第15話 レベルダウン?
うう、ここは?
ああ、そういえば思い出した。クリムゾニアスと酒盛りを始めて、内海さんに何か言われた後に寝込んでいたのだった。そして、魔神部分と、人間部分の俺に別れさせてもらったのだった。
そして、重大な問題を思い出してしまった。ストレイナさんをダンジョンに飛ばしたっきり何も連絡していない。うん。
やばいな、もう。かなり怒っているかもしれない。俺なら、すげえ怒る。とはいえ、ダンジョンに干渉する方法が人間になってしまった俺にあるのかは分からんが。
「なあ、ストレイナさんに連絡したいんだが。俺はまだ、ダンジョンに干渉できるのかな?」
起きてから、すぐ傍にいた「俺」に聞いてみた。
「ああ、心配するな、もう呼んである。ついでに、今までの事も説明済みだ。気が利くだろう?」
俺にしては気が利いている。そして、すぐに立ち去った「俺」。
「ユウジ、ちょっと話をしてもいいか?」
どことなく、断れない雰囲気のストレイナさんがこちらを見ていた。背後にはきっと般若の面が浮かんでいることだろう。なるほど、「俺」もこってりやられたに違いない。それは逃げ出すわな。
「ごめんなさい、復讐に夢中になってて連絡するの忘れた。すまない。」
きっちり、頭を下げる。ここで反省した言葉を言わないと物凄く怒られる。何せ、彼女は俺にも容赦なくものを言える人だし。
「察しが良いな、私が怒っていることも分かっているんだね。」
まあ、これだけ怒気が漏れ出ている人を見て分からないほど鈍いつもりなどない。怒られるのは嫌だが、心配されるのは嬉しいものがある。思い人から、心配されるのはくすぐったいような、申し訳が無いような特別な感慨がある。
Mじゃないからな?
「さすがに神様と喧嘩しますなんて言う訳もいかなかったし、ストレイナさんが殺されるかもしれなかったからね。緊急避難させてもらったよ。そのこと自体は悪いとは思っていないぞ。」
あそこほど安全な場所はないからね。さすがに、神クラスの力をぶつけあう場にストレイナさんを置いておくわけにはいかなかったし。挽肉すら残らないだろう。魂すら消滅しえるような力を振るった覚えがある。今の俺ならすぐにでもくたばっちまうだろう力をだ。
何せ、今の俺は人間に戻っているのだから。
魔神の俺が持っている力の1割程度は保持しているけれども。本来なら、1割でも保持できないほどだったはずなんだが、特例という事なのか?人間族の限界値はかなり低いからな。レベル500が限界で、勇者であっても2000までが成長限界だったはず。さてさて、体から感じられる力はかつてとは比べ物にならないほどに小さくなってしまったけれども。今の俺はどの程度の強さなんだろうな?
「それは分かるけれどね。まあ、闇の女神様が君の戦いぶりをこの大陸中に知らしめてくださったから、私も君の戦いをみることがでたんだけれど…君、もう少し、紳士的にはできなかったかい?」
ふむ、幼女を漏らさせ、その漏らさせた事実を大人形態になった糞女神に教えて、わざわざ怒り狂わせた挙句にぶちのめした様を見られたわけか。日本だったら確実に事件発生的なことをしていたわけだが、ストレイナさんの目には蔑みの色はない。むしろ称賛の色がある、大丈夫かな?
「やり方自体は酷かったが、光の女神のあれほど無様な姿を見ることができる機会はもう二度と来ないだろうからね。何はともあれお疲れ様だ、ユウジ。さて、君はこれからどうするんだい?人間のユウジ・サトウ。」
ストレイナさんが俺に聞いてくる。答える内容は決まっているんだが。
「ストレイナさんとの旅をそのまま続けるだけだ。魔神の俺と、人間の俺は考え方が結構違うからな。」
そう、魔神の俺は大陸中をぶらぶらしたいらしい。それも一人で、だ。光の女神を信仰する勢力があれば駆逐するとも言っていたが、ほとんど残っていないのではないだろうか?まあ、宗教なんて隠れて信仰していればわからないからな。この大陸では信仰者なんて居ない光の女神だが、人間側の大陸にはまだまだ残っているらしい。
神聖国ディヴァイネーティスを半壊させた程度では足りないのだろうか?滅亡はさせていなかったはずだ。まあ、宗教上の邪教にはされてしまったであろう災いは降り注がせたけれども。
「そうなのか?本質的には変わりがないように、私には見えたけれど。」
つまり、俺はいずれにせよ外道であると、ハイ、その通りですけど。
「あっちはほぼ神様で、こっちは生身の人間だ。その証拠に俺のステータスを見せてやるよ。これで、俺がれっきとした人間であると信じてもらえるだろう!」
度々、『ユウジだから仕方が無い。』で済まされてきた身としてはもう、その発言はさせてやらないぞ。
そして、俺は彼女にステータス情報を開示するのだった。ちなみに、自分のステータスを他人に開示するのは夫婦、恋人、家族にするものであり、赤の他人にするのは極めて一般的でないと俺は知らなかった。後に聞いて、動揺するのであった。
「え、あ、う、うん。」
だからこそ、ストレイナさんが俯いて蚊の鳴くような彼女らしくもない小さな声で返事をしたことを不思議に思ったわけだった。
佐藤 唯志:ユウジ サトウ
種族:人間(超越種) 属性:魔、闇、冥、森羅
レベル4494 HP 898856 MP 1123500
筋力 999999 (種族限界) 知力 999999 (種族限界)
耐久 999999(種族限界) 魔力 999999 (種族限界)
敏捷 999999(種族限界) 器用 999999 (種族限界)
魅力 9999 幸運 999999
固有スキル
絶対復讐EX:いかなる障害があろうとも、スキル保持者が憎んだ相手に対して、与えられた損害の49倍の被害を与える復讐が行われる。ありとあらゆる損害を、強制的に相手に支払わせることが可能となる。回避不能、防御不能。
獲得スキル
上級鑑定:物の価値を判別するスキル。作られた背景や来歴までも鑑定可能となった。
攻守強化・極:戦闘時に限り筋力、耐久が10倍になる。
殲滅技巧・極:戦闘に関わる能力が全て5割ほど向上する。HP、MPが常に自動で回復する。10秒につき1%の割合。
絶対再生:魂もしくは肉体の欠片が存在する限り何度でも復活可能。生と死の狭間を繰り返したことにより発生。
慈悲無き分析者:戦闘を行っている時間に比例して敵対勢力の弱点を把握できる力。ステータスプレートの情報を読み取ることが可能となった。
闇夜の支配者:闇魔法を極め、闇夜魔法を使用可能となった証。消費魔力が常に4分の1に低下、行使した際の術の威力が4倍になる。
生死の支配者:自分より格下の相手であれば、生死を自在にできる。生かすも殺すも自在。
女神の愛し子:闇の女神に加護を与えられているものが持つスキル。闇魔法の習熟速度が上がり、光魔法に対して強い抵抗力を持つようになる。
神喰らい:神の力を奪った者である証。神の攻撃や神の力が効きにくくなる。
光への叛逆者:光の女神に反旗を翻した者。闇の女神から寵愛を受けている証でもある。闇夜魔法の威力が2倍に上昇する。
闇夜の勇者・極:亜人族、獣人族、魔族の勇者であることを証明する称号。闇魔法の習得速度が上昇する。人間族への攻撃力が3倍に上昇する。
絶対蹂躙者:敵が上級神以下であれば、即座に殺し方が頭に浮かぶ。自分よりも弱い相手に限られるスキル。だが、敵を倒せば相手の持つすべての知識、技術、経験を吸収する事が可能となる。敵が増えれば増えるほどステータスが上昇する。
至高の塵殺者:敵を葬るためにあらゆるステータスが常時2倍に上昇する。敵対者を葬るために必要な技能を本人のイメージによって発揮できる。
憤怒の修羅:怒ることで戦闘能力を増大させる。感情の高ぶりと共に肉体の限界を迎えるまでは際限なく戦闘に関わる能力が向上する。最大100倍まで。
断罪EX:罪を犯した者を断じるスキル。罪人が相手であれば、必ず相手に勝利できる。その相手が神であろうとも罪を犯しているのであれば例外はない。
同調:魔神である己とあらゆる経験を共有できる。ステータスも共有が可能。
称号
人類種の絶対殺戮者:人間族を心から憎み、大量に殺害しただけではとどまらず、あらゆる手段をもって苦痛を与え、壊した者に贈られる称号。敵が人間族である場合に限り全てのステータスが9倍に上昇する。また、人間族に敵対する存在の多さに比例してステータスが向上する。
壊国者:国を破壊した者に与えられる称号。戦争を行った時に、先頭に立ち軍の指揮を執ることで敵対勢力の狂乱状態を引き起こすことが可能となる。狂乱状態はレベル差に比例して発生する。
神を降した者:光の女神に勝利した証である称号。いかなる存在にも打ち勝つことができるようになった。ただし、自分よりも圧倒的に強い相手には無効である。
超越者:この世界の法則から脱した者。いかなる法則においても逆らうことが可能。
固有魔法
闇夜魔法
闇夜の剣:闇を用いたいかなる攻撃も可能となる。
闇夜の盾:闇を用いたいかなる防御も可能となる。
闇夜の衣:いかなる存在にも変化できる。ただし、自分より格上の存在には変化できない。
闇夜の冠:闇を用いた回復・支援が可能となる。あらゆる闇の支配者となった証でもある。
影渡・極:影から影へと渡る魔法。影がある限りどこまででも移動できる。影の中から、敵を攻撃することや引きずり込むこともできる。闇の上級魔法。
界蝕・極:闇魔法における新たな魔法。ユウジ サトウによる開発魔法。闇魔法上級に該当する。巨大な漆黒の狼を創り出し、魔力の続く限る暴食の限りを尽くす至高の作品。闇の女神に祝福された魔法。
闇夜回廊:闇の力で空間の法則を捻じ曲げて、無理矢理空間と空間をつないで移動するだけの魔法。使い方によって、さまざまな惨劇を起こすことが可能となった。
衆愚・魔獣転生・極:ユウジ サトウによる開発魔法。闇魔法超級に値する。闇龍王の絶大な魔力と風の精霊たちの協力によって発動される強制変化魔法。術者が思い浮かべた姿に、術を行使される対象の姿を強制的に変えることができる。効果範囲は込めた魔力に比例する。今のところ最大の使用面積はグリディスート帝国一帯である。消費魔力が最低限となった。
光魔法
慈愛の杯・極:対象のHPを50%ほど回復する。
薬師の杯・極:対象の状態異常を完全回復する
天裁地罰・極:光による攻撃魔法。広域魔法であり死霊に対しての効果は絶大。
神光の盾・極:光の力を纏った盾を創り出す。闇魔法を激減する。他の魔法であれば、自身の魔力と知力の合計値が相手より勝っている時は完全に無効化する。
回帰の杯・極:喪失部位をも再生させる回復魔法。ユウジ サトウによる開発魔法。上級に相当する。
冥界魔法
死者の門・極:死者が暮らす世界の門を開く。いかなる存在であっても死者であれば招くことが可能となる。逆に、生者を直接叩き込むことも可能となった。
獲得魔法
森羅万象自在の法:自然環境で起こりうることであれば再現できる。ただし、死者の蘇生はできない。天候を操ることまでが限界である。
俺はドヤ顔ができなくなった。
余り弱体化していない気がする。戦闘時に限れば999万のステータスは健在という事ではないだろうか。
「ねえ、ユウジ?君は弱体化してもこれなのかい?」
ストレイナさんから呆れたような視線をよこされた。非常に不本意だが、何も言い返せない。そんな俺達のやり取りを見られているとは知らずにいたので、この後、すごくからかわれることになる。
なにせ、創星神、闇の女神、光の糞女神、紅蓮龍神に魔神に見られていることをすっかり忘れていたのだ。ストレイナさんに嫌われずに済んで、ほっとしていたからこその油断だった。




