第二幕:高貴なお尻とプライド
やあ、君。自分を良く見せようと思うのは何年経っても変わらない。特に大先生と煽てられた経験があるなら尚更だ。しかも英雄のように扱われたらーーつまり、君、そう言うことさ。
第一幕では、フランシスとエルシー、二人の少女から妖精について聞いたアーサーの様子を見た。
彼は最近の戦争で息子と親戚を失って、心を痛めていた。彼らはどこへ行ったのだろうと思っただけじゃ満足しなかった。彼は死んだモノの向かった世界、霊界を探すことに決めた。
まずは、妖精を見つけてーー彼らをお茶に招待することにした。
それを聞いた少女たちは大喜び。
「おじちゃん、お茶会に妖精呼ぶの?
彼らは好きよ!お茶と甘いお菓子!
時々家から無くなるの!悪い子たちね、あの子たち!」とフランシスが笑った。
「そうなの、悪い子よ!大事に隠しても、すぐに嗅ぎつけてくるんだから!」とエルシーはそういうとフランシスを抱きしめた。
「そりゃあ、たしかに妖精の仕業だな」とアーサーは言った。
「お茶会に招待したいがね、妖精の巣はどこなのかい?」とアーサーはたずねた。いっこくも早くあって話をしたかった。霊界探しに役立てたいから。
「巣って、ひど言い方ね。まるで鳥かイタチのよう」とエルシーが怒ったように睨みつけた。
「ごめん、ごめん、エルシーお嬢ちゃん。おじちゃんの言い方が悪かった。」とアーサーは謝った。軽く頭を下げてみせた。
彼女たちから教わった妖精の家があるところ。そこは、庭の奥ある丸く寄せ集まった草の茂みだった。
庭師のフレッドが面白半分に刈り上げた草むらだった。ちょうど頭を入れられるトンネルのような穴もある。
「ここで、わたしたち時々妖精さんに優しく話しかけてるの。彼らはとっても神経質。だから優しく声をかけないとーー」フランシスとエルシーは仲良く四つん這いになって、草むらの中を覗き込む。二人のお尻が高く上げられた。風が吹いて揺れる桃。フリフリ二人はゆらゆらす。
アーサーは、その風景を見て、彼の助手を思い出した。
警察からアーサーの探偵をやめさせるために、不当な逮捕をされた男を。
そして妖精を見つけるためには、アーサーは助手と同じように膝をつき、お尻を高く上げなきゃならない。
この高貴な太ったお尻を。
アーサーは、そのことを一秒もかからず想像して、急に不機嫌になったんだ。
なんとか妖精にメッセージを伝えたい。
だけど四つん這いになるのは嫌だ、絶対に。
だから代替案として、庭師に代わりに妖精たちの交渉人として選んだ。
なぜかって?
庭師は妖精たちのテリトリーに、刃物をもって入っても無事に生きているからだよ。彼に頼めば妖精も安心できて、話を聞ける。アーサーはそう考えた。
女の子たちは喜んで、庭師のフレッドを呼んできた。彼は壮年の男だったけど、足腰のしっかりとした田舎の男だった。両手を女の子たちにつかまれて、微笑ましそうに歩いてきた。
「へぇ、アンタがホームズさんかい」とフレッドは驚きながら、アーサーを見た。
「ははは!私はコナン・ドイルだ。ホームズなんかじゃない。断じて違うーー!」ちょっと強めに否定した。それくらい、本のホームズは嫌いだったから。
「フレッド、君に頼みたいことがあるーー」
「はぁ、ワシができることならーーなんなりとーー」とフレッドは軽く会釈をしてみせた。
彼は不安に思ってた。
頭の良い先生が自分に何をお願いするか分からなかったから。
「実にカンタンだよ。私の代わりにこの妖精の家に頭を入れてほしいんだ。
お茶会に招待したいんでねーー」
フレッドの頬がピクンと跳ねた。
何を言われたのか、分からなかったからーー
(こうして、第二幕は庭師によって幕を閉じる。)




