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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
217/230

は?何が?







コンコンと部屋をノックする音が聞こえる




今日はもういいよ。もうやめてよ。





「なんなん?誰なん?」

「あ、メイメイちゃんですねこの展開は。一緒に呑みましょう」


僕は玄関へと向かった。

もちろん玄関を開ける前から誰が来てるのかは分かっているんだが。

「こんなところまでわざわざご足労いただきまして。ちらかってますがお入りください」



僕はその人を部屋まで案内するとタカシとマサルは固まった。


「王様やん」


国王様は平民の着るようなラフな衣装でフードで顔を隠していたがそれを脱ぎ取った。

レイニーとレイファンも続いて入ってきた。


ささっとマサルは席を空けて3人にソファに座るように促した。


『なぜメイメイちゃんじゃないんですか?』

『そんなこと知るか』



3人はソファに座り、僕達も向かいのソファに座った。


「こんなところにわざわざどうされましたでしょうか?あ、どうぞ」

僕はグラスにビールを注いでレイファンの前にはオレンジジュースを出した。


「ああ、ありがとう。ゆっくり君たちと話がしたいと思っていてな」

「その・・・・・・・パパがどうしてもって言うから・・・・・」

レイファンが小さい声でそういうとそのパパは嬉しそうにレイファンに目線を向けた。

「パ・・・・パパ。なんて良い響きだ。ありがとうレイファン」

パパはレイファンを抱きしめた。


普段お父様呼びされている人間がパパ呼びされるとこうなるのかな。


「国王様、わざわざこんなところまで足を運ばれたということは何かあるんでしょうか?なんでも聞いてください」


「ああ、まずは」


国王様は座りながらだが深々と頭を下げた。

この国は本当に律義な人が多い。


「頭を上げてください国王様。こんなところを他の人間に見られたら大騒ぎですよ」

「大丈夫だ。ここには信頼のおける人間しかいない。3人とも、本当に心から感謝している。ありがとう。私の病を治してくれてありがとう。子供たちを救ってくれてありがとう。この国を救ってくれてありがとう。レイファンとレイニーに会わせてくれてありがとう。本当に感謝しかない」


国王様はずっと頭を下げたままだ。

「結果そうなってしまったとしか言いようがないですよ。たまたま立ち寄った国で、タカシはロン王子様と。マサルはメイメイ王女様と。そして僕はリン王女様と出会って少なからず信用と信頼を持ってしまった。俺たちは気の合う友人が困っていたら手を差し伸べるくらいのことはします。それが結果国王様に、この国に対して影響を与えてしまったわけです。感謝の言葉はありがたくいただきます。けれど俺たち3人は誰一人としてこの国を救おうとしたわけじゃありませんよ。それぞれが勝手に思ったように動いただけです」


「結果論でも構わんよ。その結果儂はこうやって元気になり2人と一緒にいられるのだから」

国王様は優しい笑顔を見せた。


「いえ、パパ。この男はきっとこの状況を見越していたわ。自分の利に働かないことをマーシーがするとは思えない」

「レイファンちゃんめっちゃするどいやん。分かってるわ」

「おみごとです。この男はその笑顔の裏に相当の黒いものを持つ腹黒、いや腹真っ黒です」

「なんのつもりだ3人とも、目の前にまだ今現在この国の一番偉い人がいる状況で俺を落としにくるなんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・覚悟はできているんだろうな?」


「「「ヒイィッ」」」

3人は揃って怯えた顔を見せた。


「はっはっはっは、冗談冗談。3人共面白い冗談だし怯えた演技も上手だなぁ」


「マーシーよ」

「なんでしょうか?国王様」

「この国に残らんか?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・目が真剣だな。


「それはどういう意味でしょうか?」

「そのままじゃよ。この国に残ってくれればきっとこの国の発展に多大な貢献をしてくれると思っておる」

「本心は?」

「レイファンの婿にどうかと」

「なななななな!・・・・・ちょっ!パパ!!」

「レイファンはおそらくマーシーに気がある。レイファンと一緒になってくれれば王族として迎えることも可能だ。もちろん娘の結婚のためだけでなくマーシーの力をこの国のために使って欲しいのもある。もう一つ上げるとすればその力を他国に持って欲しくないというのもあるか」

「ちょっ、パパ!そんなこと・・・・・・突然・・・・」


頬を染めてレイファンはこちらから視線を逸らした。


僕の両脇に座っている2人が僕にジトーーーっと視線を送っていた。


「またですか・・・・・マーシー・・・・・・」

「なんや、まぁ・・・・・いつも通りやな」

「は?何が?」


「レイファンちゃん、マーシーはやめておいた方がいいです。コイツはドのつく変態ですよ。女性を見たら脳内でメイドコスプレをさせて鼻息荒くするようなヤツですよ。そして異常にエルフに興奮します・・・・・・・・・・はっ!レイファンちゃんはハーフエルフ!!すぐに逃げるんだレイファンちゃん!!」


僕はまさに今立ち上がったマサルをスリープで寝かしつけた。


「申し訳ございません国王様。私は結婚は致しませんしすぐにこの国を発ちます。一応言っておきますがどこかの国に所属するなんてことはございません。さらに言うとこの国のことが結構好きになりましたので、この国に敵対することも考えられません」

「そうか・・・・・・こう言ってはなんだがレイファンは若い頃のレイニーと同じくらい美人だと思うぞ。話からするにエルフも好きだというらしいし」


まだ推してくるか、14歳だぞ。中二だぞ。


「そうですねレイファンは美人ですね」僕はレイファンにこれ見よがしに視線を向けた「エルフ、いやハーフエルフというのもものすごく魅力的ではございますが今は私たちは1つ所にとどまることはできませんので。今後ご縁がもしあればということにしておきましょう。残念だったな、レイファン」僕はニヤリとレイファンに言葉を投げた。


「ざ・・・残念ってなによ!こっちだってお断りよ!」



「・・・・・惚れとるやんけ」

「もうメロメロじゃないですか」

「ち・・・・違うって言ってるでしょ!」


「ははは、まぁ2人とも若いのだから、5年後10年後にどうなってるかはわからんからな。マーシーよ、今ここでレイファンをもらわなかったことは数年後のレイファンを見て後悔するぞ、はははは」


親バカなんですね。まぁエルフでこの顔立ちなのだからそりゃあ美人になるだろうな。




「そうじゃ、もう一つ話をしておきたかったんじゃが」

「なんでしょうか?」

「月の塔じゃ」



『ママママ、マーーーーシーーーーーー!!来ましたよ来ましたよ!!弁償ものですよ!!』

『どどどどどないすんねん!あんなもんいくらかかんねん!そうやそうや!魔族や!あいつらになんとか責任をなすりつけられへんか!』

『無理だろ、あんなにかっこよく自分たちで壊しましたって言ってたじゃん』

『そそそそれでしたらマーシー!!ここはレイファンちゃんをもらうしかないんじゃないですか!!そうだ!!レイファンちゃんを嫁にもらってその代わりに塔を壊したことはチャラにしてもらいましょう!!俺らは弁償しなくていい、レイファンちゃんは幸せ、まさにWINWINじゃないですか!!』

『2人とも落ち着いて話しを聞こう。まだ弁償しろともいわれてないだろ』




「月の塔がなんでしょうか?」

「アレは昔ワシも壊そうとしたんじゃよ」


「・・・・・・・・・・・・そうですか。レイニーさんを触媒とする時ですね?」

「ああ。国王と一部のものにしかあの塔の秘密は知られていない。子供たちも知らん。エルフの中でも魔力の強いものしかあの塔は維持はできん。当時あの塔に適合するものがレイニーしかいなかったんじゃ。儂は反対したんじゃがレイニーが強引にな」

「それがこの国のためだと思いましたからね。その結果レイファンには寂しい思いをさせてしまったけれども」

レイニーさんが寂しい表情でレイファンを見た。

「ううん、もういいの。今こうして3人でいられるのだから」


「愛するものをあんなところに閉じ込めることなぞ儂にはできんかった。それならばいっそあのシステムを壊そうとしたんじゃがな・・・・・・・・レイニーに止められた。そしてやむなく了承してしまったんじゃ。儂はあの時レイニーと国とを天秤にかけて国を取ってしまったんじゃよ。一生で一番の汚点じゃ」

「あなた・・・・・そんなことはありませんよ」


「そうですよ国王様。レイニーさんが自ら志願したのでしたらあなたは国とレイニーさんの両方を選んだんですよ。国王様の選択は間違っていないですよ」

「そうよ。あの時はあれが一番の選択だったわ」



「儂があの時君たちのような選択と行動ができたのならもっと違った結末になっていたかもしれん。月の塔を壊し、この国に新しい一歩を歩ませてくれてありがとう。この国の代表としてここに感謝の言葉を告げさせてくれ」


「ありがとうはもうたくさんいただきましたよ」


「はははは、すまない。礼を言ってばかりだな。君たちの話しを聞かせてくれるか?いままでどういうことをしてきたのか?君たちと居た時のレイファンの話しも聞かせてほしい」


「はい、いいですよ」


タカシが国王様とレイニーさんのグラスにお酒を注いだ。




その後僕達は6人で僕達の話しやレイファンの話しで盛り上がり楽しいひと時を過ごした。途中目を覚ましたマサルが僕がレイファンのお尻に触れたことを話し、僕が目を泳がせながら言い訳したり、雑談ではあったが目の前にいるのが国王様であることを忘れるくらいに6人は楽しんだ。



2~3時間ほど談笑の後3人は帰っていった。




「楽しかったな。国王様って随分気さくな人やったんやな」

「レイニーさんのバストは良かったです、メイメイちゃんには負けますが。レイファンちゃんは将来期待が持てますね」

「俺はそれを生で見たけどな」

「俺も見たで」

「なん・・・・だと・・・・・」



その後口論になったがマサルをスリープして部屋へと放り込んだ。


さてと・・・・・・・・・・やっとこの国から出れるな。

御者くんは元気にやってるかな?







いつもお気に入り評価ありがとうございます!



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