表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩❲情景❳

征くは星の大海

作者: 日浦海里

テント入口のジッパーを開けて顔を出す


寝袋(シュラフ)の中に入って

寝転んだまま夜空を見上げたら

心は夜空に吸い込まれてく


風のない穏やかな夜に

薄い絹のような雲は

眺めているうちに

黒い沼地のような空に溶けていった


空を彩る一面の星、ホシ、ほし


雲とは異なる白い帯

星々の船を導くように

南の空に流れる星の河



神話を象る星の座が

夜空と共に在るはずだけど

水面に浮かんだ星を目にしたら

きっと神様も僕と一緒に

星空観察しているよ


天駆ける星

流れゆく星


燃え出づる星

燃え尽きる星


波打つことない水面に

明かりを灯して征く星の船

今、1つの船が空を裂いて

夜の水面の底に消えていった


空に瞬く一面の星、ホシ、ほし


そこが世界の中心と

星々の船は巡るように

北の空に輝く星の(しるべ)


遥か遠くの星の大海

人の足でどれほど高みに昇っても

届くことのない彼方の海


それでも、この心だけは

大気の膜に閉じ込めることも出来ずに

その暗闇の内に吸い込まれてく


明けの星が夜空のジッパーを開ける時まで


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] とてもロマンチックな作品ですね。キャンプにはあまり行ったことないのですが(インドア派なので)この作品を読んで少し行ってみたいなと思いました(´ω`*) 神様と星空観察というのも素敵だなと思い…
[良い点]  山キャンプでしょうか?  私も美ヶ原高原辺りの木製ベンチにシュラフで寝転がって宙舟を望んでみたいです★ [気になる点]  黒い沼地とは凄い表現ですけど、飲み込まれる感があって良いですね……
[良い点]  夜明けを、ジッパーに例えたところ。 [気になる点]  そしたら、つぎの夜更けは、ジッパーをしめるのか?  それとも、青空のジッパーをひらいて、つぎの夜更けが顔を出すのか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ