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Over the Holizon ‐ 力の意思 ‐  作者: 天沼 観影
第一章
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第十四話 偉人

「まず本題に入る前にムー大陸の歴史について少しお話させて頂きますが、既にご存じの事はありますか?」

「ムー大陸は神の光?がイースター半島から南鳥島まで移動しつつ大地を生み出し、原住民も光から出て来たとは聞いています。」


「左様です。神の光が初めて現れ、大地を生み出し始めたのが約10万年前と地質学から分かっています。そして1万年前ほど前より移動を開始し、最初の原住民が出てきたのが7000年ほど前です。

 当時はまだ小さな島国かつ住民も少なく、平穏に暮らしていたようですが様相が変わったのが約3000年前。

 神の光より100万以上の民が一気に出て来て、中には特権階級の者も居たようで原住民を奴隷とし、大国を築きました。時の権力者はラ・ムーと呼ばれ、2000年以上もの間代々君臨し続けました。」


 100万人以上・・・?時間経過と神の光の移動を考えると、ハワイあたりの人々だろうか?


「神の光から出てきた者たちは短命ではあったものの、高度な技術を持っており他大陸からの侵略も寄せ付けず強大な力を有していました。また、権力の偏りも大きく貧富の差はかなりのものだったとされています。」


「すみません・・・短命だったというのは何故でしょうか?」

「そうですね・・・当時の権力者のミイラなどを調査したところ、かなりの高濃度の放射線が検出され、恐らくですが神の光から出てきた際に被爆していたと考えられます。」

「被爆!?・・・そういえば、あの光から出てきた直後の眩暈や吐血ってそのせいなのか・・・?」

「短命と言っても個人差があり、長命の者も多く居たようなのでそこまで気にする影響ではないかと思いますよ。」


 うーん、、、慰めにしか聞こえないな。。。


「それに、神の光から出て来た者の中には超常な力を有した者も居たと言われています。」

「超常な力?」

「はい、古い文献の中には手を使わずに物を動かせる者や遠く離れた音を聞き取れる者、人の治癒力を高める者、真偽は不明ですが天変地異を起こせる者も居たとされています。

 また、それらの人々に共通した証言として、光の向こう側で"神の言葉"を聞いた、と。」

「あ、それ、僕聞いたかも知れないです。」

「私は聞いてない・・・。」

「おぉ、文献は本当だったのですね、それは興味深い!」


 とはいえ、体内の微小ブラックホールは超常な力、なのか・・・?ウィルの存在の方が超常っぽいな。


「えっと・・・どこまで話しましたかな。そうそう、かつてはかなりの格差社会だったのですが、潮目が変わったのが今から340年前。真倉 博史様と真理様が神の光から出て来たのです。

 博史様は物質を無から生み出す力を持ち、当時の科学力では考えられない武具を次々生み出して権力に対抗し格差を無くしたと言われ、そして今日のムー大陸技術の基礎を築きました。」


 親父・・・異世界最強物を地で行ってたのかよ・・・!なんだか羨ましいな!!


「また、真理様は最高位の悟りを開き人々の心を救い、そして無余涅槃(むよねはん)流武術の基礎を築きました。」

「え、武術・・・?母さんが?」

「ええ。とはいえ真理様が築いたのは本当に概念と言いますか、実際に武術まで昇華させたのは他の者のようでが一般的には真理様が開祖とされています。そのあたりは興味があればまた別の者に聞くと良いかと思います。」


 うーん・・・今後の事を考えると、これはまた聞いておいた方が良さそうだな・・・。


「無余涅槃流の基礎は今ではこの国の義務教育にも取り入れられており、国民の道徳心向上及び護身術としても役立てられています。」

「何だか・・・母が皆の役に立てているようで誇らしい気分です。」

「それはもう、真理様は一部では菩薩様とも言われていますよ。」

「菩薩とは・・・また凄い二つ名ですね。」


「お父さんが武力にて権力の平準化及び生活水準の向上、お母さんが道徳心を国民に広げたことで、この国の礎となったのですね。」

「はは・・・そう考えると最強のカップルだな・・・。」


「はい、お二人のお力添えのおかげでこの国は豊かになり、その後今の領地配分及び皆の協議の上真倉ご夫妻の苗字を貰い、マクラ共和国が出来上がりました。

 ちなみに、現在の元号である"安始"も博史様が決めたそうです。」

「げっ・・・親父のやつ、僕が見せたネット上の未来人予言から適当に付けやがったな・・・。」

「ははは・・・お父さんらしいと言えばお父さんらしいね・・・。」

「ほんと親父は自重する事を知らないからな・・・。

 にしてもなるほど、僕らがこの国で歓迎される理由が分かった気がします。」


 父さんと母さんは既にこの世には居ないのかも知れないけど、こうして歴史として語り継がれ、皆に敬われていると分かると何だか本当はすぐ近くに居るんじゃないかと錯覚してしまい、段々と寂しさが薄れるのが分かった。


「お二人の偉業については伝記の出版物も多数出ていますから、是非読んでみて下さい。」

「おぉ、、、伝記まであるのか・・・。」


「そして本題になりますが・・・。最初に一部の有識者にしか公開していないと話した内容ですが、大いなる災いと、その後もたらすとされる福音に対して、何かしら思うところは無いでしょうか?」

「そうですね・・・。」


 僕は他大陸で起こっている事、世界を滅ぼしうる妖の事、そして僕の黒い力とウィルが鍵を握っているかも知れないことを話した。

勿論、陽子との関連性は伏せたまま・・・。

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