それじゃあとりあえずメイメイちゃんを
タカシ視点で進行中。
ドオーーン!
と俺はシリュウ王子を壁にぶっ飛ばして咄嗟エンジに何かされようとしているロンの前に出た。
なにやらエンジってのが手をかざしてたがなにかされる前にロンと大剣が刺さったままのエドガーを担いで一旦離れる。
「痛いけど我慢せーよ」
俺は大剣を引っこ抜いた。
「ゴフッ!ゴホッ!・・・・・・・・・ロン・・・・・・・・様」
「ナイスや。生きてりゃそれでええ」
俺は小瓶を取り出してエドガーにぶっかけた。
それは淡い光を放ちエドガーの全身を光で包む。
「傷・・・・・口が・・・・・・・・」
ロンがエドガーの体を見ながら驚愕している。
「信じられない・・・・・・痛みが消えていく・・・・・」
「気にすんな、ちょっとええ傷薬や」
壁に激突させられて激おこのシリュウ王子がやってきた。
「逃げるな貴様!!」
タフやな、クソッ。
「俺に傷をつけるとは。ロンの偽物め!」
「お待ちを、ホウリュウ王子、シリュウ王子」
エンジが落ち着いた様子で王子2人に話しかけた。
「もうそいつは殺す必要がなくなった。2人はロン王子を拘束しろ。おい、タカシだったな。ロンを蹴り飛ばせ」
俺はロンの腹を蹴り飛ばした。
勢いよくぶっ飛んでいくロン。
「タ!タカシ殿!!」
エドガーは元気になったようだ。なにより。
とりあえずホウリュウ王子とシリュウ王子2人相手にすんのは厳しいから助け呼びに行った2人がマーシーかマサルどっちか連れて来てくれたらええねんけど。
「タカシよ、さっきそこの兵士に使ったポーションはなんだ?完全に死ぬところだったはずだが」
エンジが話しかけてきた。
「あ?治癒の血や」
「治癒の血だと!それをあんな兵士に!!いや・・・・・・・・、それほど簡単に使うということはまだ持っているのか?」
「ん?ああ、俺はないけどマーシーとマサルがまだ持ってるわ」
「そうか・・・・。いいことを聞いたな。タカシ、そこの兵士も蹴り飛ばせ」
俺はエドガーを思い切り蹴り飛ばした。
ものすごい勢いで岩壁に叩きつけられてそのままぐったりと地面に横たわったエドガー。
「そのまま動くなよ、タカシ」
??なんや、急に動かれへんようになってもうたぞ。しまった。なんかの魔法か?
「エンジ、偽物のロンは殺さなくていいのか?」
「ああ、偽物にも使い道はある」
「エンジ!!この魔族は殺していいんだよな!!」
「お待ちくださいシリュウ王子。そのものの使い道もございます。わざわざこのようなものに手を煩わせることもございません」
「チッ!わかったよ」
なんや、さっきからコイツらはエンジの言うことには言いなりやな。
その時バタバタと森の方から人の足音が聞こえてきた。
さっき助けを呼びに行った兵士2人と。
「おや?デジャブですか?昨日と同じ展開なんですが?苦戦しているタカシを助ける俺。そう、ク・セ・ン・シ・テ・イ・ル!タカシを俺が!」
「別に苦戦してへんし」
「強がらなくていいですよ。無償で助けてあげますから」
「別に強がってへんし」
「お兄様がた・・・・・・・・・。事情を説明していただけますよね?」
メイメイちゃんと牛くんも一緒や。
「ホウリュウ王子。シリュウ王子。残念ですがどうやらメイメイ王女も魔族に成り代わってしまっているようです」
は?言うに事欠いて何言うてんねん?
メイメイ王女は険しい目でエンジを睨みつけた。
「プププ。メイメイちゃんが魔族って。随分適当なこと言ってますね」
「そうか、メイメイもか。残念だ」
「チッ!メイメイもか!なら殺すしかねーな!」
こいつら馬鹿なん?なんでそんな簡単な嘘を信じてんの?
「なんだか王子2人の様子がおかしいようですね?」
マサルの言う通り王子2人は様子がおかしい。
エンジは俺に目線を向けた。
「いえ。お二方の手を汚す必要はございません。タカシ、メイメイを殺せ」
ん?
メイメイちゃんを俺が殺す?
ああ、そっか。
殺さなな。
俺はゆっくりとメイメイちゃんたちの方へと歩み寄った。
マサルが1歩2歩と前に出てくる。
「タカシ。どうしてこっちに寄って来るんですか?」
「ん?ああ。メイメイちゃん殺さなあかんし」
「マサルー、タカシの様子おかしーよー」
「分かってるよ牛くん。コイツは冗談でもこんなこと言うヤツじゃないので」
「気を付けて・・・・・マサル・・・・・・」
「メイメイちゃん、心配してくれるんですね?大丈夫ですよ。牛くん、メイメイちゃんを任せた」
「マサル。ちょっとそこどいてくれへん?」
「どうしてですか?何かしたいんですか?」
「メイメイちゃん殺されへんやん」
「本気ですかタカシ?」
「本気もなにも、殺さなあかんやん」
マサルと牛くんの陰にメイメイちゃんが隠れてもうてる。どないしよ?これじゃメイメイちゃん殺されへんやん。
まあ、躱したらええか。
ドン!!と
俺は地面を蹴って牛くんの横に移動。
視界にメイメイちゃんを捉えた。
けれどマサルの蹴りが俺の目の前に飛んでくる。
俺はそれを腕でガッチリガードした。
「いやいや、なんで邪魔すんの?」
「いやいや、さも当たり前のように言われましても」
何邪魔してんねんなコイツ。マサルぶっ飛ばしてからにするか?いや、別にマサルをぶちのめしたいわけじゃないしな。でも邪魔するんやったらメイメイちゃん殺されへんし。
再度横にステップしてマサルを避けるように動くがそのたびに俺の前に邪魔するように割って入るマサル。
「なんやねん!!ええ加減にせーよマサル!!」
「タカシこそいい加減にしてくださいね。一体何がしたいんですか?」
「だーかーらー!メイメイちゃん殺すだけやん」
「・・・・・・・・・・・・・・タカシ・・・・・・・・・・・人を殺すんですか?」
「はぁ?別に人なんか殺したないし」
「???・・・・・・・・。タカシ・・・・・・・・・矛盾してるの分かりますか?」
「何言ってんのかさっぱりやで?大丈夫か?マサル?」
「はぁ、分かりました。タカシ・・・・・・・・人間は殺したいですか?」
「あん?んなわけないやん」
「じゃあ女の子を殺したいですか?」
「そんなわけないやんけ。当たり前やろ」
「じゃあ人間であり、女の子であるメイメイちゃんを殺すんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・あん?」
あれ?人を殺したいわけない。
女の子殺すなんて論外や。
あれ?メイメイちゃんは?
メイメイちゃんは殺さな。
せや。メイメイちゃんは殺さなあかん。
あれ?メイメイちゃんは人やな。
女の子やんな?
そんでべっぴんさんやし、超爆乳やわ。
なんかおかしい。
なんかおかしいわ。
いたたたたた、頭が痛い。
なんやねん!考えれば考えるほど頭がカチ割れるように痛なる!
「マサル・・・・・・・とりあえずメイメイちゃん殺してから考えるわ」
「このおバカ。俺が女の子を差し出すわけがないでしょう?」
「あ、マーシーや」
「え?何処何処?」
「もろた!!」
俺はサイドステップでマサルを躱して・・・・・・。
「そんな古典的な罠に・・・・・・」
マサルは俺の右腕を掴んだ。
「ひっかかるかーーーー!!」
ドオーーン!!と一本背負いで地面へと叩きつけられた。
イタタタタタタ。
「おい、どういう状況だコレは?」
「お、本物のマーシーじゃないですか」
だからそう言ったやん。
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