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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
33/230

こういうRPGっぽい展開は嫌いじゃない





通路をまっすぐ行くと

『精算所』という看板の取り付けられた扉が現れた。

「すみませーん、失礼しまーす」

とびらを開けて中に入る。


するとそこには青髪で白衣を着た女の子が大きな猪2匹の前に立っていた。

「んんーー、おきゃくさーーん。ちょっと待っててねーー」

フワーっとした喋り方でおねがーーいとその女の子は猪に向けて声をかけた。すると大きな猪2匹を乗せた鉄板が持ち上がった


「なんだ?」


よくよく見ると鉄板の4隅に顎のしゃくれた小さな小人がいる。その小人が鉄板を持ち上げている。

なんだあいつらは?小鬼?モンスターか?


猪を乗せた鉄板はそのまま隣の部屋へと持っていかれた。

かわりに別の2匹の小鬼が5メートル四方の別の鉄板を僕らの前に用意した。

「はあーーい、じゃあ捕ってきたものそこに並べてねーーー」

この子がモンスターを使役してるのか?


ルビーナLV32 人族

年齢31

召喚士

召喚魔法LV3 風魔法LV1


召喚士キターーー!!


知力が290でそれ以外のステータスは100いかないくらいだ。


「ここに獲物並べればいいんでしょうか?」


「うん、どうぞーーー全部並べていいよーー」

見た目は女の子だが31の女性がこんなフワーッとした喋り方をしていると少し泣けてくるものがある。


僕たちは3人のアイテムボックスに入っているワイバーンの素材をあるだけ全部鉄板にぶちまけた。

牙、爪、骨、そして大量の鱗

「わぁぁぁーーー、すごーーい。ワイバーンだねェ。それにしては量が少ないかなー?だれかと分け分けしたのかなぁー?」


「ナイトガードの方々の討伐にお手伝いさせていただいたんです。あまり活躍はできなかったんですが、こんなに分けていただけまして」


「んんーー、ダルブさんのところだねェー。剥ぎ取りも選別もきっちりされているねェー、見習おうねー」


「ところで少々お伺いさせていただきたいのですが」


「なーーにーー?」

ワイバーンの爪を指で磨きながらこちらは見ずに返事をする。


「さきほど居た小さい小人みたいなのは一体なんなのでしょうか?」


「ルビーナちゃんのーーお友達ーー」

あ、一人称が自分の名前のパターンか。ちょっと痛い人なのかも。


「その・・・・友達ですか?人間じゃないですよね?」


「うーーん、ルビーナちゃんは召喚士なのであの子達は召喚獣なのですーー」


「ルビーナさんは召喚士なんですか?」


「ルビーナちゃんねーー」


「・・・・・・ルビーナちゃんは召喚士で、あの子達を召喚したってことですね?一体どれだけいるんですか?」


「100人くらいー?」


「100人?そんなにですか?」


「お仕事中はーー、流石に10人くらいしかいないよーー、他のみんなは用事がなければ寝ているからねーー」


「ルビーナちゃん。ぜひ僕と共鳴して召喚魔法をご教授いただけないでしょうか?」


「うーーん、流石にそれはちょっとーー。共鳴って知らない人とあまりするものじゃーないしねーー」


「そこをなんとかお願いします。ここで会ったのも何かの縁ですし、僕たちは冒険者ですから知らない仲というわけでもないと思います。もちろんお礼もさせていただきますし僕たちにできることならなんだってさせていただきます」

「なんかマーシーが小学生くらいの子を騙してるように見えるな」

「マーシー鬼畜」


「それにーー共鳴しても難しいよーー。やっぱり共鳴って得られるのはコツ程度だしー、召喚士の才能ってほとんどの人にはないものだからーー」

先日1発でゲロを吐きながら使えるようになった人もいたが、やっぱり例外だったんだな。

けど僕なら多分なんとかなるはず。LV0でもステータスに出てくればポイント振り分けりゃいいはずだ。

「大丈夫です。無理ならもちろん諦めます」


「うーーん、どうしっよかなーーー」

ルビーナちゃんはワイバーンの牙を指でこすりながら首を傾けて悩んでいる。


「お願いします。ちょっとだけ、ちょっとだけでいいんです。ルビーナちゃんと共鳴してほんのちょっとのコツを掴むだけで十分なんです。気持ち悪いならすぐにやめますし、絶対痛くもしませんから」

「ますます変態っぽく聞こえてきたわ」

「マーシー、ロリ鬼畜」


「うーーん、そこまで言うなら1回くらいならーー。許してやらなくもないー」

やったぜ!こんな簡単に召喚魔法ゲットだぜ!


「そのかわり交換条件」

ですよねーー。そんな簡単にいくわけないよねー。


「ゴウムの木っていう伐採の禁止されている木があってねー、その木を炭にしたらすごく貴重な薬が採取できるのー」


「その伐採の禁止されている木を持って来いって言うんですね?禁止されてるのにどこで入手できるんですか?」


「ゴウムの木の別名は王者の木――。今度の武闘大会のー優勝の副賞になっているのが王者の木で作られた木刀――」


「なるほど、武闘大会で優勝してその木刀をルビーナちゃんにプレゼントすればいいってことね。よし、なら任せた」

僕はタカシとマサルの肩を同時に叩いた。


「まぁおれは最初っから優勝する気マンマンやったし」

「俺はまあ、そこそこ頑張れたらと思ってるけど」


「ちなみにー優勝者には賞金もーー金貨10枚ーー」

1000万か。僕も出ようかな。


「金貨10枚。焼き鳥何本くらいだろう?」

「10万本かな」

「あ、俺優勝する」

マサルに火がついた。


「マサル、焼き鳥はアイテムボックスに大量に入ってるんだろう?まだいるのか?」

「全部食べた」

このやろう確か×99とか言ってただろう。そういえば要所要所で焼き鳥を装備していた気もするが。


「じゃあルビーナちゃん、武闘大会で優勝してゴウムの木でできた木刀を持って来るよ」

その優勝者に副賞として授けられる木刀を結果炭にするということだが、まぁ木刀なんて修学旅行の土産レベルで必要なさそうだしな。

あれ?特に僕はなにもせずに召喚魔法を手に入れるだけではないだろうか。


なんか本格的なRPGっぽい展開ではあるな。

武闘大会に優勝する、木刀を手に入れる、それを渡して召喚魔法ゲット。


「すごーーい、もう優勝する気なんだー」


「大丈夫ですよ、この2人は結構強いですから」


「じゃあー、期待して待ってるー」

まあ優勝できなくても別の方法で手に入れることも考えよう

「はーーい、査定終了―――。今回はちょっとおまけしてーー金貨18枚ねーーー」


ブッ!!

金貨18枚!!!

すげーなワイバーン。半分以上はダルブさん達が持っていったから丸1匹なら金貨50枚くらいはするのか。丸焼きとかにしなくてよかった。


「金貨18枚。奇しくも武闘大会の優勝賞金よりも稼いでしまったわけやな」

「焼き鳥18万本。俺もう武闘大会とかどうでもよくなってきたかも」

「マサル、この金はチームの金だ。焼き鳥買うわけねーだろ。しかしだ、武闘大会の賞金は個人で得るものだからな。その賞金で何を買おうと自由だ。好きなものを買えばいい。焼き鳥だろうとなんだろうと」

「あ、俺やっぱり優勝する」

マサルにさらに火がついた。


「じゃあ、今度来るときは木刀持ってきますね」

ルビーナちゃんに一枚の紙を受け取った。これを受付に渡すようにとのことだ。報酬の受け取り証か。



そして僕たちは部屋を後にした。







部屋を出てから小声で2人に

「あの人31だからな」

「マジ!?」

「年上!?」

あの見た目の幼さとあの喋り方。天然ものならいいんだが、もし作ってるとなったら涙が出そうだ。










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