Relationship ～ハンカチ～
なんとなくだけど・・・
ミアが唯に諦めろと言ったわけがわかるような気がしていた。
ただ、それが何なのか、まではわからない。
はたまた、わかろうとしてないのか・・・。
「・・・東野！」
「え、荻原君!?」
「あ、ごめん。驚かせちゃった？」
「ううん！
それより、どうかした？」
「あ・・・みのりがさ、この間借りたハンカチを返してくれって。
本当は直接お礼が言いたかったみたいなんだけど。」
（やっぱ、いい子なんだな・・・）
「荻原君と、みのりちゃんって・・付き合ってるの？」
「・・・はぁ？」
「え？ち、違うの？」
「付き合ってはいねぇよ。」
「そうなの！？」
自然と顔が緩む。
「あぁ・・・違うよ。」
「荻原君？」
悲しそうな横顔だった。
「荻原君、ちょっと屋上に行かない？」
「え？」
ヒュウッと冷たい風が肌をさすように当ててくる
「荻原君、みのりちゃんが好きなの？」
「す、好きじゃ・・・」
「素直に言って。」
「・・・俺がすきでも、あっちがどうだか・・・」
「どういうこと？」
「あいつには、好きなやつがいるんだ。」
「え？」
「俺の兄貴。」
（兄貴？）
一旦、落ち着こう。
さっきまで唯は、お互い両思いなのだと思っていた。
しかし、現実は違った？
（ここまでのイケメンも・・・恋は成就できないんだ・・・）
「なっさけねぇ・・・」
「荻原君・・・」
「はぁ・・・」
傍からみたら、自分もこんなんだろうか。
相手を好きでも、何もできない無力な自分に
苛立ちもあり、情けない気持ちもあって。
ごちゃごちゃする。
「荻原君。」
「ん？」
「この手紙と、シール・・・あげる。」
「これで告れって？」
「ううん。
キューピットエンジェルさまに手紙よ。」
「きゅーぴっと？」
「そう。
その思いが本物なら、絶対に叶うよ。」
「あのなぁ、この科学社会にエンジェルって・・・」
「私もね、この間までそう思ってたの。
だけど・・・彼女が教えてくれた。
この世には、信じられないものが沢山あるって！」
「東野・・・」
「いーい？約束よ！
絶対書いてよね。そして・・・幸せになっちゃえ！」
「一応、サンキューな。」
「うん！」
さわやかに微笑んで屋上を去っていった。
暖かいしずくが頬を伝う。
あごまで流れる頃には、風と同じくらい冷たくなっている
「やば・・・こんなに辛い何て、ね。」
バッカみたい。
「何で、応援しちゃったかな・・・
もしかしたら、絶好のチャンスだったかもしれないのに。」
このチャンスを逃さなかったら
自分の恋は実ったかもしれない。
でも、そんなんで手に入れた幸せは・・・
嬉しくない。
みなさま・・・
新しい年度になりましたね。
今日はエイプリルフール!!
沢山嘘ついて、嘘ついて・・・・
あ、でもつきすぎは良くないですよ!!
さぁ、次回は～!?
唯の恋の行方は!!
