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Over the Holizon ‐ 力の意思 ‐  作者: 天沼 観影
第一章
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第七話 意外な事実②

 世界地図を元に、この世界についての疑問や僕らが分かっていない現状などを引き続き聞くことにした。

その前に・・・色々あり過ぎて聞き忘れた大事なことがもう一つ。


「あの、聞きそびれていて今更なのですが、あなたの所属とお名前教えて頂けないでしょうか?」

「あぁ、失礼しました。私は日本防衛隊陸軍少尉、藤枝 忍と申します。」


 防衛隊?自衛隊ではなく?大した違いではないかも知れないけど・・・


「防衛隊、ですか。では改めて藤枝さん、宜しくお願いします。」

「こちらこそ、宜しくお願いします。」


「僕たちここに来て色々分からない事だらけで何から聞けば良いのか分からないのですが、まず僕たちが出てきた光について、何故監視をしていたのか、あれは一体何なのか分かる範囲で教えて頂けないでしょうか?」


「あの光は太古の昔、本土の遙か南東にあるイースター半島にあったと言われています。そこから光より大地が生まれ、長い年月をかけて北西へと移動し、最後に先ほど見たあの場所へと移動したと言い伝えられています。そして最後の場所に辿り着いてからはもう何百年もあの場所にあったと言われています。

 あの光からは大地の他に、先住民もまた出てきたと言われています。なので、あの光から出てくる人を保護するのが主に監視をしていた理由となります。」


「主に、というと他にも何か目的があるのでしょうか?」

「そこは軍事機密も含まれるので多くは語れませんが、あなたも見た通りあの光からは大地や人以外にも、色々なものが出て来ています。人を見たのはあなたが初めてですが、色々なものは時折出てきていました。」


 なるほど、研究所の瓦礫だから最先端の機器が沢山あるし、あそこの周辺からはレアアースなども出てくるだろうから、監視もするわけだ・・・。それを何にどう使うのかが軍事機密というわけか。


 それにしても、太古の昔からあったというのが引っかかるものの、凄い話を聞いてしまった気がする・・・ムー大陸誕生秘話ではないですか・・・!


「ちなみに・・・本土ではほとんど見られないのですが、世界中の他の大陸では人が鬼や悪魔などに乗っ取られ人々を襲うという不治の病が昔からあるのですが、ここ数年世界各地で急激に拡大しており各都市深刻な打撃を受けていると聞いています・・・。あの光が消えたのが1年前なので、何か関係があるのか議論がされているところです。」


 えっ・・・何だか不穏な事を聞いたぞ・・・。というよりそれって・・・。


「陽子、もしかすると陽子が狐の化け物になったのもその奇病かも知れないな・・・。」

「そ、そうだね・・・。」


 そんな病気に罹ったのだとしたら、よく無事だったものだ・・・というか僕にしか見えていない時点で無事ではないのか??


「その病気が他の大陸では蔓延しているのに、ムー大陸ではほとんど見られない原因って何か分かっているのでしょうか?」

「厳密なことは分かっていないですが、一説では本土の人間は例の光から出てきた人間の子孫が大半で、他の大陸の人間は原住民の子孫だというのが関係しているのではないかと言われています。」

「うーん・・・その仮説だと光から出てきた陽子が罹る理由になってないな・・・。」


「ところで・・・ムー大陸以外でその病気が蔓延していない地域というのは無いでしょうか?」


 何となく、漠然とした予感があり聞いてみた。


「・・・他にはアトランティス大陸と、レムリア大陸でも蔓延していないと聞いています。」

「・・・だとすると、先ほどの仮説は違う事になりますね。」

「そうですね・・・。」


「ちなみに、レムリア大陸の事は先ほど聞きましたが、アトランティス大陸がどういう場所なのか聞いても良いでしょうか?」

「はい、アトランティス大陸の話をする前に話すべきことがあるのですが、これもまた他大陸ではの話になるのですが、異質な特徴を持った子供が時折生まれ、その子供たちは耳や鼻が長い、背が異常に小さく大人になっても変わらない、また動物のような身体的特徴を持つといった異常が見られ、また不思議な能力を持っていたりするため気味悪がられ迫害を受けて続けているという歴史があります。」


 んん・・・?動物のようなというところがまた陽子を彷彿させられるな・・・。


「そして、その迫害された異質な人々が人間社会から追いやられ、集まって生活を始めたのですが、その異質な能力によってアトランティス大陸を生み出し、移住したと言われています。」


「人間が大陸を生み出しただって・・・?」

「はい、そのあたりはかなり古い話になり、大陸を生み出すのに古代の神の力の助力もあったと言われていたりとはっきりとしていません。」


「ふむ、いづれにせよアトランティス大陸に住むのは普通の人間ではないわけだ。」

「そうなります。また、そういう歴史があるためアトランティス大陸と他大陸の国家間では昔から小競り合いが絶えず、戦争が繰り返されていたのです。また、アトランティス人、アトランティアンの中には過激派も居て、領土獲得を目的に我々の本土に攻め込んでくるような事も時折あります。我々の防衛目的の一つでもあります。」


「なんと穏やかな話ではないな・・・。歴史を考えると難しいかも知れないけど、同じ人類なのだから仲良くしたいものだ・・・。」

「はい、個人的にはそう思います・・・。ですが、先ほど話したようにここ数年諸大陸での奇病による異形な者の大量発生によりアトランティス大陸も攻撃を受け、我々の本土へと攻め込む余力も無いようで結果的には平穏な状態になっています・・・。」


「いやいや、それって今はムー大陸は異形な者の攻撃対象になっていないだけで、そのうち攻め込まれる危険があるって事じゃないですか?」

「はい、我々の本土は広い海に囲まれているため、結果的に海が防波堤になり守られているというのが実情かと思います。」


「なるほど、地図を見てもアトランティス大陸と他の大陸の一部は非常に近いから、そこから攻め込まれそうな地形だな・・・。

 もしムー大陸が攻め込まれるとしたら・・・

 あー・・・小笠原諸島あたりが一番近いな・・・。というよりこれって小笠原諸島の一部が半島になってムー大陸と繋がってるな。これも例の光から土地が生まれたという影響なのか・・・?」


 あれ?そういえば海が防波堤になっているというけど、アトランティス人はどうやってムー大陸に侵攻しているのだろう・・・。船か飛行機か?というか、この世界の文明レベルってどの程度なんだろう?


 細かい事も気になるけど、今はさほど関係の無い話になるので追々色々見聞きする中で知るとしよう。

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