俺のせい?いやいやきっかけはタカシだろ
僕は目に入る人達を識別で確認していく。
魔法使い
エルフ
魔法使い
魔王の娘
ブーーーーーー!!!!
思わず吹いた。
通りを逆側から歩いてくるマントを羽織った3人組。こちらから見て右側に2メートル近い大柄の短髪のおじさん、この人の種族は魔族だ。左側に色黒でボリュームのあるパーマのかかった青い髪の綺麗なお姉さん、なんとこの人はダークエルフ。ダークエルフ・・・ダークエルフかぁ・・・。グッとくるものがあるな。
そして中央にフードを深く被った魔王の娘だ。
触らぬ神に祟りなし
人通りの多いこの大通りなら特に意識しなけりゃ関わることもないだろう。
このままスルーだな。
ドン!!
「ちょっと待てやおっさん」
いやあああああっ!!どうしてそんなに引きが強いのーーー!
魔王の娘の横に並んでいた大柄なおじさんと肩がぶつかったタカシ。
「別に肩がぶつかるくらいはええんやけど全くの無反応ってのはどうやねん?俺今軽く頭下げたやろ?そういうのはお互いの気持ちなんちゃうの?肩がぶつかったらお互いに「あ、ごめん」みたいな感じでちょっと頭下げるだけで誰も嫌な気分にならへんやろ?今お前が頭下げへんかったことによって俺の気分は最悪やわ。どうしてくれんねん?」
大柄の魔族のおじさんは表情を変えずにタカシを睨みつけた。
そして僕はタカシとその大柄な魔族のおじさんの間に入っていき
「あーー、ウチの連れがすみません。少々短気なもので、やれ睨んだ、やれ肩がぶつかったって喧嘩ふっかけるような奴なんです。それでも肩がぶつかって、ただ睨み返しただけのあなたもあまり良い対応とは思えませんよ」
僕はじっとその大柄な魔族のおじさんを見つめた。
「ああ、すまなかった」
お、意外と良い人なのか?無表情ではあったが謝罪の言葉を口にしてくれた。
「いえいえこちらもすみません。肩がぶつかるってことは半分はこちらも悪いんですから。ほら、タカシも謝れ。呼び止めた形になってすみません。お姉さんも、お嬢ちゃんも」
僕はそう言って横のダークエルフのお姉さんと魔王の娘に声をかけた。
「ほらほらタカシ、マサル、行くぞ」
僕は2人を背中から押してその場から離れて行った。
少し離れたところで僕は小声でタカシに話しかけた。
「おい、今タカシが声をかけたおじさん。ちなみに種族が魔族だったんだぞ。いらんいざこざを起こすなよ」
「マジか?大丈夫なんかな?魔族って武闘大会の時のアイツみたいに危険じゃなけりゃええんやけど」
「なぁなぁマーシー」
マサルはいつのまにか取り出した焼き鳥を口運びながら
「さっきの真ん中の奴、お嬢ちゃんって言ってたけど、あの髭面の奴って女の子?」
!?
「そうそう俺も思ったけど真ん中のって女の子やったん?」
!?
やってもた
魔王の娘っていう情報だけであまり外見を見てなかった。フードを被ってるのは分かってたが。
僕は索敵で後方を確認する。
するとさっきの3人がUターンしてこちらに近づいてくるのが分かった。
「悪い2人とも。簡単に説明するとさっきのおじさんが魔族で左の女の人がダークエルフ。そして真ん中のフードを被った奴が魔王の娘だ」
「あの髭面が魔王の娘やって?するってーと魔王は女でも髭が生えるってことなんか?」
「っていうのは冗談で、変装か変身でもしてたということですね?」
「イエス。そしてそれを俺が簡単に見破ったと・・・・。そして3人は今Uターンしてこっちに向かってきてる(涙)」
「・・・・・・・。マーシーのせいってことですね」
「ごめんなさい」
僕達は早歩きで逃げようとするが角を曲がってももちろんついてくる。
索敵で東の方は人通りが少ないのを確認した僕はとりあえずそっち方面に行こうと2人に伝える。
人通りが少なくなると僕達はスピードをあげてまいてしまおうとするが追ってくる3人もスピードをあげた。
「仕方がない、東にも街の出入り口があるから一旦外に出よう。最悪戦闘になったら街中じゃまずい」
「了ー解!じゃあ別々に散って外で落ち合うってことで」
「ほな俺は左から」
マサルは右側へ、タカシは左側へ。
そして僕は真っ直ぐ街の出入り口へと向かう。
・・・・・・。
・・・・・・・・。
3人は3人共僕を追いかけてきていた。
しまった!!追われてるのは僕だった!
石造りの壁の途中に入ってきた門よりもずっと小さな門の前に門番が警備についていた。他には出入り口の利用者は居ないようですぐに門番に出ることを伝えて入場許可証を見せて門から出る。
こちら側は都市の周りをぐるっと回る道を逸れると大きな草原になっていた。少し街から離れると岩山や木々が生い茂り遠目には森が見える。
索敵で確認すると追ってきている3人も街から出て来たところでこちらには気づいている。
「さて、どうするかな。タカシとマサルにはまかれちまったしな。このままスピードに物を言わせて逃げ切るのも手だが結果的にリアには戻って来ないといけないわけだしな」
僕は仕方ないと思い街の方からは見えない、岩山や木々の茂った位置で足を止めて3人を迎えることにした。
ハァ、どうしたもんかな。
立ち止まって待っていると3人が目の前に姿を現した。
「何故そんなに必死になって逃げる?」
ダークエルフのお姉さんが問いかける。
「何言ってるんですか。追いかけられたら逃げる。当たり前のことでしょう?」
真ん中のフードを被った魔王の娘が一歩前に出た。
「何故私が女だと?」
たしかに髭面だな。クソッ!背丈は僕よりも少し低いくらいか。
さて、どんな言い訳をしたもんか。
「いやぁ、雰囲気と仕草ですよ。さっきはその髭面が見えなかったもので、女性かと思ったんですよ。失礼しました」
すると魔王の娘は指にはめていた指輪を外し、フードをとった。
周囲に魔力が流れたかと思うと髭面ではなくなり腰辺りまで伸びた綺麗な黒髪に綺麗な黒い目。僕よりも少し若い感じの可愛い女の子が僕を睨みつけていた。




