責任は・・・・押し付けろ。
エルフの名前が結構前に出てたのに忘れてました。
名前修正してます。
僕はエルフに歩み寄った。
「俺たちは・・・・」
するとタカシが僕の横に並ぶ。
「俺のやりたいことはこの塔をぶっ壊す。そんでロンを王様にする。ロンを王様にしてこの国を一からやり直させるんや」
一体何様のつもりだよ(笑)
「と、いうことで俺たちのやることはこの塔を破壊。そして俺のやりたいことはレイファンに母親を会わせる。それであなたに母親という職業をプレゼントすることですね」
エルフの口元がぎゅっと噛みしめられる。
「あ、言っておきますが王様は今病床に伏せっていて老い先短いらしいですよ。ここで会わなきゃ一生会えなくなります」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、ちなみにあなたの選択肢に塔の破壊を阻止するっていうのはありません。俺はこの塔を一瞬で破壊できるほどの大魔法使いです。あなたの選択によって塔の破壊を止めれるわけではありません。そこに責任は一切ないですよ、誰にも止めることはできません」
「せやで。この塔を破壊するって決めたんは俺らやから、この塔が無くなって起きる責任は全部俺らが持つから」
「その通り。責任はタカシが全部持ちます」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうそう俺らが責任持つから」
「はい。責任は全部タカシが持つんで」
「オ・レ・ラ・が責任持つんで」
「タ・カ・シ・がな」
「なんなんマーシー、一蓮托生って言葉知ってるか?」
「難しい言葉知ってるなタカシ。言い出しっぺって言葉知ってるか?」
「そんなん分かるわ!でもマサルもマーシーもそれでええって言ったやん」
「後処理は死ぬほどやってやるよ。文字通り死ぬほど問題起こるだろうからな。ただ首謀者は誰かって聞かれたら俺は迷わずタカシの名前を出す。だから破壊の責任じゃなくて破壊して良かったってなるようにタカシも死ぬほど働いてもらうからな」
「それは・・・・・もちろん・・・・・・任せとけ。・・・・・・・・・・・・・・・・・後処理よろしく」
「と、いうわけでそろそろ破壊するんですが。この台座は自分で出れるんですか?」
「無理よ。魔法で固定されてるから」
「分かりました、『水の剣』」
スパンスパン
「タカシ、かつげ」
「あいあい」
下半身に石の台座がくっついたエルフを軽々と持ち上げたタカシ。
「なんか学校の校門入ったところにありそうやな」
「その台座の処理は後で考える。とりあえず外に出よう」
僕達は上がってきた螺旋階段を下っていく。
タカシは両手で段ボールを運ぶかのように石の塊を持っている。上部にはエルフが生えている。
「本当に・・・・・・・どうなるのかしら・・・・・」
「後は塔の破壊だけなので後戻りはできないですね」
「大丈夫やって、あとはマーシーがなんとかするから。ついでに責任もとってくれるし」
「あなたは王様とレイファンにかける言葉を考えておくだけでいいですよ。後はタカシが責任とりますから」
「マーシーとタカシね・・・・・・。私はレイニーよ。私の首ひとつで責任がとれるなら私が責任をとるわ」
「そりゃ無理な話しやねん。美人なねーちゃんの首を差し出そうとすると連れが本気で怒るから」
「責任問題にならないようになんとかしますよ」
一階まで降りてきた僕たちは一度外に出る。
「よっしゃほんだら後は塔ぶっ壊すだけやな」
「おや、第二王子がいないな」
ホウリュウ王子は横たわっているがシリュウ王子の姿がそこには無かった。
しまったな、魔法耐性とかあったのか?
「洗脳が解けてるんやったら大丈夫ちゃうん?」
「あの性格でか?」
「暴走はしてもロンとかの邪魔はせんやろ」
「そうか、まぁ放置ってことで。タカシはミレイさん抱えとけよ。一応マジックガードかけとくが何かあったらすぐに離れられるようにな」
マジックガード
僕達は塔から離れた位置に。タカシの脇にはホウリュウ王子、右手にはレイニーさん石像を抱えている。
さてと、何でいこうかな?
塔が城の方に倒れたら大変だから上方から砕いて破壊していこうか。
こういうのって演出も大事だよな。
それならやっぱりコイツかな。
「とびっきり魔力込めてやるから、どでかく降臨しろ!!火龍!!!」
僕の手をかざした位置から今までの10倍くらいはある火龍の顔が覗き込み塔に負けないくらいの大きさのその体を塔に巻き付けながら上昇していく。
ギャオオオオオオオンンンンンンン!!!
その太い体を塔に螺旋状に巻き付けながら野太い鳴き声を上げ、天に向かって昇っていく。
「うっわ、、、、なんなん。めっちゃでかいんやけど」
レイニーさんは口を開けて固まっている。
頭部が頂上に到達してもなお余りある身体。
「よし、締め上げろ!」
塔に絡みついた身体を一気に締め上げるとほぼ同時に塔の上から下まで一気にヒビが入りグシャアと砕けると塔を形作っていた石の破片がそのまま地面に落下していく。
ゴトゴトゴトと石の破片が地面に衝突するたびに土煙が舞う。
そこにあった空にそびえる塔。何百年も優雅に立ちそびえていたソレは一瞬にしてその背景から姿を消した。ギャオオーーンと最後にひと鳴きした火龍はやり終えた顔をして消えていった。
「ぺっぺっ、すっげー砂埃だな」
石が地面に叩きつけられる騒音はなくなり辺りに砂埃が舞っている中僕はタカシの方へと足を向けた。
「レイニーちゃん見たか?これが国をひとつ地図から消すことのできる力やで」
「信じられない・・・・・・・一瞬で・・・・・・・・」
おおすごい、MP3割くらい一気に減ってる。
「さてと、これで月の加護がなくなってるはずだから早いとこ城の方に応援に行こうか、とその前にその石だな。レイニーさんこれどうぞ」
僕は布の服のズボンを取り出してレイニーさんに渡した。
「俺の拳で割ってみよか?」
「いや、土魔法でやってみるよ」
僕は石の塊に手をかざして魔力を込める。壁にしたり棘にしたりできるわけだから造形もなんとかできそうか。
パキン
と石が半分に割れ、バラバラと崩れ出すと中から綺麗な足が見えた。
おっとっと、僕はすぐに目を逸らした。
「もう大丈夫でしょう、ズボンはいてくださいね」
「マーシー、エッロ」
ちゃんと目を逸らしただろ。
「よし、行くか」
「この王子は?」
「邪魔だからおいていくけど」
「了解。ほな放置で」
「全部終わってからあとで拾いにこよう」
そして僕たちはレイニーさんも連れて城の方へと向かった。
マサルはうまくやってくれてるかな?
いつもお気に入り評価ありがとうございます!
気づいたら200話越えてんじゃん。
最近は更新ゆっくりですがここまでこれたのは読んでくれて
尚且つ感想をくれてる人がいるからこそです。
ほんっとーーーにありがたいです!!




