ここは天国か
その後は楽しく呑んで食べて。
タカシはマリーちゃん相手に奮闘し、マサルは相も変わらずミレーヌさんとベタベタしている。
僕はセラちゃんにいいように翻弄されておよそ3時間。
「じゃあそろそろ時間かな?」
「ちょちょちょちょ、マーシー!もうちょっとだけ!!もうちょっとでマリーちゃんが『うん』って言ってくれんねん!」
「と、言ってますがマリーちゃん」
「ごめんねータカシくん。この続きは次回また来てくれた時にねー」
ガクリと膝をつくタカシ。
「私は?私は?マーシーさん?」
「・・・・・・・・・・・・この後俺の泊ってるホテルに来る?セラちゃん」
ジロリと横目で僕を睨みつけるタカシ。
「うーんと、もうちょっと親密になれたら考えてもいいんだけれどー、また次回誘ってね♡」
なんの振りなんだよ。
「と、言うわけで俺も振られました」
タカシがすごく嬉しそうだな。
「おら、マサルとミレーヌさんはこのままどっかに行っちまえ。明日の昼には出発だからな」
「おう、分かった。それじゃあミレーヌさん、行きましょうか」
「タカシくんもマーシーくんもありがとう。ゴメンね、ちょっとだけマサルちゃんお借りするね」
「いえいえ、あまり時間とれなくて申し訳ないのはこっちですから。ごゆっくり」
マサルとミレーヌさんはくっつきながら店を出ていった。
その後ろ姿をものすごい形相で睨んでいるタカシ。
「はいはいタカシくん!元気出して!!また遊びに来てね!」
マリーちゃんがタカシに肩を貸して店を出る。
僕は清算だ。
黒服のスタッフさんに金額の書かれた紙を渡されて問題なく支払いをする。
「マーシー様。わたくし魔術大会を観戦しておりました。見事な戦いにわたくし感服したしました」
「ありがとうございます、ちょっと照れますね。また帝都に寄ることがあれば立ち寄らせていただきます。この店のサービスにはすごく満足しています」
「そう仰っていただけましたら幸いです。またのご来店お待ちしております」
「さぁいきましょう」
セラちゃんが僕の右腕に掴まって外まで見送ってくれる。
「まりーちゃわわぁぁーーん」
「何泣いてんだよ」
「それじゃあマーシーくん、この大きな子をよろしくね」
「ありがとうマリーちゃん、責任もって連れて帰るよ」
「マーシーさん、次も指名してくださいね。つぎは『じゃあ』はなしで♡」
「ははは。次も必ずセラちゃんを指名するよ」
マリーちゃんとセラちゃんは店の中へと戻っていった。
「おい、大丈夫かタカシ」
急にシャキッと立ったタカシ。
「ほんだらオアシス行こか」
「切り替えはやいな」
「ここからが本番や!!文字通り!!」
「はいはい。そうそう」
僕らは通りをさらに奥へと向かった。
一気に薄暗くなった通りを男2人で歩いているとすぐに小柄なおじさんが客引きしてくるが、丁重にお断りし奥へと進んだ。
そしてひとつの看板の前へ
『オアシス』
カランカランと扉を開けると待ち合いに1人の女性が座っていた。
「こんばんは、ミルウルさん。2人いけますか?」
「あら、久しぶりね。もう1人の子は今日もいないのね」
「あいつはこの店の良さを分かってないんや。あんなヤツ死んだらええねん」
「もう1人は今頃彼女とベタベタしてるんですよ」
「あら、そういうことね。お2人様ご案内ね。今日はどんな娘がいいの?今日は割と空いてる娘多いけど」
「俺の心を癒してくれる胸のおっきい子がいいです。色黒で金髪ロングやったらなおいいです」
「お前はマリーちゃんに執着しすぎなんだよ」
「うーん、それじゃあちょっと待っててね」
ミルウルさんは部屋にある扉に入り3人の女の子を連れて来た。
左から金髪ロングの胸の大きい美女。
真ん中は金髪ロングの色白の美女、さらに胸が大きい。
右の子は茶髪のショートカットの美女だが、胸がはちきれそうだ。おそらくミズリー師匠とタメを張る。
タカシは右端の一番胸の大きな子に抱き付いた。
「あら、その子がいいの?ミランって言って、胸はウチで一番大きいけれど他の希望には合わなかったんだけれど」
「お前は所詮胸しか見てないんだな」
「ここは天国や」
「えっと、マーシーくんは?」
「そうですね。俺はそんなにこだわりは・・・・」
バタンと扉が開いた。
「ミルウルさん、買い出し行ってきましたー」
「あ、おかえりなさい。中に入れておいてね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エルフだ。
「ミルウルさん、ミルウルさん、この子は?」
「え?ミッフィーちゃん?ウチで働いてるエルフの子だけれど」
「み・・・ミッフィーちゃんを選ぶことはできますか?」
髪は長くない金髪。尖った耳に真っ白な肌。身長は僕と同じくらいのスラッとした体形の透き通ったような美人だ。
「あかん!あかんでミッフィーちゃん!その男はエルフを蹂躙することにかけては右に出るものはおらん鬼畜なヤツやで!そいつに近づいたらあかん!!」
タカシはミランちゃんに抱き付きながら声をあげた。その態勢のお前が言うな。
「ミッフィーがいいの?見ての通り胸は大きくないわよ」
「女性を胸で判断するヤツはただのクズです。女性は心だ。ミッフィーちゃんの澄んだ心に惹かれただけです」
「そこの変態はエルフに異常に興奮する変態なんや。ミッフィーちゃん、嫌やったら嫌やって言うてええねんで」
まだミランちゃんに抱き付いたまま離れないタカシ。
「おい、俺を下げるんじゃない。俺は純粋にミッフィーちゃんがいいと思ったんだ」
「エルフや獣人が好きってお客さんもたまにいるけれど、どう?ミッフィーがいいなら問題ないわよ」
「全然大丈夫ですよ!私、胸も小さくて指名とれないんですから。選んでいただけるなら嬉しいです!」
「こんなかわいい子を選ばない男共の方がおかしい!!俺なら毎日指名するのに!!」
「大丈夫かしら?なんだかマーシーくんの目が狂気じみてるんだけど」
「ミッフィーちゃん!危険やと思ったらすぐに声を出すんやで!」
「うるさい。お前ははやくその胸に抱かれて行ってしまえ」
「はーい、じゃあ行きましょうねタカシくん」
タカシはミランちゃんに抱かれたまま連れていかれた。
「おーいタカシ。好きなように延長していいからなー!」
タカシはこちらに見えるようにサムズアップした。
「あ、ちょっと待ってくださいね」
ミッフィーちゃんは奥の扉に入ってバタバタと音を立てるとすぐに出てきた。
外着を脱いで白の丈の短いワンピースで再登場。腕や足も真っ白で理想のようなエルフがそこにいた。
「それじゃあミッフィーは6番の部屋ね。マーシーくん、今度別のエルフの子が入ったら連絡するわね」
僕はミルウルさんにサムズアップした。
「もー、それじゃあ私の価値が下がるじゃないですかー」
ミッフィーちゃんは僕の左腕に抱き付き体を寄り添って来た。
僕はミッフィーちゃんと寄り添って奥の部屋へ。
中は以前と同じようにベットと広いお風呂のあるスペースだ。
「それじゃあお風呂先にはいりましょうか」
白いワンピースを脱ぎ捨て真っ白な体を披露。
あかん、鼻血出そう。
「はーい、じゃあ脱がせますねー」
ミッフィーちゃんに手伝ってもらい僕も裸になって一緒にお風呂に浸かる。
僕に体を寄り添うように密着させてくるミッフィーちゃんをやさしく抱きしめると目の前にピンと尖った耳がピクピクと動いている。
ハムッ
「キャン」
ハムハム。
「もー、マーシーさんったら」
その後ベットへ移動。
さらにお風呂。
再度ベットへ。
「ここは天国か」
「もうー、何回延長するんですかー」
そりゃもう堪能しまくりました。
いつもお気に入り評価ありがとうございます
このあたりは閑話ってことになります。
緊急事態宣言の解除により毎日続けていた更新が難しくなりそう。
それでもなんとか頑張る。俺、頑張る。




