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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
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魔法、それは少年にとっての夢だったりする




後方に街を囲んだどデカイ石の壁を見ながら前方にある森までゆっくりと進む。


徐々に草の丈が高くなっていく。野うさぎか出てきたらまず僕が軽く一撃を入れてそれにマサルがトドメさすようにと2人に言った。2人で攻撃すれば経験値が2人ともに入るのか、トドメをさした者に入るのか確認するためだ。



ガサガサッと前方で物音がし、足を止める。

僕が少し前に出ると黒い影、案の定野うさぎが跳びはねてきた。それを僕はかわしながら左拳で殴りつける。と、同時にかわした体勢の僕にもう一匹飛び込んできたのでそちらの野うさぎは腹を蹴り上げてもう一匹の野うさぎの方に誘導した。

すると2匹ともすでにマサルの射程距離内でマサルは棍棒を振り上げていた。躊躇することなくその振り上げられた木の塊は野うさぎ2匹に対して降り下げられる


ドゴン!!ビチャ!!


死んだ、、っていうか潰れたな。


しまった。こんな潰れた状態で買い取ってくれるのだろうか?


パラパラパッパッパ~ン


「うざっ」本当にゲームの機械音だ。この大自然の中で聞くにしてはなんか嫌味な音に聞こえたのでメニューの設定にある音設定でSE音はOFFに切り替えた。


マサルも同じくレベルが上がったようで、どうやら攻撃したメンバーは全員経験値が入りそうだ。昨日のを足したら僕は4匹トドメは1匹もさしていない。マサルも4匹。マサルは全部にトドメをさしたからどちらかに多く経験値が入ることもないのかな?獲得した経験値は均等に割られていることもあるかもしれない。まぁそれでもなるべくは複数人で攻撃するようにしてもいいかもしれないな。


だがしかし


「「めんどくさい」」


で一蹴された。


「だよな」

僕も同意見だ。


メッセージウィンドウには

HPが12アップした

MPが80アップした

力が3アップした

俊敏が8アップした

知力が30アップした

体力が6アップした

運が1アップした


「MPと知力の上がり方がハンパない」


完全に魔法で戦えと言われているようだ。

ちゃんとスキルポイントも5増えている。


マサルはタカシと上がり幅は似たようなものだった。


HPは30、力は10。タカシとは違ってMPと知力が2上がってるくらいの差だ。力はMAXなので408になっている。どこまで怪力になるつもりだ。



「よし。そろそろ魔法も覚えてみよう」


パチパチパチパチパチパチ。


「「まっほっうっ!まっほっうっ!」」


ノリノリだなオイ。

かく言う僕も、、、超ノリノリだ!!


だって魔法だ魔法。テンションあがらないわけがない。ファンタジー万歳!!


僕は火魔法にスキルポイントを2ポイントあてるとメッセージウィンドウに『火魔法LV1を取得した』と出た。


うーんどうだろう?別に変化はないな。想像に任せてやってみようか。


手を前に向けてみて念じる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



ウキウキしながら身を乗り出していたタカシが、、、、、こけた。


「なんやねん!出ーへんのかい!」


「おかしーなー」僕は自分のステータスを確認してみた。火魔法が活性している。あとかっこがついていて(ファイア)となっているな。


もう一度手を前に出して今度は心の中で(ファイア)と念じてみる。なんだか手が暖かくなったような感じがしたが、今度も何も出なかった。いけそうな感じがしたが、駄目か。

いやはや仕方がないな。これはできればやりたくないんだけどな。だって何も出なかった時の精神的ダメージがハンパないはずだ。


僕は、はぁ、とため息をついて手を前に差し出したままこう呟いた。


「ファイア」


ボボゥ!!


「「おおおおおおお」」

歓声があがった。


良かった。出てくれた。口に出して出なかった時は何処の妄想野郎かと馬鹿にされるところだった。


僕の掌の前に今バスケットボールくらいの火の玉が浮いている。

後はどう飛ばすのか?


その掌を10メートルくらい先にある50センチくらいの石に向ける。

(行けっ!)と心で念じるとその火の玉は勢いよく飛んでいき石に当たるとボゥ!と弾けてその周辺を炎で焼き払った。石を中心にだいたい半径2メートルくらいは焼け野原になったが石が砕けるみたいなことはなかった。火が弱まったのを確認して石の肌を見てみるとガスバーナーでも当てたみたいにチリチリと焦げているため熱はかなり持っているみたいだ。


「すげーな魔法。俺も使いてぇ」

とタカシは羨ましそうな目で僕を見るが

「知力1じゃーなー」

とその視線を投げ捨ててやった。


タカシは横で含み笑いをしているマサルにボディブローを放っている。僕は2人を横目にもう一度、今度はもう少しトーンを下げて「ファイア」と唱えると野球のボールくらいの小さな火の玉ができあがった。


むむっとその火の玉に意識すると棒状のようになったり小さく凝縮することもできた。

色々勝手は良さそうだ。


それにしても、熱くない。なぜだろう?


「ちょっとタカシ」ちょっとコレ触ってみて、と言うと

「無理無理。もうこの距離でも熱いの分かるし」


そうか、術者には自分の魔法の熱とかは関係ないのか。元が自分の魔力だからなのかな?


僕はその後複数出してみたり、一度出したものをゆっくり消してみたりと色々と試してみた。結論を言うと複数一緒に出すことも可能。一つのファイアに消費は1だった。ただし複数出した場合はあまり大きいのは作れなかった。ちょっと大きめのをだして一度出したのを消すこともできたが、流石に魔力は戻らず消費したままだった。飛ばすスピードもある程度は調整できたが、これは小さいものほど早い感じがした。小さく凝縮させて放った火の玉はあっと言う間に石に焦げた穴を作りだしたのでスピードに乗せれば物理的なダメージも追加されていそうだ。目で追えないほどだったのでさながら弾丸のようだった。


こりゃいいもん手にいれた。


後は無詠唱でなんとか出せるように練習しよう。無詠唱でも魔力の集まる感じがしたんで練習次第でなんとかなりそうだ。毎回毎回ファイアと叫ぶのは正直恥ずかしくもあり面倒でもある。


火魔法はLV3までとっておく。今後また試してみよう。スキルポイントは4、8ポイントと消費された。

水魔法と風魔法もLV1を選んで使えるようにしておいた。スキルポイントを2ポイントづつ消費。とりあえず森に入る予定なので火魔法では火事をおこしてしまいかねない。水も風も火と同じようで水の玉、風の玉を火と同じように扱えた。風の方は少し形状を変えて刃状にして放つと斬撃に似せることもできる。イメージすればもっといろんな形に似せることもできそうだ。楽しみ楽しみ。



「じゃあ森行こうか」

と、タカシが先に見える森を見据えた。


「レベル2で?」

まだ早いだろうと僕は聞き返したがワクワクしている2人が今にもダッシュで森に向かいそうだったのでとりあえず待ったをかけた。


「まぁ待て待て、その前に」


先ほどマサルが潰した野うさぎの元に。こいつをどうやって持って帰るのか考えたんだが、野うさぎの死体をアイテム欄に納めてみる。

「入った、、、、」

アイテム欄は『野うさぎ×3』となっている。潰れているが一応野うさぎとしては扱ってくれるのか。これなら持ち運びは楽だな。しかもアイテム欄の1枠しか使ってない。99まで入るのか10くらいで止まるのか、、、これも確かめてみないとな。


「とりあえず、森の付近までは行こうか?猪なんかは相手にしてみたいし。魔法の試し打ちもしたいし」と2人に近づくと


「近寄らないで!!」

「死臭がうつるわ!!」


あ、ひっでェ。


僕は2人に指先を向けると「火」と呟いた


ボボゥ


と、2つの野球ボール台の火の玉を作り出すと2人に目掛けて発射した。


「マジ洒落にならん!!」

と、タカシは即座に避難したが、マサルは手に持っていた棍棒でその火の玉を薙ぎ払った。


火の玉は弾けて残り火が草原を少し焦がした程度だった。「熱っ熱っ」とマサルが火の粉を払っている。すげーなマサル。


いや、マサルよりも凄かったのは避難したタカシの方だった。避難しようと地を蹴る素振りを見せたところまではタカシの姿は見えていたが、瞬間タカシはその場から消えていた。いや、実際消えたわけではなかったが目で追えないスピードでマサルが棍棒を振り回した頃にはすでに100メートルくらい先に逃げていた。


俊敏×4か、、、、。


「本当に打つとか何かんがえてやがる!」

マサルがなにか言ってるな

「すげーなマサル。甲子園目指せるぞ」

さぁ森まで行こうか。



今のやりとりだけで面白い収穫があったな。俊敏×4の効果と、僕の魔法は名前は関係ないってこと。だっていま「火」でイケた。面白いな。なんでもありだ。


タカシに追いつくとタカシも驚いている。

「俺今、加速装置使ったわ」


まぁ、そんな感じだったな。マサルにはタカシが見えていなかったみたいなので簡単に説明して僕もマサルも俊敏を2段階まで上げておく。消費は6ポイントと、上昇値も2倍と予想通りだった。

ついでに僕は力もLV2まで上げておく。これでもやっと力30だが、力はあるにこしたことはないだろう。それと剣術もLV2にしておく。メイン武器はレイピアなので使わないことはないだろう。バンバン魔法ばっかり使うわけにもいかない。

細々と色々なスキルにポイントを振り分ける僕は性格出てるな、と思った。無難に無難に。いきなりひとつだけMAXにあげるとか僕にはできん。






膝あたりまで伸びている草。右も左も草草草に目の前は木木木だ。森には一応道らしきものはあるようで中に入ってはいけるようだ。冒険者達が少しづつ切り拓いていったのだろうか?


「このあたりで猪待ってみるか?」

と、僕が尋ねると。

「まさか」とタカシはそのまま森に足を踏み入れて行った。

「だよな」と僕もマサルもタカシに続いて目の前にあったまだ道と呼べそうな通り道に踏み込んでいった。




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