表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨てられ勇者の異世界ボッチ放浪譚  作者: 雨森 時雨
第4章 女神が動き出したようです、面倒です、逃げましょう!
119/119

最終話  神になった人として

どうにか、完結。


まあ、綺麗な終わりでありませんが、でも、これが今の自分にできる精一杯なので。

今まで、根気よくお付き合いいただいた、読者の方へ感謝を。

どうも、ありがとうございました。


ストレイナさんと「オレ」は元気でやっているようだった。


こっちはこっちでサクレーヤとよろしくやっている。光の女神をぶちのめし、人間のオレと魔神の俺に分かれてからの事だった。


「私を貴方の物にしてくれませんか?ストレイナという女性がいるので、遠慮していました。でも、あなたは私が一番欲しいと焦がれた貴方です!力の塊のような、冷徹無比な復讐劇に、無慈悲の権化の様に破壊をまき散らすその姿に、改めて惚れ直しました!」

物凄い勢いで頬を紅潮させながら言ってくるサクレーヤはエロかった。


ただ、言われてる内容が、俺がやったこととはいえ酷かった。


事実なんだけどさ。


事実だからこそ、耳が痛い。おまけに俺の所業のうち、何割かはあのバカ娘のせいでもあるんだけど。親は俺だしなあ。マリーシャめ…


そして、まあ、半年ほどよろしくやっていたら、喰われましたよ。…肉食系女子なんだよね、サクレーヤって。そして、俺は草食系男子なんだよ。どれだけ強い力を持ってても、顔が良くなっても、コミュ力は尽きませんし、女子は苦手なんだよ。


賭けても良い、あっちの俺もきっと押し倒されるかして、喰われてると思う。神をぶちのめしたとはいえ、結局のところ、俺はオタクだし、コミュ障気味なのは変わっていない。ただし、俺は学習熱心なスケベだからな!今では俺の方がサクレーヤをあちらの方でも圧倒できるようになった。何せ、身体能力がバグってるレベルだからなあ。継戦能力だけで言えばこの世界でも最凶だろうさ。無限に発射出来る砲台が付いているようなもんだからなあ。


まあ、子供が一体何人できることやら。おまけに俺ってこちらの世界ではかなりモテるだろうからなあ。


サクレーヤ以外にも求められればやっちまうだろう。


日本に居たころには考えられなかったハーレムの主的な思考に呆れる。


結局のところ、「オレ」は異世界と日本を行き来する道を選んだのだ。無論、超絶イケメンになってしまった顔に関しては認識阻害で、元の日本人顔として認識されるように弄ってあるけど。ストレイナさんの実家のこともあるしな。さすがに俺なんかのために、家族を捨てさせるわけに行かないと、俺達二人は考えたもんだ。だからこその、異世界往復権であるし。オレの方も、寿命が尽きれば、俺の仲間入り。その時は先輩として、色々と指導してやろう。邪神や悪神狩りも楽じゃないしな。


高校を卒業するまでの間は日本と異世界を行ったり来たりだそうだ。


正直、良いとこどりだとは思うが、俺はそれなりに苦労したから許して欲しい。それにほかのメンバーも似たようなもんだ。何せ、こちらでガキを作ってしまったやつらはいっぱいいるし、ハーレムを作り上げた奴だっているんだから。こちらの世界は、魔物を倒せえばいくらでも金がもらえるからな。


おまけに資格は戦闘能力だけと来れば、高校生だってできる職業だ。冒険者なんてのはそんなもんだ。元々が勇者として召喚されたんだから、能力は保障されたようなもの。


その結果が高校生から、一転してハーレムの主である。まあ、人生やら、倫理観やら、価値観やらはぶっ飛んでいるうえに狂っているだろうから現代日本で暮らせば窮屈で仕方が無いだろう。


こちらの世界は自由だからな。命の価値はずいぶんと軽いけれども、どこまでも自己責任という感じが俺は好きだ。生きるのも死ぬのも自分の判断次第。日本ではそんな判断する気かいなんて無かったからな。


最近も、俺はオレと会って話をした。


まあ、俺のことながらろくなことをやっていない。政治家がムカついたので洗脳してこれまで自分がやった悪行全て白状させてしまったり、黒い噂だけが歩いている冤罪被害者の無罪を晴らしたりとやりたい放題だった。


まあ、どれもこれもこいつが絡んでいるとはっきりさせる材料はない。


なんでそんなことをやるのかと聞けば、罪滅ぼしのような娯楽のようなものと答えられた。こちらで俺達はずいぶんと命を踏みにじった。復讐とはいえ、はっきり言って帝国の国民だけは関係なかったはずなのに。俺達はそれでも復讐してしまったしな。


結局のところ復讐してよかったとは思っている。そうでなければ、あれだけの恥辱はそそげなかっただろうし。でも、もう少しやり方があったんじゃないかって気はする。感情任せにして力任せの最低な復讐だった。


最低の奴等に復讐したんだから仕方が無いとはいえ、手段はもう少しあったかもしれない。でも、まあ、反省はしていても後悔はしていない。帝国の国民が調子に乗っていたことは事実だから、酷い目に遭わせてもまあいいかとは思うし。


実際、追い出された古い民達は北方の絶対凍結圏と呼ばれるような極寒の地で生きてきたんだから。今度はそこに神聖帝国の連中やグリディスート帝国の連中などが行く羽目になってしまっても仕方がないことだ。この世界では俺が最終防衛圏となって、勇者召喚の儀式は永遠に破棄してやるつもりだからな。


そうでなければ、俺のような復讐狂いがまた出ても困る。今度は俺自身がそいつと対峙しなければならないから面倒臭いし。下手すれば、意気投合してまたやらかしてしまいそうだからなあ。それぐらいに、俺は復讐という行為にどっぷりつかってしまった。復讐するためならばいかなる悪事にも平気で手を染めることができるようになった。


平和ボケならぬ、悪事ボケとでも言おうか。


悪事をする事や人を傷つけること、人を殺してしまうことに全く躊躇を覚えることができない。だから、俺は自分のわずかに残った良心をかき集めて「オレ」と別れたんだ。


怪物は怪物のまま日本へ戻るべきでないからな。


怪物は怪物らしく、異世界で睨みを利かしていればいい。異世界召喚なんてふざけたことを二度とやらせないためにも、俺がここ居るのだし。第2第3の俺が出てこないことを切に願うよ、本当に。


復讐者が一番手に負えない敵になるからな。


実体験だけに、笑えないんだ。魔神になったことは後悔していない。人を殺し過ぎたことも後味は悪いが後悔はしない。俺は与えられた力をこの世界を守ることに使って行こうと思ってる。


なんだかんだあったけど、それほど悪い気分じゃない。でも、できれば異世界転生というのをやってみたかったんだがなあ。


異世界召喚なんてのはこりごりだ。次の人生があれば、ぜひとも異世界転生でお願いしたい。


前世持ちのチート展開をやってみたいんだなあ。ま、なるようになるか。


これからも、どう生きようか。真剣に考えないとな。







こうして、平凡だったはずの一人の少年は魔神としてその生涯を世界に捧げて終わった。


自分達の欲望のままに、異世界の人間を無理矢理召喚した者達は国ごと滅びることとなった。


結局のところ、我欲と我欲がぶつかり合い、一番強大な【復讐】と意欲を持った男が生き残り、復讐を成し遂げただけの話。


数ある異世界の中で、数ある自業自得な話の一つとして復讐の魔神の話は終わった。


これは、一人の少年が復讐を思い立って、国を滅ぼし、世界の在り方を歪めてしまっただけのありふれた復讐譚だ。


諦めず、忘れず、許すことなく憎しみ抜いた少年の冒険譚でもあった。


その後、彼が守る世界ではただの一度も異世界召喚が行われることも、異世界転移の現象が起こることも無かったという。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ