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男3人異世界ぶらり旅  作者: neon
101/230

おまわりさんコイツです。いやいや違うし





準決勝第二試合終了。



粉々に砕け散った水晶の傍らに水浸しになって意識を失っているロマネちゃん。

すぐに救護班が駆け寄り回復魔法をかけている。


「それじゃあホールドさん。美味しいお酒、期待してますね」


ミラはゆっくりと階段へと向かう。チラリとこちらに目を向けたがすぐに階段をあがって退場した。


「それじゃあ僕はちょっと医務室に行ってきますね。またここに戻ってきたらいいんですかね?」

「まさか上級も使えるとはな。マーシーは知っていたのか?」

「いいえ、まさか。まぁアレを撃たれたら防ぎようがなさそうですね」

「威力も申し分ないな。我々と同等か、それ以上か」

「ん?あの水晶はホールドさんの上級魔法2発を耐えるんですよね?それならミラの方が魔力は上なんじゃないですか?」

「ダイダルウェイブなら接触している間魔力を吸収し続けるからな。俺のフレアなら2発だが、ネイのダイダルウェイブなら1発でいける」

「そっか、そういう攻略法か。それならファイアボールよりファイアストームの方が効果的なのか」

僕のファイアボールならいける気もするが。



決勝開始30分前にここに再集合でと控室を僕は出て行った。

先に医務室に向かってロマネちゃんの様子を見に行こう。あの激流に呑まれたのだから心配だ。




廊下を歩いて案内板の通りに矢印方向へ医務室に向かう。

すると対面から右肩を負傷したミラが大会のスタッフと一緒に歩いてきた。

真っ先に反応したのはそのスタッフさんだ。まぁ決勝の対戦者がこんなところで出くわしたわけだから。


「ミラ選手の右肩は大丈夫ですか?」

トルネードで負傷したミラの右肩を心配して僕は声をかける。

「傷は深くはないので回復魔法ですぐ治りますよ。マーシー選手はどうしてここに?」

スタッフさんが答えてくれたためミラは無表情でそのまま廊下を歩く。

「ロマネ選手とミラ選手の容態が気になりまして」

「ロマネ選手は医務室で治療中でしょうから一緒にどうぞ」


医務室に着くと中ではベットに横になっているロマネちゃんがいる。

白いローブの女性に回復魔法をかけられてすやすやと眠りについていた。

ミラも付いてきたスタッフに案内されて別のベットで回復魔法を使ってもらっている。

「ロマネちゃ・・・・選手は大丈夫ですか?」

僕は近くの医者っぽい男性に声をかけた

「ええ、大丈夫ですよ。怪我もたいしたことはないですし。強く壁にうちつけられて軽い脳震盪を起こしただけですね」

「そうですか、分かりました。決勝戦には起こしてあげてください」


僕はそれだけ言うと医務室を出た。


医務室を出てさてと観客席の方へ行こうかとすると医務室の扉がすぐに開く。

ミラだ。


「お疲れ様。傷は大丈夫か?」

「ええ、大丈夫」

傷はすっかり消えている。軽い擦り傷で済んだようだ。

「あの魔力を乱してたのって魔法?」

「・・・・・・・・・・教えると思っているの?」

「そっか、じゃあ俺が勝ったら教えてくれる?」

じっとこちらを見るミラ。

「いいわよ。勝てたらね」

「ついでに足での魔法の使い方もね」

僕は後ろ手に手を振り観客席へと向かった。




会場は決勝戦までは休憩となりその間に観客たちはお昼ご飯を食べたり、所々では軽い宴会も始まっている。

そして僕の向かう先もすでに宴会中だ。


「おお、戻ってきた戻ってきた」

「マーシーお疲れー。決勝まで時間あるんやろ?飯でも食おーや」

マサルとタカシはビール片手に機嫌は良さそうだ。こんな真昼間から酒に手をつけて楽しそうじゃないか。


「マーシー、ちょっとそこに座りなさい」

何故かミクシリアさんが神妙な顔をしている。なにかまずいことをしただろうか?

「あなたあの暗闇の中であのキリカってのに何をしたの?」

「暗闇で・・・・・?ああ・・・・・・・説得?」

事実降参してくれているんだから説得で間違いないよな?

「一体どうやって説得したって言うのよーーー!!」

ミクシリアさんがものすごく酒臭い。ポカポカと僕を両手で子供殴りしてくる。


「真っ暗闇で男が女にする説得なんてたったひとつや!!周りから見えへんことをいいことに強引にあの手この手を使ったんやろ!!」

「ホントひどい。ホント最低。マーシーを見る目がかわりました」

ああ、この2人が元凶か。


「ミクシリアさん、お酒は夜にしてくださいね。この後の決勝戦は見てなかったら絶対損しますよ」

「お酒?お酒なんて飲んでないわよ!!(ビールをグビグビ)それよりもどうなのよ!!まさかあの暗闇でホントーにふしだらなことを!!」

「キリカの服が乱れていたことは隠しようのない事実」

「息も荒かったしな。あの魔法にあんな使い方があるなんて流石マーシーやわ。応用の仕方が神」

「おい、そんなわけないだろう。服が乱れていたのは魔法でドンパチしていた時からだろ?息が荒かったのはパラライズ使ったからだ」

「そんな・・・・・。ま・・・麻痺らせて無理やりやったんか?イヤーーー!!誰かーー!ダレカーー!ここにレイプ魔がおるーーー!!」

「おまわりさんこいつです!!」


「スリープ×3」

バタバタバタと3人を寝かしつける。

「キュア」

さらにキュアで酒を抜く。

あ、起きてしまうからさらにスリープ。


「グラブルさん、決勝前に起こしてあげてください。俺は屋台で飯買ってきますね」

「お・・・おお。分かった」


僕は焼き鳥や豚まんを購入して席に戻った。

うるさい3人はスヤスヤと眠っている。とりあえず起こすのは試合前でいいだろう。こっちはゆっくりしたいんだよ。

「ダルブさん、グラブルさん。すみませんウチのが騒がしかったでしょう?」

「いや、ミクシリアも同じようなもんだからあまり気にならないよ」

グラブルさんは苦笑いで答えてくれた。

「それよりも大したもんだな。決勝か。ここ何年か魔術大会は見ているが、今回は上級魔法もバンバン出てレベルが高いんだがな。いつもの大会ならミクシリアも優勝候補になっていてもおかしくなかったからな」

「ダルブさん、ミクシリアさんは1年魔法の練習すれば十分優勝狙えますよ。今大会は俺がいるんでダメですが」

「それは直接言ってやってくれ。励みになるだろうからな」


僕は豚まんにかぶりつきジュースを口にする。


あのミラが設置していた魔法ってなんなんだろうか?決勝戦でも使ってくるようなら脅威になりうるな。

しかし今考えても僕の頭の中には答えがない。可能性的なものはあるが空想の産物ばかりだ。

例えば闇魔法。その中にアンチマジック的なものがあったとすれば。しかしこんな人目の中で闇魔法を大々的に使うのは考えにくい。僕はまぁ使ってしまったが。


あとは何かしらの方法で魔力を練るのを妨害した。魔法はちゃんとした順序と道筋で魔力を流して練らないと魔法として発動しない。ホールドさんが『ロマネちゃんがダイダルウェイブを失敗した』と言っていたが魔力の流し方や練り方を失敗したように見えたということはミラが何かしらの力で妨害したのではないだろうか?

って感じで『何かしら』って答えの出ないものの推測でしか考えることができない。

ミズリー師匠がいれば色々聞きたいところなんだが。



・・・・・・・・・・そういえば変わりがいるな。









今年最後の投稿になります。

年末年始は時間があるのでもう少し進めていきたい(という願望)


構想が数手先まであるのですがそこに行くのに時間がかかりすぎる。

だってウチの3人が色々するから。夜のお店なんて元々考えてなかったんだよ・・・・。


来年もよろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
[一言] 夜のお店を考えていなかった・・・? またまたぁ(笑)
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