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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
110/230

流石タカシ。いつも通り






ミクシリアさんとはネイさん達にご飯を御呼ばれしたあとにそのまま別れた。ナイトバーンズの皆さんは明日か明後日には帝都に戻るようでまた向こうでご飯でも食べましょうということを話した。



そろそろ夕方になりホテルでタカシとマサルと合流。

「いい店あったか?」

「マーシーマーシー。ええとこあったわ」

「吸い寄せられるようにその店に誘われました」

「女の子がいる店じゃねーだろーな?」

「大丈夫大丈夫。流石に女の子連れでそんな店は選ばんわ」


少し待っているとローブ姿の3人組。

ミラたちだ。


「お待たせ。待ったかしら?」

「ああ大丈夫。全然待ってないよ。じゃあタカシマサル、道案内よろしく」

「おっしゃ、じゃあ行こか」

ミラの後ろの2人は特に表情も変えずについてくる。男の方はやっぱりでかいな。ダークエルフの方はフードを深くかぶっていてあまり顔は見えていない。


「こっちこっち」

5分ほど歩いて2人は店を指さした。

「ここや」

ああ、なるほどね。


ボブの肉屋。リア支店だな。


そういえばまだ入ったことなかったな。


「ここの店長さんがめっちゃええ人でな。2階貸し切りでええって言ってくれたんや」

「そうか・・・・・・。まぁ入ろうか」

僕達6人は店に入ると案内されて2階に通された。


大きな長方形のテーブルが2つある広い部屋だ。僕達は片方のテーブルにこちら側に3人並んで座る。中央に僕が座り右にマサル左にタカシ。

対面の中央にミラが座ると大柄の男とダークエルフのお姉さんはミラの後ろに立ち少し辺りを見回している。


「ん?2人も座りーや。なんなん?護衛的なやつ?」

タカシは素直に声をかけた。

「いや、我々は結構」

大男の方が言葉を返すが

「飯食う時は皆でテーブル囲ってじゃないと俺らも変に気ー遣うやん」

「そう。飯は皆で楽しく。誰かにそういう風に見られていれば楽しく食べれるものも食べれない。それは食事に対する冒涜だ」

「と、ウチの2人は言っているんだが。ミラ」

ミラは僕に視線を少し向けると後ろに立つ2人に声をかけてテーブルにつかせた。



料理がたんまりと運ばれてきて広いテーブルはあっと言う間に料理で敷き詰められる。肉料理がメインでど真ん中には豚の丸焼きが湯気をたてている。

サラダやら串焼き、スープ。そして数種類のステーキ。

瓶ビールが30本ほど用意されてそれをタカシとマサルの2人が空けて皆のグラスに注いで回っている。ダークエルフのお姉さんにビールをどっちが注ぐかで少し揉めていたがテキパキと動いて食事の準備も万端だ。

「ほんだらマーシーよろしく」

「ああ、乾杯か」僕はその場で席を立つ「とりあえず依頼を聞く場を設けたわけだがまずはゆっくりと飯にしよう。ミラの準優勝おめでとう、そして俺の優勝おめでとうってことで祝勝会だな。そちらのお2人さんも気にせず食事を楽しんでくれ。護衛の立場としてもしも襲撃があったとしてもウチの2人はめちゃくちゃ強いから大丈夫だよ。じゃあ乾杯」

「「かんぱーーい!!」」

タカシとマサルは元気よくグラスを高々と上げて口をつける。僕も一口飲んで席についた。

すかさずマサルは席を立ちダークエルフのお姉さんに乾杯をし、横のミラにもグラスを合わせに行った。遅れてタカシもミラ、ダークエルフのお姉さんと乾杯し席に戻ってからはステーキにかぶりつく。

僕はキョトンとしている3人に向かい串に刺さった肉を頬張りながら

「ほら遠慮せずに食べなよ。代金も賞金で出すから気にすることないし」

「ヤッホー!流石マーシー太っ腹―!」

「ほら、お姉さんもガタイのいいお兄さんも。話は食事が終わってからな。ミラも気にせず食えよ」

ゆっくりとではあったが3人とも料理とお酒に口をつけ始める。


「そうだ、名前だけ先に聞いておいていいか?ミラ以外聞いてないしな」


「私の名前はグルグム。彼女の護衛だ」

短髪の2メートルはありそうなおじさん。おじさんって言っても見た目30そこそこかな。魔族だから何歳なのかは見た目通りではないと思うが。おっとステータスでは年齢205歳でした。力と体力と速さが500オーバーの化け物だ。僕は両脇にそれ以上の化け物を飼っているわけだが。

「私はミネア。私も彼女の護衛よ」

肌は褐色。青い髪にボリュームのあるパーマ。そして、豊満な胸元。長身だがキュッと締った体のダークエルフのお姉さん。僕らより少し年上に見えるくらいの外見だが、おっとこちらも年齢82歳。

「ミラは大会に出ていたからウチの2人も分かってるな。それじゃあこっちがマサル。こっちがタカシだ」

ガタンッと席を立ったマサル。

「紹介が雑すぎる。俺の名前はマサルです。好きなものはお酒とご飯。腕力には自信があります。トレードマークはこの前掛け。3人チームのマスコット的存在です」

目線はミネアさん。の、胸元だな。

ガタンッと今度は反対側でタカシが立った。

「俺はタカシ。腕力にはマサルよりも自信があります。帝都の武闘大会の優勝者。ユ・ウ・ショ・ウ・シャ!です。チームのリーダーやってます」

マサルは少し悔しそうな顔をしている。


「あ、で。マーシーです。魔術大会の優勝者です。ささ、どんどん食べてね。ウチの2人にとられる前にね」




些細な雑談をしつつ食事をすすめる。


「あの火の龍はどこで覚えたの?」

ミラがサラダを口にしながら話す。

「ならあの水の龍はどうやって覚えたんだ?他にも使えるヤツがいるのか?」

「私以外に使える人は見たことないわ」

「俺もそうだよ。オレ以外に使えるヤツは見たことない。だから自力で覚えた。イメージ的には上級のさらに上って感じだろ?」

「そうね。水魔法を突き詰めていけば新しい魔法のイメージが湧いたってところね」

「俺も一緒だよ。上級のさらに上。魔力を高めていけば上級では持て余したってところか」


一定数以上の魔力。おそらく400から600を越えれば使用できる可能性が出てくるか。魔力400のネイさんや500オーバーのミズリー師匠あたりは可能性があるな。ロマネちゃんは今後に期待。


右のマサルは必死に正面に座るミネアさんに声をかけている。ミネアさんは単調な返事しかしないがマサルは全く動じずぺらぺらと歯の浮くようなセリフを並べる。

左のタカシは興味がミネアさんからグルグムさんに向かったようでこの場で腕相撲をしようとしていたがグルグムさんは特に相手にしていない様子だ。




料理もあらかた食べ終わりビールに口をつけているとミラが姿勢を正してこちらを見た。

「そろそろ本題いいかしら?」

さて、ここからが本番か。どこまで突っ込むべきか考えないとな。

「治癒の血だったよな?ミラたちが必要なのは」

「ええ。どうにかして入手できるかしら?」

「ああ。俺の得た情報によると帝都でAランク依頼として出されていた治癒の血入手のクエストが今回は珍しく完了されたらしい。ということはその依頼主が現状治癒の血を持っている可能性が高いな」

「帝都・・・・・・。帝都に治癒の血があるってことね」

(なぁなぁなんなん?その情報って?情報屋的なやつなん?いつからそんなん雇ったん?)

(そんなのいねーよ。この前ヤマトの所に居た冒険者がそろそろ帝都についてるだろうっていう予測だよ)

逆算すればもう帝都に着いていてもおかしくない。


「その治癒の血があったとしても譲ってくれるっていう保証は全くないけどな。どうするんだ?事情を説明して譲ってもらうか?それとも奪うのか?」

「え?強奪すんの?それってやばいんちゃうの?」

「マーシーがとうとう犯罪者に。あ、もうすでに犯罪者か。婦女暴くォう」

僕は目の前の肉をマサルの口にねじ込んだ。


「実際問題治癒の血なんてレアアイテムを頭を下げるだけで譲ってもらえるなんてことはないだろう?何か策はあるのか?」

「難しいかもしれませんがそれでも会って話をしてみないことには始まりませんから。それまではお手伝いしてくれるんでしょう?」

「ああ、問題ない。その依頼主が誰で今所持しているのかどうかまでは調べよう。その後の交渉もサポートくらいはするさ」

「ありがとう。助かるわ」


「なぁなぁ、なんでその治癒の血が必要なん?不老不死の薬になるとか聞いたけど、それ目的なん?」

「いえ、不老不死には興味はないけれど。私の父が病に伏せっていて、色々試したけれど症状が良くならないのよ。だから藁にもすがる気持ちで治癒の血を探しているの」


「へー、ってことは魔王様がってことかー」



「「「!?」」」



アホーーーーーーーーーー!!!



タカシはそういえばこういうヤツだった。








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