遭遇
ハァハア。何とか振り切った。
儂は今追ってくる警察から逃げて路地裏に隠れていた。
「何で儂が犯人扱いされなきゃ行けないんじゃ全く!」
クソーまずいな、このままじゃ家に帰れないし、下手したら指名手配されて警察に追いかけられ続ける日々に…
「うわー!!そんなん絶対嫌だー!!なななっ、何とかしないとー…ん?まてよ…」
あの超人、確か気を失う前儂に指指して怪人と言った。それはつまり正体不明の怪人がやったと言うのを伝えたかったのでは?儂ではなくて。儂ではなくて!!
「それなら、あの超人を倒した謎怪人が真犯人ってことになる。じゃあそいつを捕まえて警察に突き出せば、儂の冤罪は認められる!」
ん?でもまてよ、あの強面超人は儂をボコボコにした=儂より強い。その超人を謎怪人が倒した=超人よりも謎怪人が強い。
つまり儂よりも強い謎怪人を捕まえられるわけない。
詰んだ………
「いやいや、何も正面から堂々と戦わなくてもいいんだ。後ろから角材でぶっ叩きゃ行ける….」
お前主人公だよな?て声が聞こえた気がするが仕方ない。儂の冤罪を晴らすためじゃ。
「よし、じゃあ早速角材を______」
「その必要はないわよ〜」
「___え?」
後ろから声が聞こえてきたので振り向いて見るとそこには、小顔で腰まである長い黒髪で赤のワンピースを着ている美人な女性が顔をニコニコさせながら立っていた。ってか、今の儂の発言聞かれた!!?
「あっ、いや、違うんですよ!!角材でぶっ叩くなんてそんな野蛮なことするわけ無いじゃないですかーアハハ!」
笑いながら必死で誤魔化して見るが、女性は表上を変えないで儂をみてる。…やばい、ただでさえ犯罪の疑いかけられてるってのに。こうなったら!!
「すいません見逃してください」
その場で儂は土下座をした。情けないが今はこれが最善の策だ。
「あなたには感謝してるのよ〜」
「え?感謝」
儂この人に何かしたっけ?
「だって私の罪をあなたが肩代わりしてくれたんだから〜」
肩代わり?何をいって…ん?まさか!
「お前まさか犯n___」
ガブッ!!!!
「…………へ?」
「ごめんなさいね〜。あなたが本当のことを話したら私が捕まっちゃうの〜。だから〜………死んで!!!!」
儂は今起こったことに理解できなかった。いや、理解しろと言う方が無理かもしれない。さっきまで離れていた女性の顔が急に近づき、
………儂の首に噛み付いているのだから。