Terrible ~信じられない~
雨の日
仲良く一つの傘で帰っていく2人。
あの後、どこに行ったんだろう。
考えるのは、そればかり。
「・・・さん。唯さんっ」
「え?あ・・・サラさん・・・」
「体調でも悪いの?ボーっとしちゃって・・・」
「い、いえ・・・ちょっと。」
「どーせ、荻原翔のことでも考えてたんでしょ?」
「・・っそ、そうよ!悪い?」
「悪かあないけどね。
でも、今のうちに諦めておいたほうがいいんじゃない?」
「は?」
「実らない恋を追いかけるなんて無謀だから。」
「ミア、そんな言い方はないわ。
唯さんだって、一生懸命なのよ。」
「一生懸命努力したって無駄なのは無駄なの。」
「彼が私のこと好きになるのは0%なの?」
「・・いや、今のとこはっきりしてないわよ。」
「だったら・・だったら、なんでそんなこと言うの!?
もしかしたら、見込みがあるかもしれないじゃない。
ミアがそんな風に言うなんて・・・
酷いよ!」
「・・・酷いか。
そりゃ、私の半分は悪魔で染まってるからね。
どうせ、サラみたいに綺麗な心なんて、持ってないわよ。」
「そうねっ!
サラさんみたいな人が人の恋愛を成就させるべきだわ。
ミアみたいに、汚れた天使に・・・お願いなんかしたくないもの!
次の神様のお嫁さん候補だって、サラさんがなればいいのよ!!」
「・・唯、なんで女神候補のこと・・知ってんの?」
「あ・・・」
口が滑ってしまった。
実は、ミアの両親の話しともう一つ。
女神候補の話をしていた。
今の神の息子・・・との縁談だった。
天使が女神になるのは、長年の夢。
そのため、一番に成績の良いものがしぼられ、
数人の候補者ができあがる。
しかし、サラは選ばれなかった。
「サラ・・・か。」
「ごめんなさい。
私、唯さんには隠し事をしたくなかったの。」
「別に。謝んないでよ。
そうよね。唯の言うとおりだわ。
私なんかより、サラのほうがずっと、良いわよね。」
「あ・・・ミア、ごめん・・・その、あのね・・」
「うるさい・・・。
黙ってろ、人間。」
「人間って・・・」
「所詮、あんたも人間だったのよね。
私としたことが・・・人間と仲良くなろうとしてたなんて・・・」
「わ、私はミアのこと友達だと──────」
「・・私みたいな汚れた天使は嫌なんでしょ?
無理に友達になんてならなくていいわよ。
ま、最初から天使と人間に友情なんてないけどね。
人間は天使よりランクが下なのだから。」
「ミア!!」
去っていくミアを追いかけることもできない。
「どうしよ・・・サラさん。
私、ミアにとんでもないこと言っちゃった。」
「・・・ほんと。やっちゃったわね。」
「ミア・・・」
変なところで亀裂です・・・。