ストライクゾーンは10歳から15歳、アホか。
僕、王様、リン、ロン、メイメイ、ミノくんの6人がロビーに下りるとそこにはタカシとマサル以外の人間は全員地面に倒れ伏していた。
まぁ、予想通りか。
「え!?ホウリュウ兄さんとシリュウ兄さんが倒れて・・・・」
ロン少年は驚いた表情を見せた。
「マサル、何してるの?」
「マサルー何それー?おもしろいのー?」
「はっ!!メイメイちゃん!!いや、違うんだ!こ・・これは!そうだ!勝利のダンスなんだ!決闘に勝利した時に踊る勝利のダンスなんだよ!!」
鎖に縛られた女の子2人の前で奇妙な反復横跳びをしていた変態は言い訳を始めた。
「おう、マーシー。そっちは大丈夫やったんか?さっき空飛んでるの見かけたで」
「ああ、こっちは大丈夫だ。そっちはどうだった?」
「王子2人はまぁまぁ強かったわ。パワーだけなら俺らに近いかもな」
「君たちがホウリュウとシリュウを倒したのかね?」
「誰?このおっさん?」
「・・・・・・聞いて驚け。この人はこの国の王様だ」
「え・・・?ホンマごめんなさい。おうさんって言おうとしたんやけどおっさんと間違えました」
そりゃあひどい言い間違いだな。
「タカシ殿!!タカシ殿がホウリュウ兄さんとシリュウ兄さんを!?」
ロンがタカシに駆け寄って行った。
「ああ、すまんな、兄貴たち倒してもーて。けどこっちもあんまり手加減でけへんかったから」
「すごい・・・・。兄さんたちを倒すなんて・・・・・」
「俺がやったんわシリュウ王子の方な。ホウリュウ王子の方はあそこの丸いのが倒したんやけど」
メイメイとミノくんは王様を僕とリンに任せてマサルの元へと歩み寄った。
「マサル・・・・・・彼女たち怯えてるじゃない」
鎖に縛られた女の子2人はガクガク震えて真っ青になっている。
「え?違いますよ。何も怖がらせようとしていたわけではないですよ。勝者として敗者に喜びのダンスを」
「ははははー、マサルー。何今の踊りー。おもしろーい。もっかいやってよー」
「黙れ牛」
「マサルが倒したの?」
「俺がやったのはそこのイケメンの王子様だけですよ。後はあっちの暴れん坊がほとんど倒したんですよ」
「そう・・・・・・ホウリュウ兄さんをね」
「なにか・・・・・・・・まずかったですか?」
「いいえ。強いのね」
「はい。めっぽう」
「城に侵入者を許し、ホウリュウとシリュウが倒されるとはな。倒したのはどうやら侵入者ではないみたいだが」
おっと、やはりまずいよな。第一王子と第二王子はこの国の最高戦力だったっけ。
しかしどういう理由でバトルになったんだろうか?
「王様。あの二人は理由なく誰かを傷つけたりいたしません。メイメイ王女とロン王子にも事情を聞いて寛大な処置をお願いいたします」
「知り合いかね?」
「はい腐れ縁です」
「お父様。実は・・・」
ロン少年がこちらにきて事情を説明し始めた。
「お父様。私が説明します」
メイメイもこちらに来て王様に事情を説明し始めた。
僕は王様に肩を貸したままその話を耳にした。
ホウリュウはこの階段を誰も通さないようにしていた。シリュウはただタカシとマサルを殺したかった。
ダメじゃん。2人ともダメじゃん。
ホウリュウの方は特におかしい。王様を守るためとはいえ行動がおかしい。聞いた感じでは発言もおかしいし。
ホウリュウとシリュウのステータスを確認しておこう。
あ・・・やっぱり強いわけだ。2人ともパワーはメイメイの魔力同様カンストしてる。スピード、体力も800と今まで見たヤツの中では俺たちと魔王を除けば規格外ってレベルか。
だが、もっと気になったのはホウリュウの状態異常だった。
洗脳
これはマズイんじゃなかろーか。
一国の第一王子がその状態は非常にまずいんじゃなかろーか。
洗脳されてるってことだろ?
これって言っていいのか?あなたの国の第一王子は誰かに洗脳されてますよって言っていいんだろうか?
そんなことをなぜ僕が分かるのかってことになるんじゃないか?
・・・・・・・・・・・・・結果黙っておくことにしておこう。
少しすると扉から別の兵士たちがロビーに駆け込んできて倒れた兵士や王子たちを連れて行った。
王子が倒れていることに驚いているものばかりだったが賊の侵入は城中に知れ渡っていたため賊による強襲で深く傷ついたと王様が説明しそれぞれ運ばれて治療にあたるとのことだ。
鎖に縛られていた女の子2人は怪我はなかったが身動きがとれるようになるやいなや、マサルから離れるように逃げ出していた。
その時の悲しそうな表情の裏のニヤリと笑ったマサルの顔を僕は見逃さなかった。
「タカシ、マサル。2人はまだ護衛中だよな?」
「せやな、また賊が来るかもしれへんし、まだロンの近くにおるわ」
「俺もメイメイちゃんの近くにもちろんいます。まだデレてもらえていませんので」
「デレるのか?お前に?」
「ギャルゲーならそろそろだと思うんですが」
「分かったよ。無事に攻略ルートにのれることを祈ってるよ」
「マーシーさん、マーシーさんもお城に居ていただけませんか?できれば私の護衛として・・・」
リンが近寄ってきた。
「申し訳ございません。明日の朝に予定もございまして。そのかわりエルムはもう少しリン王女のそばに置かせていただきますので」
「そう・・・・ですか。分かりました。できれば明日またお城まで来てください。お父様を助けていただいたお礼もさせていただきたいので」
「なんなん?もう手なずけたんマーシー。王女を手籠めにして王様狙ってんの?」
「期待を裏切らないマーシー。ストライクゾーンは10歳から15歳と見た」
「ロン王子、メイメイ王女。ウチの馬鹿2人をよろしくお願いします。護衛としては優秀ですが変な行動をとったら厳しくしてやってください。特にメイメイ王女。マサルはあなたを異性としていやらしい目で見てくると思いますので変なことをするようでしたら牢屋にでもぶち込んでいただいて構いませんので」
「ええ分かっているわ。だって護衛の報酬が・・・・」
「わーーー!わーーーー!わーーーーー!さぁメイメイ様いきましょう!!こんなところに長居をしていてはまた賊に襲われるかもしれません!さあ牛くん!メイメイ様と部屋に戻ろう!!誰が来たって俺がメイメイ様を守る!!」
「なんや、おもろいことになってそうやな。また後でゆっくり話聞かな」
「それではロン王子様、メイメイ王女様、リン王女様。俺はこれで」
僕は王様の元へ歩み寄った。
「秦国王様。それでは俺はこれで失礼します。明日またリン王女様に呼ばれていますのでお伺いさせていただきます。リン王女様にはさきほどのエルムが護衛についていますので安心してください」
「マーシー・・・・だったな。この度のこと感謝する。できれば機会があればゆっくりと話がしてみたいな」
「光栄です。機会がございましたら喜んで」
僕はロビーを出て兵士に連れられてお城の外へと出た。
辺りは真っ暗だったがお城からはまだ明かりが絶えない。
夜まで城の人間は今日の事後処理がたいへんだろな。
ホテルまで戻ってきた僕はガチャリとドアを開けてそのまま風呂へと直行した。
疲れを癒し明日にはレイファンからの情報をいただいてまたどう動くか考えないとな。
風呂から上がりタオルで頭を拭きながらベットに腰をおろして手をついた。
むにゅ
むにゅ?むにゅってなんだ?
もみもみ。むにゅむにゅ。
気持ちいいな。すごく手触りがいい。
目線をベットへ。
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おしりだ。
僕の右手が人様のお尻を鷲掴んでいた。
「ひっ!ギッ!・・・・・・キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
女性の悲鳴だ。
目の前のレイファンの。
「この変態!!!痴漢!!!!レイプ魔!!!!」
「まてまてまて、人聞きが悪い。ちょっと手が当たっただけじゃないか」
「完全に揉んでたでしょーが!!!」
「気づかなかったんだよ!ベットに誰かがいたなんて!」
「やっぱり私の体を狙ってたのね!!この変態!!嘘つき!!」
枕が飛んでくる。横にあった花瓶が飛んでくる。
うおっと、ナイフが飛んできた。
スリープ
ふにゃあ
と、レイファンは眠りについた。
「マジビビったわい。朝起きたら見知らぬ女が一緒に寝てたくらいには」
ベットに倒れているレイファンを綺麗にベットに横にして布団をかけてやる。
そういや鍵渡してたな。うっかりしてた。
朝起きたら今のことは忘れててくれないだろーか、もしくは夢だと思っててほしい。
僕はソファに横になり目を瞑ると気づくとあっさりと眠りに堕ちていた。
いつもお気に入り評価ありがとうございます!
感想もいつもありがとうございます!




