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捨てられ勇者の異世界ボッチ放浪譚  作者: 雨森 時雨
第4章 女神が動き出したようです、面倒です、逃げましょう!
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第16話 次への一歩

それぞれから、生温かい視線を頂戴した後俺は、これからの予定について考えた。


魔族領にはちゃんと行こう。


当初の目的は、それだけだったのに。どうしてこうなってしまったのだか。

「これからは、俺とストレイナさんは魔族領に行こうと思っているけれど、お前はどうするんだオレ?」

「ああ、俺はのんびりとしようかと思ってる。ちょっとクリムゾニアスとの約束を果たしてくる。」

オレが言った。なるほど、オレと俺は同一存在だからな。どちらが行ってもクリムゾニアスとの約束は果たせるわけだ。しかも、こちらのオレは人間的な考えはなく神の視点で物を考える。つまり、莫大な寿命を基準とした考え方をするので龍神の子であるサクレーヤとの相性は良いはずだ。


現在の俺はざっと考えても1000年は生きないはず。長くてエルフ並みの寿命だろう。4,500年くらいは生きることができそうな感じなんだよな。ステータス的に考えればなあ。


〈種族:人間(超越種)の寿命は500年。〉


脳内にイメージが湧いた。どうも、俺の寿命は500年らしい。まあ、いいや。ストレイナさんよりは長く生きることになりそうだな。老化速度とかも遅いという事は永く若い姿で居られることだろう。


〈種族:人間(超越種)は死する10年前から老化が始まり一気に衰える。〉


どうも、長い間肉体の全盛期を維持できそうでなによりです。その分、衰える時は急速に衰えてしまうのだろうな。10年でよぼよぼになって死ぬんだろうなあ。それはそれで怖い気もするが、まあ、まだまだ400年以上も先の事で今から、悩んでも仕方が無いことだ。


「ユウジ、君はさっきからどうして一人で百面相をしているんだい?」

ストレイナさんから質問された。それほど顔に出ていたのだろうか。

「ああ、俺がどれくらい生きることができるのかを考えていたら500年ほどという回答が出たからな。驚き呆れていたところだよ、自分に。」

俺が言うと、ストレイナさんは驚いていた。彼女は獣王の血を引き継ぐ者だから寿命は長いが200年から300年ほどである。一般的な獣人は150年くらい生きれば相当な長寿だ。この世界での一般的な寿命は人族は60年ほどであり短いものだ。逆に獣人族は寿命も長く、力も強く、光の女神の加護が無ければ、間違いなく獣人族や魔族の奴隷だったろうな。


基本的なスペックが違い過ぎるからな。


そんなことを考えていると、オレが話かけてきた。

「考えることは同じだな。さすが俺。ちなみに魔神の寿命はな、この世から憎しみや負の感情が無くならない限りほぼ永遠だそうだ。」

「さすがは魔神だな。それって死ねないってことだがいいのかオレ?」

さぞかし退屈だろうが、どうやって暇をつぶすのだろうか?

「気にすんな。俺が選んだ道だし、異世界間移動魔法を作って遊ぶ予定だしな。」

その答えに、内海さんが反応する。

「別にいいんじゃないか?悪さをするなら、俺が討伐しなくちゃならんけれども移動して、移動した先の異世界に迷惑をかけないなら歓迎するよ。」

そしてしばらく黙ってから再び言った。

「ああもし、異世界間移動魔法を完成させたら俺に報告ちょうだい?君が悪い奴じゃないって保証神になってやるからさ。そんで、対価として悪さをしている奴を見つけたら討伐してくれよ。いやー、人不足なんだよね。神気取りの転生者がもう、迷惑をかけてくれちゃってねえ。…何個か世界が滅びる寸前なんだよねえ。君みたいな、万能型だと仲間も喜ぶよ。良識在りそうだしさ。」

わあ。俺の半身が異世界間の秩序を守る調停者的なのにスカウトされてる。


「ああ、そういうことだったら協力するよ。どうせ暇だろうしな、永遠に近い寿命なんてのはさ。」

「しかも君のすごいところは不滅に近い点だね。人間が負の感情を持たなくなるなんてことは無いからね。おめでとう、君は不滅の神として働くことになるだろう!」

つまり、ブラック確定だな。死なない神なんて使い減りがしないし、そもそも負の感情でエネルギーを確保しているのだからとてもエコである。環境に優しく強い神。そして、死なない。使う側からすれば、夢にまで見た不滅の社畜。頑張れ、オレ。と、他人事のように考えていると、内海さんはこちらを見て言った。

「人の方の君も、死んだらこちら側だからね?」

にっこりと人好きのする笑顔で言われた。ディアルクネシアの方を見ていると彼女が目をそらした。冥界で保護はしてくれないらしい。

「すいません、俺は異世界間移動魔法に手を出さないので、対象外だと思いますよ?」

「ハハハ、俺。お前だけ逃げるなんてオレが許すはずないだろ?一緒に逝こうぜ?ブラックの果てによ。」

若干よどんだ目で俺を見てくる、オレ。美女顔のせいで雰囲気がやばい。


ま、俺もいまだに美女顔の超絶性別不明系のイケメンのままなんだけれども。そこだけは感謝してるなあ。イケメンになる人生なんて考えたこと無かったからね。なんにせよ見た目は良い方が得なのだ。


「一人で逝っててくれ、オレ。俺が死んだら、どうせ、お前に還元されるだろうからね。結局のところ、俺とオレは同一人物だからな。死んだら、より魂が強い方が主導権握るんじゃないか?」

俺は、神と人に分かれたため存在力の差からそうなるだろうと考えて意見を言った。

「ま、そうなるよな。俺とオレは同一人物だから。二人で一人の神になるってのか?なんか、ヒーローぽくて悪くはないが。」

確かに日曜日の朝にやっていそうな感じだけれども。

「いやー、君達は例外かなぁ?だって、人の部分だけでも唯志君が人間を超えているからね。この世界的に見れば、君は亜神ってところには足を踏み入れてしまっているんだよ。それに、俺の目から見ても、君は500年近く生きれば力を更に増すだろうからね。わざわざ、使えそうな新神を一人になんてしないよ。二人できっちり世のため人のため働いてもらう。大丈夫、ちゃーんと手当とか出るから。現物支給だけれども。」

神様の給料って現物支給なんだぁ。お金があっても仕方が無いと言えば、そうだけれども。いくらでも、儲ける手段はあるからなあ。強いから。


強ささえあれば、どれだけ無茶な冒険だってできるし、世界が変わっても、ここまでの強さがホイホイ居るようなインフレ世界はないだろうし。そんな世界があっても、俺なら限界突破しているから、その世界の法則は適応されないだろうからな。


内海さんに先程、ステータスの事で相談したら言われたのだ。ステータスプレートを見ながら彼は渋い顔をした。これでは、神様からの勧誘を免れる術がないと。余りにもステータスを育て過ぎているし、偉業ではないが、人間種の天敵とまで言われるほどに人を痛めつけていたのが悪かったらしい。


正義の側でないが、悪の側での参戦も悪くはない。


ちなみに邪神として参加する気は無いけれども。魔神もな。だって、変なことをすれば討伐対象にするよ、なんてにこりと笑いながら言われてしまったら抵抗の意志など持ちえなかったよ。


神様ってのは、やはり怖いわ。そして、俺の成した復讐に対する悪印象を拭うためにも死後は神界関係に売り渡すことになりそうだった。だって、善側の神様からすれば、どんな事情があったとはいえ、俺が為したことは人類の大量殺戮であり、一柱の女神を破滅させたことだったからね。


まあ、ちゃーんと罪を償わないとね。刑期はいつまであるのか知らんけれども。不死であり、不滅に近い存在になってしまったからねえ。ま、なるようになればいいか。魔神の俺には劣るだろうけど。


というか、500年ほどあれば、俺とオレの間に断崖絶壁が形成されるだろうけど。間違いなく人になった俺は魔神のオレよりもいろいろと、弱くなってしまうだろうしさ。その時は神界的な場所で、オレ相手に大立ち回りをすればいいか。


レベル差が大きいから、経験値ガッポガッポ稼げるだろう。


そうして、俺は今後の人生を終えた後の事について考え始めるのだった。今から、やることははっきり決まっているから良いんだけどさ。


魔族領へ行って、この大陸を一回りすることが、これからの俺の旅の目的だしな。もう、光の女神は誰にも手出しができないだろうから。だから、俺が戦う必要も無いってことだし。あの女神には俺達を、元の世界に還す力はなさそうだしなあ。


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