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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
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おっ買い物♪おっ買い物♪あれ?金銭感覚が最近おかしい






そして僕たちはタバコを求めて貴族街とされる東地区へ足を向ける。


冒険者ギルドを出てそのまま東へ。冒険者ギルドの周りは武器防具屋、道具屋、呑み屋が並んでいたが大きな通りを超えると次第に高級そうな建物が目につきだした。人通りも少なくなっているように感じる。飲食店も西地区に比べて高級な感じで向こうは大衆酒場、こっちはフランス料理店って感じだ。

「マーシー、マーシー。教えてもらった色んな酒を出す店ってのがあったら入ろーや」

「ああ、そういえばそんなこと言ってたな」

昨日詰め所で聞いたやつだな。


さて、どうやって探すかな?とりあえず索敵を広げてみるか。


索敵の能力なのか、識別をセットにしているからなのか、広い範囲でなければ人以外にも物も検索できる。実に便利だ。

服、服、アクセサリー。

お、酒が大量にある建物発見。


「この先に酒屋があるな」

「お、じゃあ先に酒をゲットしよーや」


少し歩いて角を曲がると高級感のある木造の建物。店の前に大きな樽が並べられている。


エシオン酒店


「すみませーん」

僕たちは店内に入った。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなものをお探しですか?」

「美味い酒を」

タカシがかなり大雑把だ。

「少々値のはるものが多いですが種類は豊富にご用意しておりますのでご希望をお伺いできますでしょうか?麦酒、米酒、果実酒、なんでもございますよ」

「じゃあお任せで」

やっぱりタカシが大雑把だ。

「お任せ、でしょうか?でしたらウチはぶどう酒を多く取り扱っておりますのでぶどう酒をいくつかお持ちしますね」


店員さんはそう言って奥に入っていった。


お酒の専門店だけあって棚にはズラリとお酒が並べられている。価格は見た感じ安くても1本銀貨1枚2枚ってところか。ケースに収められた高そうな瓶は金貨2枚とかする。


「こちらのぶどう酒なのですが、今年は出来が良くたくさんのお客様に喜ばれております。試飲されますか?」

「「いただきます」」

おうおう、勝手に呑め。

小さなグラスに入れたぶどう酒を2人は受け取るとグイッとひと呑み。

「お、これは確かに美味いな。程よい酸味と甘み。それでいてなんて呑みやすいんや」

「確かにこれはいいとこのワイン」

「じゃあこれは10本でええわ。あと柑橘系の果実酒と米酒で美味しいのんも探してんねんけど」

「果実酒と米酒でございますね?少々お待ちくださいませ」


そう言って店員さんは色々とお酒を並べてくれた。僕は口出しはせずタカシとマサルがあれやこれやと試飲しながら選んでいく。

「うーん、ビールは呑み屋のビールがやっぱりうまいからビールは別でええわ。ぶどう酒は10果実酒はこれとこれを3本づつ米酒はこの一升瓶のを5本もらうわ。聞いた通りええ品揃えやわ。ありがとう、おっちゃん」

「ぶどう酒銀貨4枚。果実酒銀貨3枚。米酒が銀貨8枚。おいおい、全部で金貨1枚くらいするじゃないか」

「「必要経費だ(や)」」

まぁこのくらいなら目を瞑るか。僕は店員さんに金貨1枚を払った。商品はタカシがそのままアイテムボックスに放り込む。

「ああ、せや。こんへんでタバ・・じゃなくてキセルの売ってるところってどっかある?探してんねんけど」

「キセルですか?雑貨屋でたまに置いてありますしこの通りをまっすぐ行けば右手に専門店もございますよ」

「そっかありがとう。ほなまた来るわ」

「ありがとうございました。またのご来店を」


僕らは酒屋を後にした。


そのまま通りを進んでその専門店へと向かう。

「酒に金貨1枚はちょっと贅沢すぎる」

「分かってる分かってるって。流石にガブガブ呑まへんって。基本はやっぱり安いビールやけどたまーにこういうワインとか日本酒とかって呑みたくなるもんやん。グラスもサービスしてくれたし、たまに3人で呑む感じでええやん」

「勝手に呑むなよ」

「お・・・おう・・・。大丈夫ダイジョウブ」


すぐにお目当ての店発見。こちらも高級感のある木造の店舗。看板には葉っぱのマーク。


ガアラのスモーク店


スモークって・・・・煙を売ってるってことね。


店内に入ると高い天井に木製の棚がズラリ。スーツみたいな恰好の白髪の年配の人がカウンターから出てきた。でかい爺さんだな。180くらいはあるし姿勢もいい。

「いらっしゃい」すっげー渋い声だ。

「お手頃なキセルを探しに来たのですが」

「予算は?」

「ちょっと相場が分からないのですが3人分で葉っぱも込みでいくらくらいになります?」

「一般的なのでキセルが銀貨7枚8枚。スモークの方は1日5セットで大銅貨2枚から5枚」

葉っぱはスモークって言うのか。思ったよりも安くてよかった。100万くらいするような貴族の贅沢品じゃないようだ。それでもスモーク1日2000円なら月間60000円か。贅沢っちゃ贅沢だよな。

「試してみるかい?」

「ぜひお願いします」


僕らはとりあえず一般的なキセルを3本購入。スモークは色々と試させてもらった。時代劇に出てくるような長いもののイメージだったが、実物はもっとシンプルで電子タバコを少し長くしたくらいのものだった。

ミント系、甘いもの、肺にガツンとくるキツいものもあった。

結果一番シンプルな通常の大銅貨2枚のものが元の世界で吸っていたタバコに類似していたためこれを大量購入。それぞれのアイテムボックスに×99を入れて僕のアイテムボックスは空きがあるため予備はすべて僕が所持しておくことになった。おかげでスモーク×99が5つだ。メンソールっぽいミントの葉っぱも適度に調達。

結果50数万で2か月はいける。酒の方が完全に高いじゃねーか。


「ちなみにこのスモークってどこでも吸っても大丈夫なんですか?禁止区域とかがあるならお伺いしたいのですが」

「基本は外。室内で吸うのなら灰皿の用意されているところだけだ。貴族が出入りする高級な店くらいにしか灰皿はないだろうがな」

「じゃあこの灰皿も買っていこう。ホテルで吸うには必要だろうな」


灰皿も購入して僕たちは店を出る。またストックが切れるころにお伺いしますと挨拶した。スモークの販売されているところは限定されるとのことなので帝都以外では少なそうだ。ネットでワンクリックとはいかないよな。小さな町にはほぼ置いていないみたいなのでなるべく余裕を持って補充するようにしよう。




「よし、こっち方面の用事はこれくらいかな」

「なんか図書館行くって言うてなかった?」

「ああ、本は冒険者ギルドで大量に持たされたから大丈夫だ。アイテムボックスに結構な量入ってるから滞在中に全部読めるか心配だよ」



「モグモグ、ガツガツ、ん?見覚えのある馬車が」

マサルの手に持たれた串の指す方向を見ると豪華な馬車が大きな豪邸の前に停められている。

「ああ、多分あのメタボのおっさんの乗ってた馬車やな」

ああ、ルガー伯爵か。

でかい豪邸だなオイ。門番も4人も門の前で警備している。他の豪邸もちらほらあったが門番は居ても1人くらいだった。門番4人も並べているってことはそれなりに敵も多いのかな?


索敵ON


2階にルガー伯爵、近くにギーネルってのが居るな。この距離じゃステータスは流石に出ないか。

ルガー伯爵の居る部屋の隣の部屋・・・大きさが中途半端だ。他の部屋程広くない、倉庫?書庫?

そこに大量の『ダルの葉』だ。


「ルガー伯爵の居る部屋の隣の部屋に大量の薬物発見」

「ホンマか。売ったらそれなりに儲かるんやろうな。貴族としての表の顔に薬物売買を行う裏の顔ってところか」

「もぐもぐ、ゴクン。こういうのって誰が取り締まるんだろうか?」

「街の警備とかは詰め所に居る鎧の兵士さんたちの仕事だろうけど警察署みたいなちゃんとした組織はないのかもな。聖騎士ってのがそれにあたるのかな?証拠がなけりゃ捜査もできないし、こういう権力の持ってる貴族の豪邸に強制捜査ってのもできないよな」

「チャラチャーン、チャッチャッチャッチャチャラチャ、チャラチャーン」

某必殺のBGMね。

「俺たちが証拠掴んで突き出すのか?」

なんて面倒なことを考えているんだ。

「別に俺は反対はせーへんよ。しかしあのメタボのおっさんが視界に入るだけで気分悪―なるからできれば牢屋にでも入ってもらいたいわな」

「あいつが居るだけで飯が不味くなる」

「そして『オアシス』に危害が加わる前に元を絶ってしまいたいということだな」

「「その通り」」

「一歩間違えればこっちが犯罪者になっちまうな」

「そこはそれ、マーシーの仕事」

「オレタチカラダウゴカス。マーシーアタマウゴカス。ブンタンサギョウ」

動機が気に入らないヤツを貶めるため、そして行きつけの風俗店のためってのが僕ららしくていいかもな。

天が僕たちに与えた力はこんなもののために使われるってことか。

「それじゃあホテルに戻って作戦会議な」


そして僕たちは貴族街を後にした。





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