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捨てられ勇者の異世界ボッチ放浪譚  作者: 雨森 時雨
第1章 勇者なはずが、ポイ捨てされました…どうしてくれようか?
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第1話:復讐の決意

初投稿です。今まで読むことを専門にしてきましたが、これからは自分でも書いてみようと思います。初心者ですので、あまり上手くないでしょうが、ご笑覧してくれると嬉しいです。


感想などは書いていただけると嬉しいですが、批評はお手柔らかにしていただけると大変ありがたいです。

俺は異世界転生のファンタジーが好きだ。


異世界に転生して、そんなに良くなかった自分の人生をやり直していく。そういう夢のある話が好きだ。誰だってとは限らないが、多くの人は大なり小なりやり直したい過去を持っているだろう。自分の選択と決断は全て間違っていないと言い切る人はほとんどいないはずだ。もし、いたら俺はそいつには近付きたくない。人間らしさが感じられないからだし、共感できる要素が一つもない。


そんなやつとは話をしてもお互いにとって時間の無駄だろう。まあ、こんな奴もいるんだと人間の価値観の幅の広さを知る機会にはなるか。


だが、俺は異世界召喚のファンタジーはそこまで好きではない。勇者として召喚して(勝手に)、現地の人間よりも高スペック(王道だろ?)だから魔王を倒してくれと言う(多くの場合、強制)。召喚された側の意志はどうなるのだろうか。帰りたくても帰れない、家族とも離れ離れ。異世界でたとえ高い評価をもらったとしても、元いた世界では浦島太郎状態になるかもしれないのだ。だから、異世界召喚ものはあまり好きではない。自分の意志で召喚されるのはありだと思うけれど。


個人の意思は無視されていいものではないのだ。少なくとも俺はそう思う。ただ、この考えをオタク仲間に言ったら視野が狭いと叱られたが。まあ、全否定はしないさ。良い作品だってたくさんあるんだから。でも、自分の意志で異世界に召喚される事を選んだならともかくとして、他人の都合で勝手に召喚された上に他人の都合を押し付けられるのは俺ならまっぴらごめんだという話である。そう考えるのは普通ではないのだろうか?


俺は小説の主人公みたくチートスキルを持ったところで魔王の討伐には行かない自信がある。なぜなら、俺には関係が無いからだ。召喚された先の世界の人間が何人死のうが俺の知ったことではない。外国の紛争のニュースと同じで他人事である。可哀想だとは思えるし、大変だなとも思える。でも、どこかで絶対に思っているはずなのだ。


ああ、自分達に関係が無いところでよかった、と。


自分達の家族、友人、親せきなどが巻き込まれていなくて良かったと。心のどこかではそう、思っているはずだ。そうでなければいちいち紛争のニュースや海外のテロの事件を見て、聞いているたびに心を痛めていれば精神がおかしくなるだろう。自分にとって関係のない他人のために心を痛める人は、そう多くないと思う。


それを口にするかしないかは置いておいてだ。


まあ、ほとんどの人は常識的で、良い人なので口にもしないし、思いもしないだろう。深層心理では考えるくらいだろうが。



しかし、俺は違う。自分に正直すぎるのだろう。真っ先にそう考えてしまうのだ。だから、よく人からはろくでなしとか、人でなしとか冷血漢とか好きなように言われている。



違う。俺にだって感情はある。ただ、自分にとって無関係と思える人が心の底からどうでもいいだけだ。だが、それを言うと決まって言われるのだ。


協調性が無い。


コミュニケーション能力が無い。


感情が無い。


まあ、俺を表すのはそんな言葉である。だから、俺は基本的に黙っているし、人と会話することはほとんどない。面倒くさいからだ。別に協調性が無いわけではない。必要性が感じられないから、協調して動かないだけだ。なぜ、嫌いな人間と仲良くしなくてはならないのか?コミュニケーションも同様で、嫌いな人間と会話して何が楽しいのか。ただの時間と酸素と語彙の無駄遣いではないだろうか?


感情はある!


無いわけがないじゃないか。感情があるからこそ、俺は嫌いな人間とは1秒でも一緒にいたくないのだから。感情が無ければ周囲と協調した動きができるはずだ。コミュニケーションだって少なくとも今よりもまともにとれるだろう。多分、機械と会話している感じに近くなるだろうが。


そういう訳で俺はボッチである。自分の考え方を変える気はほとんど無い。そのことも俺が異常とか言われる一因となっているが。


ちなみに二人組を作れと言われたら必ず残っている。


あれだけは勘弁してほしい。授業に参加できないからだ。グループを作る授業もやめて欲しい。俺と参加する生徒なんていないからだ。ああいう授業は拷問である。


そういうときに少しだけ、そう本当に少しだけ、日頃の自分を反省する。でも、結局変えることはできない。俺はそう言う下らない人間だ。別に自分が思うところを隠して、人と付き合えばいいのにと思う。空気を読んで、人に気を遣って面白おかしく生きればいいのにと思う。そうすれば、人間の輪にだって入って行けただろう。


でも、駄目だ。


それをすれば自分が自分でなくなってしまう。


俺が俺でなくなるのは嫌だ、駄目だ、認められない。怖いのだ。確固とした自分というものが無いと落ち着けない。それが俺だ。


だから、俺は嫌われても納得する。


人から好かれなくとも受け入れる。


俺でも、自分みたいな人間とは付き合いたくないし。けれど、それが俺なのだ。どれほど変わっていても、人と関わるのが致命的に下手でも、最低だと言われても俺は俺だ。だから、俺は俺でいることをやめられないし、やめたくもない。



自分自身の在り方について再確認して落ち着いたところで俺は周囲を改めてみる。



ああ、びっくりするほど異世界だ。


非常に不本意だが、俺達は召喚されてしまったようだ。


…異世界に。


俺を召喚した奴に、いつか必ず、復讐してやる。そう、俺は強く心に決めていた。俺の意志を蔑ろにした罪は重い。相手がどれだけ強かろうが、大きかろうが、いつか必ず復讐してやると俺は混乱する周囲をよそに心に決めていた。



やられたらやり返す。目には目を、歯には歯を。俺にとっての至言である。


本当、どうしてくれようか?


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