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Tear ~キューピット~




「荻原翔の恋愛成就の可能性は・・・・・」




「可能性は?」
















































「100%よ。」


「100%?」





嬉しいはずなのに、胸がとても痛んで・・・


今はまだ、素直に喜べそうに無い。



さっきまで、あれほどえらそうなことを言っていたのに。






「みの・・・りちゃんは、荻原君のことを好きになるってこと?」


「好きになるっていうか・・・もう、すきなのよ。」


「でも、みのりちゃんが好きなのは、荻原君のお兄さんでしょ?」


「あんた、何を聞いてたの?」


「え?」


「木原みのりに初対面したとき、好きな人は貴方と同じ高校に通ってる。

 って言ったのよ?

 あんたは、高校3年生。これ以上、上に学年がある?」


「あ・・・」


「そう。

 3年生の兄貴が高校に通っているわけないでしょ。

 留年じゃあるまいし。」


「・・・そうだね。」


「つまり、最初から木原みのりは荻原翔を好きなのよ。」





ほっとしたのに、やりきれない、この気持ち。





「ま、あんたもあの男が好きだったのに・・・

 たいした器の持ち主だよ、唯。」


「ミア・・・」


「泣きたいなら泣けば?」


「べ、別に泣きたくないわよ。」


「強がり。」


「ミアに言われたくない・・・」








(でもね・・・ミア。

 私、ミアの背中によしかからせてもらったら・・・・

 なんだが安心して、涙が出ちゃったの。

 気づいて、ないよね?)





かすかに震える。




背中越しに伝わる唯の息遣い。




息遣いですぐにわかる。



泣いているということが。









「唯さん。さっき届きましたよ。

 荻原翔さんから。」


「ほんと・・・?」


「えぇ。ちゃんと・・・

 唯さんは、2人のキューピットになったのよ。」





サラの声を聞くと、安心したかのように眠り込んだ。





























































「翔!」


「わり、待たせた。」


「大丈夫!」




2人はその後、付き合い始めた。



(なんとも無いのが不思議でたまらない。)




眠り込んだあと、唯はすぐに目を覚ました。



*****



「唯、元気で。」


「うん。」


「じゃね。」


「バイバイ・・」




人間界まで送ってくれた彼女はそのまま傘をもって上まで上ってしまった。



すなわち、もう、上に行くことはない。





*******





「もう、あえないんだよね。」


「ゆーちゃん!行こう?」


「駅前に美味しいクレープ屋ができたんだ。

 行かない?」


「行く!

 ちーちゃんてば、そういうのに詳しいよね。」


「情報網を甘く見ないでよね~。」


「・・・ごめん、私パス。」


「え?」


「ほんとごめん!

 明日は一緒に行くから。」


「・・・わかったよ!」



























































「唯さんが居ないと、さびしいわね。ミア。」


「うるさかったからね。

 天使界はこれくらいがちょうどいいのよ。」


「強がって。」


「強がってない。」


「泣きそうになってるわよ。」


「え?」


「うそ。」


「サラ~?」


「寂しいなら寂しいって言えばいいのに。」


「そんなことないわよ!」





ピーピー




「ラブレター受信?」


「うん。」




駆け足でポストまで行く。





ゴンッ




「いった~い。」


「え・・・?」














































「唯!!」


「ミア!サラさん!」


「何で?」


「・・来ちゃった。」


「来ちゃったって・・・なんで・・・」


「だって、寂しくて。

 一人でいると、絶対2人のこと考えちゃうんだもん。

 何時の間にか、私の中でミアやサラさんの存在が大きくて・・・

 ねぇ、2人のことを私は親友だって思っていいのかな?」


「もちろん・・」


「良いに決まってるでしょ!」


「ミア、泣きそうになってる。」


「唯だって。」


「あのね、ミア・・・私に諦めろって言ったのは・・・

 ミアの優しさでしょ?

 見込みがないって・・・わかってたんだね。」


「唯・・・」


「ありがとう。

 そして、ごめんね。」


「いや、私も散々酷いこといったから・・・」


「じゃ、お互い様だね!」










同時に笑う。





最後は、この間まで唯が使っていたあの傘をもう一度・・・




手渡した。
















-END-




ちょっと、変な終わり方でしたが・・・


一応完結させていただきました!







いや~・・・


オリジナルってホント、難しいですね。





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