ときめきメモリマス3(四百文字お題小説)
お借りしたお題は「ブラック」です。
御形薺は、自分がコーヒー牛乳を買わせたせいで、布貝那実雄が昼食を買えなくなったのを知り、愕然とした。
(何なのよ、こいつ! どうしてそこまでしちゃうのよ!?)
薺には那実雄の考えが理解できない。
「どうしたの? お弁当がそれなの?」
クラスのマドンナの蘿蔔綾香が声をかけた。
薺はビクッとした。
「忘れちゃったんだ」
那美雄は綾香を見る事ができず、俯いたままでデコポンを食べている。
「これあげる」
綾香はランチボックスに入ったサンドウィッチを差し出した。
男子達がどよめく。薺は心の中で絶叫した。
「食べきれないから、どれか取って、布貝君」
微笑んで告げる綾香。モジモジしている那実雄に業を煮やした薺は、
「早く選びなさいよ! 綾香が困ってるでしょ!」
那実雄を怒鳴りつけた。
「はい!」
那実雄は慌てて一つ選んだ。
(またブラックな私が出てしまった……)
項垂れる薺である。
まだ続きます。