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捨てられ勇者の異世界ボッチ放浪譚  作者: 雨森 時雨
第2章 闇の勇者(笑)になったので、人間族に喧嘩を売りましょう、そうしましょう!
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第7話 力試しと新たな力

とは言ったものの俺は適当に山を一つ走って越えたところで歩みを止めた。


そう、俺はステータスの確認をしていなかった。はっきり言って、今の自分のレベルにさほど興味が無くなっていたので、確認をしていなかった。何せ、ダンジョンにいたころとは違い、今の俺は力に溢れている。いや、溢れかえって漏れ出して、氾濫している状態である。これ以上、力が強くなっても比べられる相手がいないのでどこか虚しいのだ。クリムゾニアスですら、今の俺なら結構苦労はするが倒せてしまうのだから。はっきりって、俺の力は眠らせてある方が多いことに気が付いたのだ。


レベルは1000を超えている。


そう、それが問題なのだ。倒した魔物の数に応じてステータスがブーストされる今の俺の人外ボディはどうなっていることやら。レベル1000以上の俺のステータスはどうなのか確認する必要がある。それに光の女神の右腕を保持しているが、あれを完全に掌握していない。


…〈光の女神〉の右腕。


そこが気に入らない。闇の女神の右腕なら嬉しいのだが。まあ、あの人の腕なんぞ奪う必要もないし奪う気も無い。そんな野蛮なことは俺の復讐相手にしてあげればいいのだ。とりあえず、ダンジョンのボス部屋を開いて入ろう。


あそこが一番頑丈であるし、そこそこ広いので俺は気に入っている。戦う練習をするのには良い場所だ。

「開け」

そうやって俺はダンジョンのラスボス部屋に足を踏み入れた。もう、何日もサクレーヤと一緒にいた場所だから自分専用の体育館くらいの感覚になっている。一昔前までは死ぬかもしれないと、悲壮な決意をして命がけでクリムゾニアスに挑んでいたんだが。なんだか、儚いものだな。今ではちょっと頑張ればクリムゾニアスに勝てるだろうという自分がいる。まあ、クリムゾニアスが鈍っている今の内だけだろうともわかっている。


彼は何千年も生きているのだから。自分とは経験値が違っている。そのうち、俺のステータス任せの戦い方では限界が来るだろう。だからこそ、ステータスに振り回されない戦い方を身に付ける努力をしなければならない。俺の体は自分自身ですら言う事を聞かせるのに苦労する悲しい体になってしまったのだから。

「さてと、確認してみましょうかねえ。」

ステータスを確認すべく、ステータスプレートを呼び出して眺める。




佐藤 唯志:ユウジ サトウ

種族:闇龍王 属性:闇

レベル1356 HP 678895 MP 854328


筋力 813586(8135860) 知力 875410

耐久 809957(8099570) 魔力 890765

敏捷 870765  器用 804355

魅力 29180 幸運 2034


*()内はスキルによる補正


固有スキル


絶対復讐:相手から与えられたダメージを相手に対して10倍にして返す。ダメージは使用者が受けたダメージと同様の割合を10倍にしたうえで相手に受けさせることができる。発動条件はダメージを受けること。そしてダメージを受けた後、スキルが発動している間に相手に触れれば発動する。その時、相手に与えられていたダメージはスキルによって相手に与えたダメージを自身の体に取り込むことで回復する。



獲得スキル


上級鑑定:物の価値を判別するスキル。作られた背景や来歴までも鑑定可能となった。


筋力強化・極:筋力を常に10倍にする。いかなるステータス下降魔法も受け付けない。


耐久強化・極:耐久を常に10倍にする。いかなるステータス下降魔法も受け付けない。


ダメージMP変換:ダメージを受ければ受けるほどMPが回復する。


MP吸収:敵に攻撃されて、受けた魔法に使われたMPを吸収する。


瞬間展開:魔法を一瞬で展開することが可能。


紅蓮龍の肉体:火の魔法を完全に無効化する。神の炎以外の炎は全て支配できるので、敵の魔法であってもそれが火の魔法であれば無効化できる。魔法への抵抗力が高まり、受けるダメージを4分の1にまで減らす。また、神龍の鱗の効果により物理攻撃のダメージが常に1割にまで減殺される。


形勢維持:常に1分間につき最大HP・MPの10%を回復する。


巨大化:文字通り巨大化する。体の一部分のみを巨大化することも可能。


完全隠蔽:自身の存在を全く認識させないことが可能。いかなる探知魔法にも引っかからないが、人間、生物に接触すると効力を失う。


完全吸収能力:相手を倒しさえすれば相手の能力や魔法を自分の物にできる能力。相手の攻撃を喰らっても容量を超えない限り自らの力に変えることもできる。繰り返し、攻撃を受け続ければ学び取ることも可能となる。


観察者:相手と対峙する時間に比例して相手の弱点を見極めることが可能となる。


魔物の蹂躙者:魔物たちを蹂躙したものに与えられるスキル。魔物を相手にしたときに全ステータスが強化される。強化の割合は感情に応じて変動する。基本的には2倍強化され、感情が高ぶっている際には最大で10倍まで強化される。10倍が上限。


漆黒の契約者:闇魔法の上級まで、覚えたものに与えられるスキル。闇魔法の消費魔力半減、威力上昇の効果がある。


女神の愛し子:闇の女神に加護を与えられているものが持つスキル。闇魔法の習熟速度が上がり、光魔法に対して強い抵抗力を持つようになる。


殲滅者:敵対する物を一方的かつ圧倒的に葬ったものが修得するスキル。集団との戦いにおいて圧倒的なステータス強化が行われる。ただし、仲間がいると数に応じて補正の割合が下がる。


神喰らい:神の力を奪った者である証。神の攻撃や神の力が効きにくくなる。


神龍殺し:神龍を殺したものへと与えられる称号。神龍以外の龍を配下にできる。龍族の支配者となるため、龍は敵対行為を一切働かない。竜に至っては絶対服従の立場となる。


光への叛逆者:光の女神に反旗を翻した者。闇の女神から寵愛を受けている証でもある。闇魔法の威力が2倍に上昇する。


闇夜の勇者:亜人族、獣人族、魔族の勇者であることを証明する称号。闇魔法の習得速度が上昇する。人間族への攻撃力が上昇する。




固有魔法

闇魔法

暴食拷牙:相手を喰い尽くす魔法。相手を食べた数に応じてステータス成長値に補正が付く。相手の持つ耐性を手に入れることも可能になっている。


影刃爪牙:相手に影の刃を飛ばす。レベルに応じて扱える刃の数が増える。また、刃の威力も向上する。相手の影から刃を生やすこともできる。


魔力吸収・改:相手の魔法攻撃の半分の魔力を己の身に吸収する。ダメージは半減することが可能。


完全変化:闇魔法の中級魔法。肉体を変化、操作することができる。使用者のイメージ力によって性能は変わるが、他者に成りすましたり、自身を従来とは異なる姿にしたりする事が可能となる。


捕食結界:集団を相手に使う捕食魔法。闇魔法の中級魔法。一切の抵抗を許さずに相手を闇の中に閉じ込めたうえで捕食する。


影渡:影から影へと渡る魔法。影がある限りどこまででも移動できる。影の中から、敵を攻撃することや引きずり込むこともできる。闇の上級魔法。


界蝕:闇魔法における新たな魔法。ユウジ サトウによる開発魔法。闇魔法上級に該当する。巨大な漆黒の狼を創り出し、魔力の続く限る暴食の限りを尽くす至高の作品。闇の女神に祝福された魔法。


光魔法

慈愛の杯:対象のHPを30%ほど回復する。


薬師の杯:対象の状態異常を完全回復する


天裁地罰:光による攻撃魔法。広域魔法であり死霊に対しての効果は絶大。


神光の盾:光の力を纏った盾を創り出す。闇魔法を半減する。他の魔法であれば、自身の魔力と知力の合計値が相手より勝っている時は完全に無効化する。


神龍魔法

紅蓮龍爪:炎を纏った爪と牙で敵を攻撃する。


神龍の逆鱗:怒り狂った状態になり相手を叩き潰す。ステータスを一時的50倍に増加させて相手を攻撃する。体力の9割9分を消費。使用後は反動で必ず、1時間行動不能。


紅蓮咆哮:口から火炎弾を出す。紅蓮龍王が持つ炎と同質であるので神以外の全てを焼き尽すことができる。基本は広域殲滅型だが、一点集中型にも変換できる。


龍闘炎剣:炎の剣で敵を切り刻む。紅蓮龍王独自の魔法。


紅蓮再起:炎の力を身に纏い、傷を回復する。回復率は使用者の知力と魔力に比例する。火魔法が得意なものへは効果が出やすく、水属性が得意なものには効果が出にくい。


神武・煉爪獄牙:龍王の力を全て開放して、圧倒的な火力で周囲を焼き払う。紅蓮の炎で敵を焼き尽す最終奥義。


獲得魔法

火魔法神式、水魔法霊式、風魔法霊式、土魔法霊式



ああ、魔法が変わってるし、スキルが変わってる。


色々と統合されている。脳内にもそんな言葉が響いた。どうも、俺の体は完全に闇に適応したらしい。これは多分、闇の女神の勇者を引き受けたためだろう。ま、いいけどさ。


ステータスの上がり方がやばい。これって、限界値はどのくらいになるんだろうね?神に近付いているというのもあながち嘘ではないなあ。人としてでなく、龍としての枠になら収まりそうな気もするが、すぐに龍神クラスに至るんじゃあなかろうか。


既にこの身は“闇龍王”なのだから。


体にある龍神としての力、光の女神の右腕を通して得ている神の力、闇の女神から与えられている闇の勇者としての力、俺が今まで培ってきた魔物たちを倒して手に入れたすべての力を統合する。正直、スキルが面倒臭いし、光の女神には頼っていたくない。いや、光の女神の右腕は異物として体に入っている。


あくまで異物として、だ。


だから、俺はこの右腕の力を完全に掌握しきれていないということ。つまり、光の女神に負けているという事だ。それは認められない。


あんなヤンデレで自己中な糞女神に負けていることは断じて許されない!!


となると、征服するしかないじゃないか?


よって、俺は自身の体内に力を集中させる。そして体の中の力がばらばらに蠢いているのを感じ取る。これでは駄目だ。もっと、力の流れを良くしないといけない。


俺の体内では魔物の力、女神の力、龍神の力がそれぞれ好き勝手に無秩序に巡っていた。だから、力の歪みを正し、回路を整え、不要なところは切り捨てる。力を解放した時の姿が滅茶苦茶なのも無理はないのだ。


管理しきれていない力が俺の体に様々な影響を与えているから、あんなカラフルになってしまうのだ。もっと、シンプルなのが良い。目立たないくらいに。



……体の中の力の流れを一本化できた。それぞれの力を混ぜて全ての力を俺自身の力として認識することができた。こうすることで、俺はようやく自己管理ができるようになったはずだ。

「こおおぉぉぉ…。」

体内の力を意識して体に巡らせる。魔力が通り、神力が通り、龍の力、気力が通って行った。4種類の力を何とか交通整理して統合できたようだ。かれこれ数時間以上ずっと、体内の力を制御していた。その間はずっと立ったままだったが、体力はあまり失っていない。そんなやわな身体じゃないし、何よりもここはダンジョンだ。外よりも時の流れは遅い。


ゆえにこんな手間暇のかかることをやっているのだ。体内時計だと、今までかかった時間はなんと3日分がたっていた。1月ほどなら食べなくても平気な強靭な肉体に感謝あるのみだ。


改めて自分の姿を確認する。


魔法によって視点をあちこちに移動させて俺は自分の体を確認した。


髪の色は黒銀色になっていた。長さは相変わらず膝の後ろまである。これはどうも莫大な魔力を髪に溜めているからこうなるみたいだ。


瞳の色は翠色だった。これはクリムゾニアスの力だろう。


顔は相変わらず、嫌になるほどの女顔というか、前よりもさらに女性らしさが増していた。女神要素がここに出たようだ。体つきもどことなく女性的だ。胸は無いからいいものの絶壁体型の女性と間違えられても文句は言えないな。


「あー。」


声までも女性的にい?!

「勘弁してくれ、糞女神めぇ。あんま嬉しくねえな、これ。俺が男の娘になるって誰が得するんだよ。そういう需要ってあるのか?」

あまりないだろうが。


いや、あっても困る。


こうして、俺は力を全て整え終えて、これまで以上に自信の力を把握できたし、管理できるようになった。戦闘準備は万端だ。


準備には手間取ったが、これでやっと復讐を始めることができる!!


待ってろよ、名前も国も知らないクソ野郎ども!


俺が絶望の底に沈めて、屈辱にまみれさせ、歴史に名を残すような無様さを記録させてやるからな!



無論、俺を召喚した国はフルボッコだ。


王族、貴族喜んで~♪民もついでにフルボッコ~♪


焦土、凍土、地殻変動、天変地異とまあ、あらゆる方法で痛めつけてやらないと!


慈悲?そんなものは無い。光の女神は当然、ぼっこぼっこにしてやるが、それは俺をこの世界に呼んだ人間たちへ復讐した後だ。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 龍王=龍神ってこと? ちょっと説明が足りなくて、読みづらいと思います。
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