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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
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一応これが初任給か





「はい!マーシー!!はい!!」

マサルが勢いよく手を挙げている。

うるさいなマサル。僕たちはゆっくり歩きながら冒険者ギルド方面へと向かう。

「夜の南地区。今日の夜は南地区ですね!!」

やっぱりマサルがうるさい。

「ああ、前向きに検討しておくよ」

「え?なんなん?夜は南地区で呑むってことか?」

「ああ、なんか女の子がお酒注いでくれるらしいから多分キャバクラみたいなもんだと思う」

高いんだろうな、きっと。

「タカシ、タカシ!!娼館だってよ娼館!!この世界でまさかそんなものに出会えるとはな!」

タカシがポカンとしているな。そろそろ教えておこうか。

「タカシ、娼館って分かるか?」

「ショウカン?いや、ぜんぜんさっぱりやわ」

「簡単に言うとお金を払うと女の人が性的な意味で心地よいサービスを提供してくれるお店だ」

もちろん逆に男の人が、というのもあるかもしれないが。

「マジ・・・か・・・・」

はい、マジデス。フウゾクデス。

「今日の夜はキャバクラ→風俗コースだ!!夢が広がる!!」

マサルが飯と酒以外に食いつくのは珍しい。

「ホンマか!帝都最高やな!!」

タカシにも火がついた。


しかし・・・確かに楽しみだ・・・。まさかこの世界でそんなものに出会えるとは思ってもみなかった。成人した男3人いてこの手の話しが舞い込んできたらそりゃあもうノリノリだよな。


個人的には『奴隷』って言葉にも熱いものを感じてしまったが。どうしてもエロい発想しか出てこないんだよ。


「まぁ落ち着け2人とも。行くのは行こう。いや、絶対行く!しかし気になるのは金の面だ。金持ちの道楽と言われているんだぞ。一体いくらくらいのものなのか?さらに言うとぼったくりとかもあるかもしれないし。スラム街が近いって言っていたから治安も悪そうだしな」

「ぼったくられたとしてもとりあえず全員叩きのめせばいいんじゃないでしょうか」

「もちろんそんな目に遭わされたら全員ボッコボコにしたったらええんちゃうの?」

2人の言うことに・・・・・・同意だ。

少々強面のお兄さんが出てきても今の僕らには問題はないな。ボッコボコにしたりはしないが暴力で解決できるくらいの力はある。するとやっぱり気になるのは金だよな。


「ワイバーンと一角牛で得た金があと金貨30枚はある・・・・・・。大丈夫そうだな」

「よっしゃ、じゃあ今日の夜は南地区やな!」

「夜が待ち遠しい!」

「夜まで時間はあるからな。とりあえず今から牙の採取に行って、それから防具を受け取る。その後のことはまた考えよう」


僕たちは西地区の通りを越えて西門へ。滞在証を見せて門をくぐる。

草原で索敵を広げてワイルドウルフを探しながら西の山方面へ足を向ける。昨日は山にはワイルドウルフは居たからそこまで行けば会えるだろう。それまでに草原に居ればよし。


やっぱり人通りはチラホラあるため走るわけにはいかない。とぼとぼと歩きながら一応索敵は広げているが目視でも確認できるくらいのただっ広い草原のためあまり意味はなさそうだ。獣なんて全然いない。


「このへんに狼はいなさそうやなぁ」

「もぐもぐ、ごくん。とりあえず山までは歩きかぁ」

あれ?マサルがまたしてもパンを食べている。まだストックがあったのか。

僕たちはそのまま30分ほど進みやっとのことで山の麓までたどり着いた。

お、猪と狼は何匹かヒットした。

「ちゃんと狼はいるようだ。さてと、さっさと5匹仕留めるか」


山に入ったら狼の場所を2人に指示する。後はバラバラに向かって行って仕留めてその遺体を持って帰ってくる。僕は探すだけで一歩も動かず場所だけを2人に伝えるだけだった。きっちり5匹仕留めてまるまるそのままアイテムボックスへ。牙が必要だということだが1体から1本なのか2本なのか?いまいち分からなかったためまるまる持って帰れば問題はないだろう。作業は10分で終了したため移動時間のほうが圧倒的に長かった。これでもこれだけで銀貨1枚と考えると結構時給いいな。


「さて、戻ろうか」

「早ない?ものの10分やで」

「ここにこれ以上居たって仕方がないしな。この後防具を受け取ってあと何件かクエストを受けよう。そうすりゃ夕方くらいになるだろう」

まだ昼なんだよなぁ、やることないからクエストをこなすという変な感じになってしまうが、他に時間つぶせることがないんだよ。


帰りもゆっくり歩いて帝都に戻る。西門は昨日と同じように行列になっているが滞在証を見せて脇の入り口から待たずに入ることができる。


「マーシーマーシー、アイテムボックスに食べ物のストックがなくなりました」

マサルが涙目で訴えてきた。無いとダメという言い方なのがちょっとイラっと来たとは口には出さない。

「ああ、分かったよ。防具を受け取ったらギルド前の出店で昼食取りながらストックすればいい」


僕たちは防具屋に到着し、3人とも防具を受け取った。早速だが3人とも装備させてもらい今日から外に出るときは基本この服装になる。タカシの武闘着は肩からむき出しのため上から半そでのカーディガンみたいなものを羽織っているがマサルはグリズリーが結構暖かいみたいで大丈夫みたいだ。ここ帝都は寒くもないが暑いわけでもない。僕たちの世界のロシアと考えると、もっと寒いイメージがあるがそういうわけでもないようだ。

「なんか一気に冒険者になった気分だな」

「やっぱ形から入るんは大事やな」

僕の服装は袖があるため寒くもない。短いローブも軽くて邪魔にはならなさそうでいい感じだ。西部のガンマン風だが銃のかわりにナイフをさしている。銃とかあれば装備してみたいもんだ。


「ありがとうございました。また何かあれば立ち寄らせていただきます」

「おお、がんばれよルーキーども。早死にすんじゃねーぞ」

「ありがとうございましたー。またのお越しをー」

僕たちは防具屋を後にした。


「さてと、昼飯食ってあと何件かクエストこなそうか」

僕は銀貨を数枚2人に渡してこのあたりの出店で好きなものを食べるように伝える。マサルのストック用も考えて少し多めに銀貨を手渡した。僕は先に冒険者ギルドでクエストの完了報告と依頼探しだ。


2人がウキウキしながら出店に向かうのを見送ってから冒険者ギルドに足を運ぶ。午前中よりも人が多くにぎやかになっていた。

今回も右端の受付は行列になっているので他の空いている列に並ぶ。


「すみません依頼を完了しましたので報告に伺いました」

「はい。それでしたらこちらに手をどうぞ」

いつものギルドの機械だ。

「ワイルドウルフの牙ですね?こちらに提出お願いします」

「すみません、牙だけでよかったのかわからなかったのでまるまる持ってきたんですが、大丈夫でしょうか?」

「ああ、それでしたらそのままここに出せますか?」

カウンターの横にある1メートル四方のカゴにギリギリ5体のワイルドウルフを積み上げる。

「牙の状態も大丈夫ですね。こちらはどういたしますか?このまま買い取りもできますが」

「あ、でしたらお願いします」

受付は簡単なチェックをしてワイルドウルフも一緒にカウンター内に引っ張っていった。受付はすぐに戻って

「はい。でしたらこれでクエスト完了です。こちら依頼料の銀貨1枚と、ワイルドウルフ5体で銀貨2枚です」

僕は銀貨を3枚を受け取った。狼1匹4000円か。猪よりも安いか。

「ありがとうございました」

そう言って僕はそのままクエストの貼ってある掲示板に足を向ける。


一回狩りに出て狼を5匹狩る。クエストも合わせて報酬が3万。やっぱりアイテムボックスがあるのが大きいな。大きな袋に詰めても狼ならだいたい3匹くらいが限界だろうしな。アイテムボックス無しでクエストも無しなら一回狩りに出て往復1万2千。1日に3回同じことして3万6千の報酬なら暮らしていくには十分か。いや、狼も無限に出てくるわけではないし、僕の索敵みたいにすぐに見つけれるわけではない。そう考えるともっと難しいか。Eランクで生活していくのは結構ギリギリだな。Cランクの依頼の報酬は高いので金貨1枚とかがあるからそのあたりまでいかないことにはジリ貧生活になるか。


掲示板を眺める。

猪2匹の調達。カラミ草の採取。荷物の運搬。獣の解体作業。落とし物探し?どうやって見つけるんだよ。


とりあえず妥当なのは猪とカラミ草か。両方とも山で済むな。確かカラミ草って山に生えてたはずだ。こんなことなら1回で済ませておくんだった。


僕は猪2匹の調達とカラミ草採取の依頼書を持って受付へ。受理してもらって冒険者ギルドを出た。







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