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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
36/230

相場が分からないので、高いのか?安いのか?





コーヒーを飲み干し僕たちは冒険者ギルドを出て防具屋を探しまわる。ここの付近には色々と武器屋、防具屋、雑貨屋が集まっているため目移りしてしまうところだ。とりあえず適当に入ってみるか


「いらっしゃいませー」

エプロン姿の16、17くらいの女の子が出迎えてくれた。

「お父さーん、お客さんよー」

「ああ、好きに見て行ってくれ。気に入ったものがあれば言え。新調くらいはサービスでやってやる」

「もうお父さん、お客さんにその言い方はなによー。すみませんお客さんゆっくり見て行ってくださいね」


元気な女の子と白髪の頑固そうなお父さんだ。お父さんの方はこちらを見ずに一本の剣をまじまじと見ている。


「じゃあタカシ、マサル、良さげなの探そう。金額はまぁ、とりあえず気にせずにな」


入ってすぐには少しばかり剣が並べてある。奥には主に盾を中心に。表の看板は防具屋だったんだがな。

どうやら2フロアあるようで隣のフロアには防具が並べられているようだ。


「マサルマサル!亀や!亀の甲羅の鎧!」

背中に甲羅を背負うような鎧を持ってタカシがはしゃいでいる。

「タカシ!修行か!仙人の元で修行か!?」

マサルもはしゃいでいるな。


はいここで便利な、しーきーべーつー(某ロボット風)

鉄の鎧 防御力18

皮の鎧 防御力9

皮の鎧 防御力8

グランタートルの鎧 防御力24

すげーな亀。鉄より硬いのか。

そして皮でもむらがある。そりゃそうか、ゲームじゃなくリアルならそういうこともあるだろうな。


耐火の鎧 防御力14 火耐性

耐性とかもあるのか。


「マーシーマーシー、鎖かたびらや!鎖かたびら!!忍者や忍者!」

鎖かたびらってただ鎖でできた服って感じだな。ちょっと重そうだし。


「ロングホーンだ」

マサルが左右に2本の角の生えた兜を被っている。

「それは強そうやな、マサル」

「ああしかしこうやって腕をまわすと」

角に腕がひっかかる。邪魔だな。


ちゃんとローブも置いてあるな。防御力は大したことないが、耐性付きが多いな。


「気になるのあったら言ってくださいねー。試着もできますからー」

娘の方が声をかけてきた。父の方はやっぱりこちらを見ようともしない。


!?


僕はその父の持っている剣に反応した。

「刀か?」

すると父の方が反応した。

「刀を見たことがあるのか?」

僕はその父の方に歩み寄りその刀を近くで見せてもらう。

「刀ってこの辺りでは珍しいものなんですか?」

「ああ、あまり出回らんな。理由は簡単だ。使うヤツがほとんどいないからだ」

「まあ両刃と片刃って違いは大きいですからね。でもこの刀、綺麗ですね。この刃紋が炎みたいで」

「分かるか?まさに芸術だ。実用性ももちろん大事だが、こういう人を魅了するような武器もまた良い。焼き入れによって違った模様になる刃紋。この反った刀身がまたいい」

「刀使いって、ひょっとして侍・・・とかですか?」

「ああ、南の島国に刀を使う侍という職業の戦士がいるようだ。ぜひ使っているところを見てみたいな」

南の島国か・・・ジパングだよな、多分。何せ侍だからな侍。そっか、侍って職業もあるのか。今はレイピアしか使ってないが刀も使ってみたいよなぁ。


「マーシーマーシー、これこれ。どっちがいいかな?」

マサルが前掛けを2枚持ってきた。真っ黒のやつと薄いグレーのやつ。正直どっちでもいい感強い。


「お、なかなか見どころあるじゃないか。右の方は鉄糸で編まれたもので剣戟も防げる代物だ。左のは魔力を通さない素材でできているからちょっとした魔法くらいならはじき返すぞ」

何その無駄な目利き。マサルの前掛けの鑑定眼が評価されている。

「ふむふむこの黒い方が魔法に強いのか。じゃあこっちにしようかな?ポケットもこっちの方が大きくていいんだよな」

マサルが今つけている前掛けの上から真っ黒の前掛けを装備した。

「マーシーマーシー、どう?」

「ああ、似合ってるよ。渋さが増したな」

「やっぱこのポケットの大きさがいいんだよなぁ」

マサルが両手をすっぽりとポケットに入れている。うん、あのロボットのお腹についてるなんでも出てくるポケットみたいだな。


「マーシーマーシー」

今度はタカシがノースリーブの道着みたいなのを装備してきた「カンフーやカンフー!あちょー!」

ちゃんとした武闘家の道着みたいだ。袖がないから防御力っていうよりは動きやすさ重視か。

「いいんじゃないか?派手でもないし、動きやすそうだな」濃いグリーンの上下、革製の靴もセット。こんな道着着たやつが冒険者ギルドに居たな。


風の武道着

防御力 9

素早さUP


素早さUPってどういう素材なんだろうか?服を着てスピードが上がる仕組みが分からん。


「タカシの道着が大銀貨8枚に対してマサルの前掛けが金貨2枚なのが納得いかないな。道着が80万で前掛けが200万だぞ。マサルの前掛けに200万の価値があるのかどうか?」

「え?200万・・・・」

マサルが尻込みしているな。流石に200万なら遠慮はするようだ。

「魔法耐性のついているものはそれぐらいはするぞ。鎧ならその倍以上はするからな。しかし、前掛けだけじゃあ上半身が無防備だろう」頑固そうなお父さんは横の棚からグレーの毛皮でできた物を取り出した「これぐらいは装備しておけ。この肘当ても付けてやろう」

グレーの毛皮でできた頭から着るチョッキみたいなものだ。そして同じ素材の肘当てか。

「これはグリズリーの毛皮でできた胸当てだ。この肘当ても同じものだ。火と冷気に耐性がある。それに皮よりも丈夫だし軽い。とびっきり高級というわけでもないがルーキーには十分過ぎるくらいだがな」

腕の契約紋ですぐにEランクってばれるんだよなあ。

マサルはその胸当てを頭から被ったが胸の部分でつっかえた。

「ピチピチやん・・・・」

「ピチピチじゃねーか・・・・」

マサルが凄い剣幕でこちらを見るので吹き出すのはなんとか我慢した。

「サイズはちゃんと調整してやるよ。そいつもセットで金貨2枚でいいぞ。新調代もサービスしてやる」

「ええっ!?いいですよ、ちゃんとお金は払いますよ。お金はそこそこ持ってるんできっちり商売してもらって大丈夫ですから」

「なあに、気にすんな。刀の分かるやつに会うのは久々でな。それにその前掛けもずっと売れずに残ってたもんだからな。前掛けして冒険に出るやつも最近はあまり見ねーからよ」

僕にはこういう前掛け自体が売られていることに疑問を持ちますが。

「分かりました。なら俺のもここで揃えさせていただきます。タカシはそれでいいのか?」

「おう、俺のはぴったりやからこのままでええわ」

「ダメだ。ちゃんとテメーの身体に合うように新調してやるからよこせ」

そういってタカシの服を剥ぎ取るオヤジ「ナーシャ、そいつの服を見てやれ。ナルガの毛で編まれたローブがあっちにあったはずだ」

僕にはローブか、僕は自分のことを魔法使いだなんて一言も言ってなかったんだけどな。

「はいはーい、こっちにどーぞー」

僕はナーシャと呼ばれた娘に連れられてローブの並ぶ一角へと足を運んだ。


ナルガというのは魔法に耐性の強いモンスターのようでその毛で編まれた装備は魔法耐性、火、冷気、電撃に耐性があるようでしかも軽い。魔法使いに限らず鎧の下に着たりと冒険者には重宝される素材とのことだった。


僕は薄いグレーの短めのローブを。腰辺りまでしかないので見た目ポンチョのようだ。同じ素材で作られたチョッキとズボン。右太ももにナイフホルダーを取り付け、切れ味鋭そうなサバイバルナイフを1本。ナイフホルダーは完全に見た目重視だ。

タカシとマサルが

「「俺も、俺も!」」

と、言っていたが。格闘家がナイフなんておかしいだろう?お前たちの武器は拳なんじゃないのか?と制止した。


ローブが金貨1枚と大銀貨5枚、チョッキとズボン合わせて金貨1枚と大銀貨3枚。ナイフは普通のナイフで大銀貨2枚だった。


ローブが150万か・・・・。高いのか?安いのか?そういやフランで見た大盾が金貨8枚とかだったから鎧関係とかの方が確かに高そうだ。この店に並んでいるものも鎧一式で金貨5枚とか6枚とか、ミスリル製の鎧が金貨15枚とかだもんな。


マサルとタカシのも合わせて金貨5枚と大銀貨8枚か。580万の買い物です。


「おう、決まったか?テメーのが金貨3枚か。なら全部で新調代も込みで金貨5枚でいいぞ。払えるか?」


「いやいやいや、グリズリーの胸当てもいただいているのにそんなにまけてもらうわけにはいかないですよ」

「若い冒険者がそんなに丁寧にしゃべってんじゃねーよ。いいっつってんだから甘えとけ」

「マーシーマーシー、このおっちゃんの言う通り。いいって言ってんやからここは素直にありがとうやわ」

「おう、そこのヤツのが分かってんじゃねーか。若いヤツが遠慮なんかしてんじゃねーよ」


「わ・・・分かりました。ありがたくいただきます。これ、赤字とかじゃないですよね?」

「大丈夫だ、ちゃんと儲けてんだから気にすんな」

「うん、大丈夫流石に赤字なら私が止めてるから」

僕らより若いけどしっかりしてそうな娘さんがいるから大丈夫そうだ。


2~3時間で新調してくれるようなので少し時間をおいて来いとのこと。すげーなそんなに早くできるもんなのか?


僕らは金貨5枚を渡し、先に武闘大会のエントリーを済ませてまた戻ってくることに。


「なんだテメーら武闘大会に出んのか?ウチの防具着けて半端な闘いすんじゃねーぞ」

「ああ、大丈夫や。ちゃんと優勝するからここの防具の宣伝にもなるで」

「はっはっはっ。そうか!期待してるぞ!」

というやりとりを済ませて店を出た。





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