epilogue.
ミカエルの大天使就任からおよそ半年後、ミカエルの下を離れたグレゴリオは天使から天使長に昇進していた。
今の彼の仕事は天国内の見回りである。現在、天使長より上の人物が未就任なので実質的にはグレゴリオがトップなのだ。
「…そういえばミカエル様は元気だろうか…あのあと珍しく静かだったけど……あの方が居ないと意外に寂しくなるものなんだなあ……」
グレゴリオが考え込んでいたその時、やけに聞き慣れた声が聞こえてきた。
「ねえちょっとそこのお嬢さん、私とお茶しない?……え?そんなことないよ!死んでたって君はさながら天使のような輝きに満ち溢れている!あ、待っておくれよ!…………行ってしまったか……」
「…………………」
「………………………………………」
「………」
「グレッグ?」
「すいません、人違いのようですね」
「ひどいよグレッグ!忠実なる私の部下よ!」
「……ミカエル様、私、天使長になったんですよ。一応今は天界の見回りをしてます。この間責任者のウリエル様がここを御立ちになられたので今は私が責任者なんですよ。」
グレゴリオが言うと、ミカエルは驚いたように言った。
「それは奇遇だね。やっぱり君は私の部下であることに変わりは無いらしい!」
「え?」
「今日から私が、大天使の一人としてここの責任者になったのだ!よろしく頼むよグレゴリオ!」
「………マジですか………」
しばらく顔を見合わせた2人は、直後に大声で笑い始めた。そして、大天使ミカエルとその部下グレゴリオの壮絶な生活が半年ぶりに再び始まるのだった。
2019/10/20 転載




