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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
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夢オチってありそうでないもので

深い深い眠りから徐々に身体が覚醒していく。目覚ましが鳴っているわけではないが瞼がゆっくりと開いた。


そのまま10秒ほど固まる。そして今の僕の環境下を復習するように記憶を辿り、再び瞼を下ろして「はぁ」と溜息をついた。


「知らない天井か」



目は閉じたもののほとんど眠気は吹っ飛んでいたため二度寝はできないな。


致し方なく身体を起こしてベッドに座りこみ腕を組む。


「無理だったか、、、、、夢オチ、、、、」


ステータスを開く。


特に何も変わってないことを確認し、右下の時刻を見ると、6時48分。随分と早起きだ。昨日寝たのが確か16時くらいだったんで12時間以上寝てたってことか。タカシとマサルは起きてるだろうか?


昨日寝る時に流石にジーパンと上着だけは脱ぎ捨てたんでそれを拾って部屋を出る。隣のマサルの部屋を覗くともぬけの殻だった。ついでタカシの部屋も覗くとタカシもいないようなのでちょっと不安になる。まさか2人だけ帰ったってことはないだろうな。


すると1階から聞き覚えのあるバカ笑いが聞こえたので少し安堵しながら1階へと階段を降りていく。





「そしたらさぁ、マーシーが蹴飛ばしたウサギは無傷やで無傷。貧弱すぎるーー」

「お、起きたか。貧弱くん」


タカシとマサルはカウンターに座ってリアちゃんと会話を楽しんでいた。僕が話のネタにされていたようだ。

いらんこと言ってないだろうな。


「マーシーくんも朝食食べる?」


リアちゃんが聞いてきてくれたのでぜひにと答えて僕もカウンターについた。


「俺らもさっき起きたとこ。良く寝た寝た」

とマサルがコーヒーらしきものに口をつける。コーヒーか?


「夢オチじゃなかったなー」

タカシは満面の笑顔で僕に言い放った。


「ああ夢オチじゃなかったな」


ははは。


「はーっはっはっはっ!」

「くっくっくっははははは!」

「ひーっひっひっ!!」


3人して迷惑なほど、腹がよじれるほど笑い転げる。実際に転げてるわけじゃないが。


笑いが止まらない。笑わずにはいられない。


「どうしたの?3人とも?」


リアちゃんが心配そうにしている。


「ゴメンゴメンなんでもない」

まだ腹を押さえながら僕は笑いを噛み締めた。


出てきた料理に舌鼓。スクランブルエッグにサラダ、後は分厚いベーコンか。

スクランブルエッグはとっろとろ。

ベーコンは猪の肉を燻製にしたものらしい。

バカ美味だ。


このコーヒーもコーヒーで通じるらしく苦味と風味が朝専用って感じで最高だった。



早めの朝食をとった後僕はリアちゃんに冒険者ギルドは朝から開いているのか確認すると基本24時間対応はしているようなのでまずはそこに行ってみようとタカシとマサルに話した。





まずは僕の部屋でミーティングだ。

タカシは小さめの椅子に。マサルと僕はベッドに腰掛けている。


「とりあえず元の世界に帰ることも頭に入れておきながらこの世界に順応することを考えようか。変に期待してて帰れませんじゃ癪にさわるしな」


「まぁ楽しむしかないわな。ひょっとしたら魔王とか倒したら帰れるかもしれんし」

魔王か、、、居たら居たで嫌だがな。


「とりあえずスライム倒してレベルあげ?」

マサルの意見はごもっともだが

「多分スライムの代わりに野うさぎかな?」


おそらくあの野うさぎがこの辺りの最弱の雑魚なんじゃないかと思う。


「でもマーシー野うさぎ倒されへんやん笑」


「俺のステータス完全魔法使いって感じだからな。レベル1の魔法使いが素手でモンスターに喧嘩売ってどうすんの?とりあえず魔法覚えて試し打ちしてみたいな」


「いいねぇいいねぇ魔法。俺も俺も」

魔法というフレーズにタカシがのってくる。


「いやいや知力2が何言ってんの?掛け算覚えてから出直して来い」


「にゃにおーー。掛け算くらいできるわ!6の段くらいまで余裕じゃい!」


僕とマサルは目を点にしてタカシを見る。まさか、、、冗談だよな?


「まぁまぁ、戦闘方法は後々話そう。それよりも2人ともメニューは隅々まで見たか?」


タカシとマサルは素の表情で


「「いいや」」


と答える。


よしよし予想どおりだ。大丈夫大丈夫。この状況下で説明書も読まずキャラクターの動かし方だけ覚えてスキルも適当に振り分け、始まって1分ですぐにエンカウント狙いでフィールドに出ていってしまうような行動とろうとしてる2人は完全に予想していたことなので大丈夫だ。


「まずメニューのアイテム欄を開けろ」


僕は昨日のうちにひと通り調べておいた。

メニューの『設定』はログの表示非表示、効果音の大きさ、メッセージウィンドウの色などを変えれる程度しかないのでほぼ使わない。大事なのはスキルとアイテム。スキルはおいおい試すことが山程あるが、とりあえずはアイテムだ。アイテムには初期アイテムが少し設置されている。僕のアイテムボックスにあったのは銀貨1枚、銅貨10枚。残りは装備品だった。


最初から装備しておけよ。


僕はそのアイテムを選び、『装備』と選ぶ。


何もないところから一瞬で僕の右手には細長い剣。そして服が布製の街人が着ていたような地味な服装に変わった。布製の服、布製のズボンに布製の靴だ。


「「おおーー」」


2人から感嘆の声があがる。


確かにすごい。防具は一瞬で着れるのか。そしてアイテムボックスの中に今まで僕の着ていた服が収納された。ちなみにアイテムボックスに収まった僕の服は『普通の服』となっている。なんだよ、普通のって。


細い剣はレイピアだった。杖よりはこっちの方が嬉しいな。


タカシが真似するようにアイテムボックスの中から装備品を選んで装備する。


服装は僕のと同じような服で武器はこちらも剣だった。僕のよりも刃が広く少し短いようで「銅の剣って書いてある」とのことだ。

僕のレイピアはシルバーだが、タカシの銅の剣は銅製っぽく銅貨と同じ色だ。

「後は銀貨×1と銅貨×10がある」タカシも僕らと同じ額だけ貨幣はあるようだ。



後はマサルだが、マサルは何故かメニューと睨めっこをしたままだった。まずは服装が瞬時に切り変わり僕らと同じ布製の服が着用される。


マサルが頭を抱えている。


「どうした?武器無しか?」


「いや、、、、、、、ある」


と、マサルの右手に武器が現れた。



するとタカシが、、、、、爆笑する

「あっひゃひゃひゃひゃひゃマ、、マサル、マサルーー、こ、、、棍棒って!!笑笑笑」


ブフーーッと僕も思わず吹き出す、、、

見たまんまオークって感じだ。

誰だか知らんがナイスチョイス!!



ぬうっとその棍棒を僕の目の前に突き出す。

おいおい待て待て、リアルの棍棒って怖ぇよ普通に木の塊だし。余裕で人を撲殺できそうだ。


吹き出しそうになるのを我慢しつつ僕は話をすすめることに努力する。


途中途中話の腰が折れるのはいつものことだがこのまま折れつづけたら明後日の方向までいってしまう。


「さて、オチがついたところで武器はしまっておこう。鞘とかあれば出しててもいいけどやっぱり邪魔だしな。マサルは担いどく?」


「担がねーよ」


薬草の1つでも入ってないかと思ったがまぁ装備があるだけマシだった。




最後に1つ是非試しておきたいことが僕にはあった。それはスキルの中にある『識別』


タカシとマサルはスキルポイントは不用意にも一気に使い切っているため試すのは僕ということになる。アイテムの識別だけなら『鑑定』でいいんじゃないかと思う。故に『識別』とするなら対人にも有効なんじゃないかということだ。まぁ試してみるか。


僕はスキル『識別』に2ポイント消費する。そして自分の今着ている布製の服を見ながら意識する。


『布の服 』


そのままやん。


次はタカシに向かって意識する。


『タカシ LV2 格闘家』


よし、使える。


そのまま、『識別』に4ポイント、8ポイントとスキルポイントを振り分けると3段階でLVMAXという表示になった。力や体力なんかは5段階らしいがこういうスキルは3段階がMAXなのかな?スキルにもよるかもしれないが。


再度タカシを識別するとさきほどのLVと職業以外にもステータスが全て閲覧できるようになっていた。


力が420に俊敏が264

他のステータスに比べてその部分だけ異様すぎる。


これで本気で攻撃されたら僕はオーバーキルだろうな。



何か特技や魔法もスキルで覚えていたら一緒に閲覧できるんだろうか?今は1つも覚えていないのでステータス以外は出てこないが。


モンスターに使えば毒攻撃があるとか火魔法を使ってくるとかちゃんと分かるのだろうか?これも後々試せるな。



よし今できることはこんなものか。後はフィールドに出てからだな。



とりあえず冒険者ギルドに行こう。




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