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Perspective of love ~好きの種類~






「あ、唯。」


「ミア!」


「来てたんだ。」


「うん。

 だってここ、心地良いんだもん。」


「へーえ。天使にでもなってみる?」


「ミア!」


「はいはい。冗談よ、サラ。」





ぶっきらぼうに答える。






「それより、唯。アンタが好きな奴って・・・

 荻原翔だったっけ?」


「そ、そうだけど・・・?」


「よし、確認終了・・・」


「確認?」


「ま、それは・・・あとでのお楽しみ♪」





ウインクしてみせる。





「さ、サラさん・・・今日のミア、変じゃないですか?」


「私もそう思うのよ・・・」






嫌な予感がする・・・



胸のざわめきがすごい。
























予感は当たった。






























ザワザワ




妙に今日は教室がざわついていた。






ガラッと先生が入る音。



それでもざわめきは続く。





「今日は転校生です。」


「填志みあです。よろしく!」


「かっわいぃ~!」


「え・・・」




唯だけが違う声を発した。





「ミア!?」


「こんにちわ、唯ちゃん。」


「ゆ、唯ちゃん!?」


「久しぶりね。

 3年ぶりくらいかしら。」





目の前の彼女は誰?




あの、意地悪な笑みを昨日まで浮かべていた彼女ではないのだろうか。



どちらかというと、"ミア"より"サラ"に近い


雰囲気をかもし出している。





「さ、3年!?昨日・・・・」


「私を本物の天使だって言いたいわけ?

 でも、そんなこと言ったってだれも信じちゃくれないわよ。

 貴方だって、最初は信じなかったんだから。」




ボソッと小さな声でつぶやく。




「なっ・・・」


「唯ちゃん、宜しくね。」






(こっんの・・・小悪魔ーーーーー!!!)





体が震えるほど心で叫んだ。

































「ミア!!」


「なによ。

 そんな大きな声だして・・・皆が驚いてるわよ。」


「それより、何できたの?」


「アンタの好きな男を見定めに来たのよ。」


「見定めにって・・」


「天使の仕事を引き受けたらいつもこうやって姿を出すのよ。

 あんたのクラスにも一度来たんだけど?去年。」


「え?」


「三浦智香子。」


「はぁ!?」






智香子は恋のまじないを教えてくれた張本人。



できないことはないが、やるような人柄ではない。






「なんで?」


「なんでって・・好きな男がいるからでしょ?」


「そりゃそうだけど・・・」


「ま。失恋しちゃったけどね。」


「そうなの?」


「えぇ。

 あんたと同じ人を好きになってね。」



(え・・・?)




「知らなかったとは・・ご愁傷様。

 でも、失恋。」


「失恋って・・・」


「ちなみに・・・あんたも失恋するかもしれないけど。

 いい?」


「・・・失恋なんてしたくない。」


「じゃ、諦めるの?

 別にいいけどね。その程度の恋だったなら。」


「その程度って・・!

 だって、失恋確定じゃない。

 彼には恋人いるのよ?」


「ふーん。

 言っとくけど恋人なんて情報、入ってないから。」


「え?」


「デマじゃない?デマ。」


「デマって・・・本当に?」


「信じたくないならいいけど。」





軽くあしらう。






ミアはニコニコしながらいつもの口調だ。


理由は、ここが教室だから。






「・・・」


「どうするの?」


「・・・わかった。

 この恋、頑張ってみる。」


「よく言ったわね。

 だったら、私も頑張るわよ。」


「うん。ありがと。

 でも、私あなたが転校してきたなんて、知らなかった。」


「だって、名前も容姿も違うもの。 

 天使はいろんな顔に変えられるの。」


「変えられるって・・・」


「去年転校してった坂月しげる。これが私よ。」


「えぇ!?アレ?」


「そう。」




それは、ミアの美しい容貌とは全然違う。




「あの、ブスって言われてた?」


「そーよ。私いつも、ああいう感じなの。

 目立つのが嫌いだしね。」


「じゃあ、今回は?」


「私がどれだけモテるか体験してみたくて。」


「体験って・・・」


「冗談よ、冗談。

 変装が面倒だっただけ。」


「あっそ・・・」






呆れ半分に小さな笑みを送った。









なんと・・・転校とな?

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