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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
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ああ、あれですね。紐なしバンジー的な。






宴もたけなわ。そろそろ僕たちは出発しようということになった。


「ここをまっすぐ行けば大きい山が見えてくるわ(草原しか見えないので相当先ですね)その山を越えるか迂回すれば大きな壁に囲まれた街が見えるからすぐにわかるわ」


壁に囲まれた街か。フランみたいな感じなのかな?帝都って呼ばれてるくらいならもっと大きな規模なんだろうが。


「そういえばあなたたち歩いて行くのよね?山の麓まででも馬車で3日くらいかかるわよ」


「ああ、大丈夫。スピードには自信あるから」


「スピードって、走って行くつもりなの?」


「大丈夫大丈夫。マラソンは割と得意だから。それよりも道中魔物とかは出たりする?」


「草原は出ても獣の類くらいだからスーの森の狼や猪を相手にできるなら大丈夫でしょう。けれど帝都の手前の山にはグリズリーがたまに出るわ」


熊か、、、、熊は危険だよな。


「グリズリーって一角牛より強かったりすんの??」


何かタカシが目を輝かせているな。


「熊鍋って旨いらしいな」


マサルは違った意味で目を輝かせている。


「群れで敵対すれば間違いなく一角牛の方が危険でしょうけど、一匹で考えればグリズリーかしら。強さは同じくらいだけれどグリズリーは狂暴性が強いから」


何もしなくても向こうから襲ってくるってことか。


「マーシー、マーシー。俺めっちゃ熊と戦ってみたい」

うんタカシ。だいたい想像はしてた。


「もし出会えたらな」

できれば回避したかったが。


山は迂回ルートではなく山岳ルート決定。


「よし。とりあえず草原をまっすぐ行ってそのまま山を越えるってことで」


「本当に大丈夫なのかしら?」












「それじゃあそろそろ行こうか」

時間はたっぷり余ってるからゆっくりでもいいんだが。とりあえずこの崖を下らなきゃならないしな。




「ほんだら、、、、飛ぶか」


「飛ぶか!!」

タカシが崖を見下ろしながら飛び立とうとしている。

やめておけよ。マジで死ぬよ。


「うーん俺の脂肪でもクッションにはならねーかな?」

うん。無理に決まってるよ。冗談でも飛ぶなよ。


「二人とも流石にこの高さはダメだって。大人しく崖沿いに歩いていこう。急いでねーんだしゆっくりでいいだろ?」


「なんだ、ここを降りるのか?なら乗せていってやろうか?」

乗る??犬に乗ってここからダイブ?いやいやいや、無理だろ。


と、考えた時にはタカシとマサルはヤマトに跨っていた。


「本気かお前ら二人とも」


「ああ、マーシーは空飛べるからあとでゆっくり降りて来いよ。いけーーー!ヤマト!!」


「よし来た!」


あ、落ちた。


うおおおおおおおおおおおおお!!!

マジかマジか!!!


崖を見下ろすと人二人を乗せたでかい犬は崖をぴょんぴょんと跳ねて猛スピードで下っていく。


流石に飛ぶわけではなかったが落下のスピードそのままに崖を蹴って右へ左へそして下へと華麗に落ちていった。


「ううおおおおお!!はっはっはっはっは!!!」

「落ちる落ちる!!死ぬうううううう!!」


タカシは楽しそうだがマサルは涙声だな。

その掴んだヤマトの毛を離すんじゃあないぞ。

本当に死んでしまうからな。



「さてと、、、、、」

崖に立ち、下を見下ろす。

うあああああ、怖い怖い怖い。

一歩目が怖いんだよ一歩目が。確かに魔法で風に乗ればなんとかなるとは思うが、一歩目の身を投げる覚悟がでねーよこの高さじゃ。


「あら、もう行くのね?」

エルムがここでお別れだと感じ最後に僕の頭の上で魔力を食べにはいった。

「あまり食わないでくれよ、落ちてる最中に魔力が切れたらそのままおだぶつなんだから」


ほとんど減ってないくせに、と呟いたエルム。


「ここまでありがとう。何か困ったことがあったらまた来ていいか?」


「私や犬神はあまりほいほい人前に出る存在じゃないけれど、特別なんだからね」


あ、なんかツンデレ感出してきたけどスルーしとこ。


「さて、、、行くか、、、。」



崖に立つ。


、、、、、、、、、、、、、、、、。



、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。



、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。




崖に立ち尽くす。







「どうしたもんか、これは怖い」


腕を組んで立ち尽くす








「えいっ!」

ドンッ。


「あっ」

固まる僕。もう足場は足元にはない。


「えェェェェルゥゥゥゥゥゥゥムゥゥゥゥ!!!」

落ちる落ちる落ちる落ちる


「風!!」

ビュウーーーーッッ

下方向からの突風が吹き僕の体を持ち上げる。


そのまま風に乗り崖まで戻るとエルムがニヤニヤといやらしい笑いを浮かべていた。


「あら、飛べたわね。良かった良かった」


「マジで死ぬかと思ったわ」

まさかこんなところで紐なしバンジーを体験することになろうとは。


「またいらっしゃい。結構私も気にいったわ。あなたたちのこと」


「ああ、サンキューな。また旨い魔力をごちそうに来るよ」


ビュンッ、と風を巻き起こし半回転してゆっくりと風に乗りながら下降していく。


バタバタと服をなびかせながらゆっくりゆっくりと。






崖の下には川が流れていたが、ヤマトは川の向こう側に降り立っていたので僕も少し前進させて川は超える。


「よーう。お待たせ」

地面に着地。


「いやーめっちゃおもろかったわ!!もっかい上から降りようや。なあマサル!!」

「いやいや無理無理。死ぬかと思った。俺5キロくらい痩せたかもしれん」

5キロ痩せてもあまり外見変わんねーよ。


「なんだか今マーシーが失礼なことを考えたような気がしたが」

なかなかするどい。


「ではワシはそろそろいくぞ。サクラが待っているからな」


「ああ、そっか。じゃあなヤマト。またなんかあったら呼ぶからな!」

「なんかあったらじゃなく、何か困ったことがあったら、だからな」

僕はタカシに訂正しておく。


空間が歪みそこにヤマトが入るとすぐに空間の歪みは元通りに戻った。


空間魔法か、、、、。どうやったら覚えるんだろうか?そういう職業があるのか?なにか特別な条件があるのか?使える人間を探して教えてもらうのか?


まぁ気長に探してみるか。魔法都市とかならいい情報が入るかもな。


「よっしゃ、じゃあ行こか。天下一暗黒武闘大会が俺を待ってるわ」

なんだよその大会は。


「ええ?競争する?よーーい、どーーん」

マサルは走り出した。


「にゃろう!マサル!待て!!」

タカシは追走した。

あれ?今はそういう感じなの?


「はぁ、仕方がないな」

僕は2人を追って駆け出した。



まっすぐの地平線まで続く草原地帯。ゴールがいまだ見えていないのに元気いっぱい走り出した二人を僕は追いかけた。





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