恒例のミーティング、そう恒例です
魔術大会が終わって一夜が明けた次の日。
僕達は3人で冒険者ギルドのカフェのテーブルについている。
「めっちゃさっきから見られてんな」
「モグモグ、ゴクン。ゴクゴク。しかし声はかけてこない」
タカシとマサルの言う通りチラチラ見られているのはこの冒険者ギルドに入ってきた時から気づいていた。まぁ魔術大会で優勝したわけだから仕方がないか。しかしタカシの時は結構勧誘とかが多かったが僕にはまだ誰一人として声を掛けてはこなかった。なぜだろうか?
「なんか周りがマーシーを見る目・・・・・・・・怯えてない?」
「そう。なにやらビビっているように見えますね」
そういうことか・・・・・。
「まぁガンガンに声をかけられるよりはありがたいってことにしておこう」
「あんな魔法使うヤツには恐れ多くて声もかけられないってことですね」
「せやな。ドラゴンはないわな、ドラゴンは」
確かにないわー
「よし、飯食ったら部屋に戻ろう。ここじゃおりいった話もできなさそうだしな」
僕達は朝食を済ませるとホテルの僕の部屋に戻ってきた。そして3人ソファに座り灰皿を用意して喫煙タイム。
「じゃあ恒例のフルボッコミーティングー!イェーイ!」
「めっちゃ久々感あるな!」
「イエーイ」
「タカシ優勝おめでとう。そしてオレ優勝おめでとう。しかし今1番幸せなのはなぜかマサルなのが腑に落ちない」
「オレ、優勝できなくてもミレーヌさんさえ居ればいい」
「そのミレーヌさんにめっちゃバックドロップしてたけどなww(笑)」
「思い出させるなよ!!」
「じゃあとりあえず今後の方針な。今日俺は昼は魔法騎士団に挨拶に行くから2人は夕方までは自由行動。できれば外には出ないで欲しい」
「『できれば』ってことは出てしまってもしゃーないってことで理解した!」
「マジで問題だけは起こさないようにしてくれればいいんだよ。2人で放置した結果まぁまぁな確率でなにかあるだろ?」
「何言ってんねん、マーシーが1人のほうが何かあるやんけ」
おいおい何言って・・・・・・あれ?
そうか?
領主の娘を助けた。
ミズリー師匠の弟子になった。
放火の後はアルベルトに捕まったな。
夜道でからまれたミラを助けた。
やばい。つまりそういうことなのか。
「そうですね。俺たち2人よりもマーシー1人の方が実はトラブル体質かと」
「いやいや待て待て。お前たち2人の時はなぜか人だかりができるレベルだろ」
「マーシーは女絡みが多いやん」
「心外だな」
「ここは言い合っても仕方がないんじゃないでしょうか」
珍しくマサルが場を納めようとしてくれる。心にゆとりがあるヤツは違うな。
「その話は改めてしよう。とりあえず今日は昼に魔法騎士団。夜はミラたちと合流して話を詳しく聞くことになる」
「魔王の娘かぁ。魔王ってどんなんなんやろーな?」
「できるだけ魔王とは絡まない方向で進行はしていこうと考えてるよ」
「魔王。一度は見てみたい」
「せやな。めっちゃムキムキなんかな?」
「タカシの強い定義がムキムキなところがおかしいな。俺みたいな魔法使いタイプかもしれないだろ?」
「いや。魔王っていうからには見た目もゴツいんやと思うねんけどなー。こう、腹筋とかバキバキに割れてて爪とか牙が鋭くて、羽とか生やしててみたいな?」
「姿形がどうであれ魔王と敵対することは絶対厳禁な。多分今のままじゃ絶対勝てないレベルだ。俺たちはせいぜい人間の中では強いってレベルくらいだと思う。例えば実戦でアルベルトあたりとやり合って同等くらいだろうからな。タカシのパワーとか俺の魔力は1000に達しているがこの世界の最強レベルでだいたい500から600。アルベルトやミズリー師匠がこの域に達しているがこの数値は戦い方次第でひっくりかえる。現に十兵衛さんは200前後だったが強かっただろ?」
「十兵衛さんは強かった。あれは、こう、なんていうか、達人やったなー」
「そう、そういうこと」
「あの団長さん帝都で一番強いって言うてたな」
「魔王とやるのは勇者に任せるさ。居ればな」
「勇者なんているんでしょうかね?まだ噂も聞いたことないんですが」
こういう世界のテンプレは勇者召喚だったりするが俺たちが勇者になりうるのか?普通に平民スタートだったんだけどな。
もっとレベルが上がっていけばステータスも1000どころじゃなくて2000、3000にはなりうるが。職業に『勇者』ってのが出てきたら考えるか。
「とにかく『治癒の血』のイベントを受けたからにはこのルートで進めていくしかない」
「マーシーが今3つ持ってるヤツやな(笑)」
まぁそうなんだが。
「まぁ今持ってるこいつを出すのはどうしてもって時の最終手段になる。当面は帝都で出ていた依頼を調べて依頼主に直接あたってみるのが最善策だろうな。夜に話してみてどうするかは考えるさ」
「あの娘の横におったおっちゃんも強そーやったな」
「あの褐色のムチムチダークエルフ・・・・・。いい」
「マサル。ミレーヌさんに言ってやろ」
「ミレーヌさんは関係ない!!褐色のボインもまたいいな!って男としての感想だ!!タカシもマリーちゃんのボインには興味あるだろ!!」
「マリーちゃんのボインは俺のもんやけどミレーヌさんに言ってやろ」
「・・・・・・・・・・マジで勘弁してください」
「せやマーシー。あのドラゴンって魔法やんな?俺も使えるん?」
「魔法は魔法だが、タカシには無理だろうな。あれは火魔法のLV4だからな。例え火魔法をLV4まで上げたとしても魔力(知力)もMPも足りないんじゃないか?」
「流石に無理かー。あれはめっちゃ使ってみたいけどなー」
「確かに。ファンタジー感出てましたね。ぜひ使ってみたい」
「タカシとマサルには魔法以外でもっと別のものを覚えて欲しいんだけどな。例えば燃えるパンチとか、爆発するキックとかそれらしいのがあってもいいんだと思うんだけどな」
「なにそれ・・・・・・めっちゃ興味ある」
「例えばの話だからな。あるかどうかは知らんぞ」
もうちょいどこかでレベル上げはしておきたいんだよな。ここ数日レベルは停滞している。一角牛をたおしてからほとんどレベルは上がっていない。
「ああ、そういえばおもしろいモノ覚えたんだった。『これこれ。聞こえるだろ?』」
「!?うわっ!!なにこれ!?気持ち悪!!」
『そう、念話って言ってテレパシーな』
「なんか頭に直接聞こえてくるやん。マーシー気持ち悪っ」
「はっ!?心を覗けるってことはギャンブル超楽勝ってことですか!?」
「いや、心を覗けるわけではないんだよな。こっちから相手に語りかけることと相手はそれに答えることしかできないんだよ。今試した通り3人くらいなら心で会話ができる。けれど流石に相手の心を覗くってのは無理みたいだ。もちろんすぐに試してみたよ」
「念話覚えた瞬間すぐに女性の心を覗いてみたのですか。流石マーシー」
「さすマーシー」
「検証だよ。検証。とりあえず2人には心で語りかけた時に驚かずに対応できるようにしててほしいかな」
「そしてそんなことができるとは誰にも言わないようにいうことですね」
「ああ。けれど魔法騎士団のネイさんも使えることと、ミズリー師匠に質問された場合は正直に答えてくれて構わない。ミズリー師匠に関しては嘘がばれちまうから嘘自体はつかないようにな。一応お前たちにはそういった質問はしないようにお願いしてあるが」
「嘘見抜けるってえらい能力やんなー。俺も欲しいなー」
「そういう特殊スキル系はどうも獲得条件が分からないんだよなー。職業によるものなのか?特定の訓練をすれば身につくのか?攻略本希望」
「レベル上げて色んな職業やってみやんな分からんってことかー。俺はとりあえず格闘家最大LVまで上げるけどな」
まだやりたいことが多いんだよなー。差し当たってはLV上げが優先順位が高いんだがメインストーリーに乗っかってるウチはその流れに乗っかるしかないか。
「まぁそんなこんなで明日以降はミラたちに夜に話を聞いてどう動くか決めよう。タカシとマサルは外に出るのならミラたち3人と俺たち3人でどこか個室で飯食えるところを昼の間に探しておいて欲しいな。話が話だけに外には漏らしたくないしな」
「おっしゃ、じゃあ昼は俺らは店適当に探しとくわ。金はマーシーの賞金もあるし、俺のもまだ残ってるしな」
金には余裕がある。一軒家が建てれるくらいには。




