はる
はるは
張りつめた
シャボン玉
霞む切なさも
はやる心も
もう少し
もう少し、と
吹き込んだ 息
音もなく膨らんで
押し出されては
ふるえる
か弱い輪郭のまま
潤む風に乗り
萌え出づる野を駆けて
流れゆく淡い景色
不安も
期待も
同じように
不規則に弾む
だんだんと
遠く小さくなる街並み
やわい光に
虹色の渦を描く
うすい膜の内側
漲る
透きとおる焦燥が
高く
さらに高く、と
追い立てれば
ひとつ
またひとつ
目覚めるように
ぱちん、と
弾けた
飛沫を上げる 水色の空