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子猫と美少女と俺が同じベッドで寝ることになった件



下駄箱のとこで、


林ユーコがまさかの俺を待ち伏せしてた。


そして言う事には。


「タキシード、元気?」


「うん、昨日の夜、一緒に寝たよ」


「そーなんだぁ!あのさ、今日、山吹くん家、

遊びに行ってもいい?」


「え」


「タキシードのこと気になるし...」


「あ、えーっと。部屋汚いし。ちょっとそれは...」


色々とまずい。俺、家の中に女の子入れたことないし。


まして、高嶺の花が来訪するなんて

ビビるだろ、さすがにっ!


「やった!じゃあさ、住所教えてよ。

私、一旦、家に帰って色々準備してから行くからさ!」


「あ、う、うん」


俺はメモ用紙にさらさらと自宅住所を書いて

彼女に渡した。


学校が終わって、大急ぎ家に帰って、

部屋の掃除に明け暮れた。


掃除機をかけ、ごちゃついた

リビングを片した。

とりあえず、彼女が足を踏み入れるであろうリビングだけはきれいにしたんだ。


やがて。


ピンポン!


と呼び鈴が鳴って。


俺は玄関に走った。


ドアを開けると。


「え、なに、その荷物??」


キャリーバッグを引いてた。


「あーのー、ね、今日から一週間泊まることにする!


「え、泊まる?」


「そ。私、タキシードを勝手に捨てられて頭にきててさ!家飛び出してきちゃった。

あ、でも大丈夫。ちゃんと置き手紙してきたよ!

一週間したらちゃんと戻ってくるって書いてある」


「ええええええ」


奥から。


タキシードが走って来た。


そして、ピョン!とジャンプして、

林ユーコの胸の中に飛び込んだんだ。


このとき、俺は思った。


いいなぁ、猫は。


いくらでも胸のなかに遠慮なく飛び込めるからさ。


「お邪魔しまーす」


彼女はタキシードを抱き抱え、

部屋へと上がったんだ。



俺はとりあえず。


俺の家に泊まる、と宣言した彼女を

なんとかして、ただ単にタキシード見たさに遊びに来たってことにして、暗くなったら帰ってもらおうと思ってた。


しかし。


突然のスコールで。


バシャバシャ雨が降って来た。



ベランダから見える、バケツをひっくり返したよーな大粒の雨。


「家に帰った方がいいよ。

林さんのお父さんお母さん、心配すると

思うし」


と言ったけど、

完璧に無視された。


「嫌よ。こんな雨の中、帰りたくない。

折り畳み傘も一応もってきたけど、

これだけ、強い降りだったら、びしょ濡れ必至だし!

今日は金曜日で、明日は学校休み。

悪いけど泊めてもらうから」


「パジャマも、バスタオルも、一週間分の着替えも、学校の制服も持ってきてんだから、大丈夫よ!」


「それで、今夜から私、タキシードと一緒に寝るの!」



「えええええ」


やがて、夕飯の時間になり、彼女が

腕を奮ってくれた。


オムライスとかシーザーサラダとか作ってくれた。


びっくりするくらい、美味しかった。


それから。


彼女は、


「シャワー借りるわね!」


と意気揚々と浴室に消えた。


その後。


とんでもない展開が待っていた。


パジャマに着替えて、お互い寝なきゃいけない時間になったとき。


俺はそこそこ綺麗な和室に

来客用の布団を敷いてあげたんだけど。

しばらくは、

彼女もタキシードもそこで寝てた。


だけど。

雷が鳴り響き、

タキシードが、和室を脱走して、

俺の部屋に来てしまったんだ。


布団に入れろ、と、

ニャアニャア言い出したんだ。


寝ぼけ眼で電気をつけると、


枕を抱えた美少女がドアのところに立っていた。



「雷が鳴っていてひとりで寝るの怖いじゃない!

それに!タキシードが何故か、

山吹くんの寝るベッドに潜り込むとかどーゆーこと?」


「さ、さあ?」


「俺のベッドが気に入っちまった、とか?」


「じゃあ!私も一緒に寝る!」




「ええええ、、」


こーして。

半ば強引に三人、いや二人プラス一匹で寝た。


野良猫を助けたら、

茶髪の美少女と一緒に寝ることになるなんて。


俺は想像もしなかったんだ。





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