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Over the Holizon ‐ 力の意思 ‐  作者: 天沼 観影
第二章
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第四十二話(第七十二話) 状況報告

 翌朝は早朝からマクラ共和国内は騒がしかった。


 モーヴ中将の計らいでアスプロさん、ノルンさん含めマクラ共和国の迎賓館に宿泊させてもらっていた僕らはその豪勢な施設に落ち着かない夜を過ごしつつも、揺れの無い寝心地の良いベッドで久々に深い眠りについていた。


 朝食後改めてマクラ共和国軍本部のミーティングルームにて現状を整理し、マクラ共和国ラピュタ化計画とムー大陸次元転移を実行する運びとなっている。


ー マクラ共和国軍本部 ミーティングルーム ー


「諸君、昨晩はよく眠れたかね?」


 ミーティングルームに着くと、先に来ていたモーヴ中将が声を掛けて来た。


「モーヴ中将、おはようございます。なんだか慣れない場所で落ち着かなかったですが・・・おかげ様でよく眠れました。」

「そうか、それは良かった。君らには今日は頑張ってもらわなければいけないからな!特別な計らいをさせてもらったよ。」


 その後ミーティングルームには各国の首脳初めマクラ共和国の要人も集まって来た。


 最後に物腰柔らかだが、明らかに達人と思われる一部の隙も感じない軍人たちのトップ・・・マクラ共和国軍元帥が入室してきた。元帥は僕を見ると声を掛けて来た。


「おはよう、真倉君。マクラ共和国軍元帥のマーヴロスです。こうやって直接話をするのは初めてだね。今回の件、君にこの国の命運を任せる事になってしまい済まないが、宜しく頼むね。」

「は、はい!精一杯頑張らせて頂きます・・・!」


 思わぬ声掛けに緊張して変な硬い返事をしてしまった・・・。


「ぷっ、つとむガチガチだね。」

「う、うるさいな・・・!」


 全員が着席すると、ミーティングが始まった。


 まず、マクラ共和国の状況としては早朝に次元転移の報道がされ、基本的には全国民各地域の指定避難施設に集まり、待機する方向で動いているとのこと。空中都市となる予定の中央執政区周辺の地域に住んでいる人に限っては住居の問題もあるため希望する人は空中都市に滞在する事になった。


 空中都市に残るのは軍関係者の大半と国政を担う役人で、地域の役人は各地方の行政を行うために次元転移組となる。

 マクラ共和国以外の国は基本的に要人は昨夜のうちに情報が伝わり、ほぼマクラ共和国に移動中で空中都市に残るらしい。説明の内容から、次元転移に対する信頼感が低いように感じた。恐らく見知らぬ地への恐怖感もあるのだろう。

 このあたりは致し方ない部分もあるが、要人のみが移動中というのは引っかかった・・・。


 人民の移動は基本的には昼前には終わるだろうとのこと。

従って、計画の実行は昼頃となりそうだ。


 次に、ムー大陸外に調査に向かっている隊の状況報告がされた。


 まず、陽子の物質体である狐の化け物の動向を調査しに行った日本防衛隊の報告から、件の化け物は高地の多い富士山周辺で猛威を振るっており、洪水から逃げて来た妖憑きを次々食らい取り込んで着実にその力を増しているようだ・・・。

 ただ、気になるのがその周辺でアトランティス製と思われるヴィマナも多数発見されているということで、アトランティス人がやはりあの化け物に何等かの興味を持っているのは間違いなさそうだ。


 日本防衛隊の監視隊はその場に留まり、逐次状況をマクラ共和国へと連絡するようだ。


「一般人である妖憑きが犠牲になっている・・・今回の件が終わったら次こそはアイツを止めないとな・・・。」

「うん・・・そうだね・・・。」


 自身の肉体が行っている蛮行に陽子は必要以上にナーヴァスになっているようだった。


 そしてアトランティスへの派遣隊については、現状まだ現地には到着しておらず、大西洋を北上中とのことだ。

 とはいえ、今回の洪水の一件でムー大陸の各国としてもアトランティスに化け物討伐の協力要請をするのかどうかについて意見が割れ、まだ到着まで少し時間が掛かりそうな事も含め議題が保留となった・・・。


 そしてインド洋沖に滞在しているレムリア大陸派遣隊については、本来であればレムリア人との交流も図れ、任務を完了した事で帰還する予定だったが、この洪水によって世界情勢がどうなっているのかも知る必要があるため、ユーラシア大陸、アフリカ大陸の状況調査を引き続き行う任務を受けたようだ。

 新たに調査団となったレムリア大陸派遣団は、モーヴ中将がマクラ共和国に帰還したことと、調査のスペシャリストであることからヌーディ少将が一団の総指揮を引き継ぐ事となったようだ。


「ヌーディ少将が総指揮とか・・・大丈夫なのか・・・?」

「仕事はきっちりやる人だし、むしろ船上が明るくなって良いんじゃない?」

「まぁ・・・今の状況考えるとそれもアリなのか・・・?」


「それより、ミシェルさんとは当分会えないんだね・・・。」

「あ、そういうことになるのか・・・。」


 これまで僕たちの戦闘技術指南をしてきてくれていたミシェルさんと離れ離れになる事が分かり、少し不安を覚えた・・・。


 そして最後に今回のマクラ共和国ラピュタ化計画と、ムー大陸次元転移についての詳細計画を代表して僕が説明したのだが・・・。

 各国代表から、計画の確実性と失敗した際の代替案について問い詰められることとなった・・・。

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