、そんな違和感を消し去るように、衝撃的なことを告げる。
「だが、もう遅い。世界を破壊するための、絶望のエネルギーはもうたまった。もはや、お前たちに付き合う必要はない。」
「それはうそ、お父様はまだ猶予があると。」
ルナの冷静な返答。それは一笑に付される。
「ああ。どうやら、地脈に何かしらの干渉が行われていたようなのでな。細工を施した。お前達との戦いは、いい余興だったぞ。では、世界の終わりをはじめよう。」
エレノアは目の前から、突如として姿を消す。その後、大きな地響きがなる。立ち込める、異様な空気。息を、吸い、吐くだけで重たい。
「はやく、エレノアを見つけなければ」
「そうだね。エレノアを止めよう。世界が終わる、その前に」
世界が終わる。その予兆を確かに感じる。でも、まだ終わってない。はやく見つけなければ。はやく!
「ルナ、ソル!」
耳元で声が聞こえる。聞き覚えのある、男性の声。これは、遠隔で声を届けるための魔法。そして、その声の主は
「お父様。大変です。予測より早く、計画が遂行されるみたいです。申し訳ありません。エレノアを見失いました。そちらで位置を捕捉できませんか」
「ああ。膨大なエネルギーの奔流を捉えた。おそらくその中心に、彼女はいる。それで、その場所だが、ソル。君の住む町、ほしぞら市だ」
私たちの町が、終焉の中心に
「そんなこと、絶対にさせない。絶対に守るんだ。全部!」
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。これから、がんばって物語を作っていくので、よろしければお付き合いください。また、本作品の制作にあたって、AIを使用していますが、使用の範囲としては、誤字脱字、用法の確認です。また、編集代わりとしても使ってはいますが、設定や文章はすべて自分で考えて書いています。あくまで、設定や文章に対して読者が読みやすいかの相談だけです。例外として、タイトルだけは考えてもらっていますが、読者の方がよりよいタイトルを考えていただけたらそちらを採用するかもしれないです。




