表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宵のハコブネ  作者: 朔蔵日ねこ
プロローグ
1/31

プロローグ

 頭の中で何度も同じ旋律が流れていた。律動的で、呪文のようであり、喧騒(けんそう)のようであり、優しい子守唄のようでもあった。闇の中に極彩色(ごくさいしき)が溢れ出し、色彩は何かの姿になりかけては消えていく。同時に、旋律も何かの言葉を形作ろうとするが、はっきりとは聞き取れない。

(これは、見えてはいけない、聞こえてはいけないものだ……)

 朦朧とする意識の中で、瑞貴(みずき)はそう感じていた。

(いやだ。聞きたくない……)

 身体全体が灼けるように熱く、眼の奥がじんじんと疼く。

 突然、火照った額の上に冷たく濡れたタオルがあてがわれた。

「瑞貴、大丈夫か」

 聞き慣れた父親の声が、遠くくぐもって聞こえた。そして、豊かで青々とした香りが鼻を打った。安らかな香り。それは、極彩色の光を収束させ、闇を呼び戻し、気怠く重い瑞貴の身体を優しく包み、深い眠りへと(いざな)った――。

※カクヨムでも同じ作品を掲載していますが、カクヨムでは章ごと、なろうでは1-2パラグラフごとに更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ