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鳥達の止まり木

あらすじ:不吉な知らせに落ち着きのないアン。

その事を知ってか知らずか、レンバート達は昼食に向かう。

停留所は、街の中心にある巨大な塔『イグドラシル』の中にある。

そこは装空機だけでなく、飛行船も停められるようになっており、他の街に向かう旅人や商人で溢れかえっていた。

レンバート達は装空機を降ろし、専用のガレージに移す。この街の停留所はここ一つだけの為か装空機もかなりの数が停めてあった。

目に入った機体には全身を黒塗りにしてあったり、赤い焔のレリーフが刻まれていたり、奇妙なものは有名人だろうか、人の顔の写真が貼っていて、レンバートは好奇の視点を向けていた。しかし、見るべきなのはそこではない。鳥達の装空機というものは、軍用機を卸されたもの含めほぼ全てがオーダーメイドされている。

全く同じ型が存在しないと言っても過言では無いの. だ。

レンバート達の装空機は珍しい二人乗りで機体を安定させるために羽は左右に2枚ずつXの形であり、少しでも乗り心地を良くするように風除けや振動が伝わりにくくしてある。そのため、装空機にしては大きい。

全身黒塗りの機体は速さを重視したのか、機体は鋭く細く、羽も細い。しかしアレでは曲がるのに一苦労だろう。飛竜は飛んでる最中でも機敏に飛び回る。実戦向きじゃない。

焔のレリーフが刻まれてる機体は少し角が立っており、羽もかなりのサイズで耐久力と機能性が存在している。恐らく、銃撃などの攻撃を行いやすくした機体だろう。だが飛竜というのは速く、そしてどれも鋭く重い一撃だ。この機体は一回耐えられるかどうかと行ったところ。傷がないところを見ると飛竜どころか、空蜥蜴との戦いすらしていないのかもしれない。

人の顔が貼ってある奇妙な機体は、風除けの他に羅針盤や速度計が付いていて、急カーブや急旋回にも対応できるようにした稼働型の羽と意外にもこの中では一番クレバーな機体になっていた。これなら操縦者の腕次第で銃槍だけでも飛竜とも張り合える。

レンバートも格好良くて、スピードがでる装空機にしたいが、リサが許してくれない。

"そんなスピード出す必要ないし、出さなくてもいいでしょ" だそうだ。全くもってその通りで否定ができない。

「ほら、行くよ」

スピードに焦がれて、失意の中にいるレンバートを知ってか知らずかリーサは塔の奥へと入って行く。レンバートも後に続く。

ふと、尻目に一つの機体が目に入った。

それはアイボリー色で丸みを帯びていた。

操縦者包むように風避けが施されており、所々布に覆われていて、羽も円状に作られていた。

あの形状の機体を見たことがあるような気がしたが思い出すことができなかった。

レンバートは疑問に思いつつその場を後にした。


塔の中は店と少しの居住スペース、飛空船乗り場と待合室と管理室、他にも病院や図書館などと行ったこの場所で全てを済ませられてしまうような場所になっている。

複雑に入り組んだ内部構造は一週間に一つ道が増えたり減ったりしていたり、店も前とあったものとは違っていたりと土地勘なんて役に立たないぐらいに混沌としている。

繁盛はしているようで、喧騒が喧しく響き、人混みもあって少しでも距離を置くとお互いを見失ってしまいそうになるほどだった、

そんな人混みの中をリーサとレンバートは迷いなく一軒の店へと向かう。『燕の巣』という名で鳥の巣のように入り組ませた壁に少し明るい木材でできた外装の食堂だ。

「いらっしゃいー。空いてる席へどうぞお二人様。」扉を開けた馴染みの二人をそんな風に出迎えたのは看板娘であるコリンである。

店の中は外装と違って壁には観葉植物と植物の絵画や透明のガラスなどといったどこか涼しげな内装に木の丸みを生かした椅子と机に緑で端につるの装飾が入ったカーペット。外の喧騒が嘘みたいに静かでリラックスができるスペースになっていた。

賑わってるため、カウンター席は埋まっていたので適当に席を取り、メニューを開く。ふと、懸念を口に出す。

「アンの奴出頭命令を出すとか、今度は一体どんな無茶振りをするつもりだ。」

「わかんない。ただニルヴェインさんの話だとアンに落ち着きがなく、かなり急を要するような自体事態らしいよ。」

それを聞いたレンバートは疲れた顔をする。まともな話じゃないのは確定したからだ。行きたくない。だが、冷徹とも見えるアンが落ち着きを無くすというのはかなり異常だ。行かないわけにはいかない。

そう考えていた時、

「失礼。ご同席してもいいかな?生憎どこも埋まっていて。」

アッシュグレーの長髪に褐色の肌と緑のロープを着た長身の女性が立っていた。


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