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勇者オーデェーン

作者: ばんごはん

書きなぐり、試作品でございます。

「おでんよ」

「は?」

「だからおでん」

 くすくすくす、彼に対して笑みを浮かべる。理解できないでしょうね。わざと大雑把な説明にしているからね。


「とりあえずあちらで死んでしまった私をこちらの世界で転生させていただけるということは理解しました。勇者の真似事をやれといわれたことも。」

 あらあら、折角その手の事に抵抗がないらしい中学二年生とやらを選んで連れてきたのに意外と理性的ね?


「その勇者になるための力におでんを与えるといわれても困るのですが」

「ごめんなさいね、説明不足だったわ。あなたの右腕に宿った力は触れたものすべてをおでんに変えることが出来るの」

「……それどこかの王様にかけられた呪いと同じ系統のものですよね?触れたものすべてが黄金になるという」

「大丈夫よ。黄金は食べられないけれどおでんは食べられるから!」

 なによ、その残念なものを見る目は。美の女神を馬鹿にしてるわね。


「こちらの世界では魔物の跳梁跋扈に食糧難も発生しているの。あなたが殴るだけで魔物は消え、食料へと変わる。ビバ!おでん!」

 うわっ、目の光が消えた!これがうわさに聞くレイプ目とかいうやつね!正気は保っているかしら?


「魔物が消えるのはいいのですけど手で触れたくないようなものはどうするんです。ゲームでいうところの精霊とか幽霊とか毒の塊のようなやつは?持っただけでどんな名剣もおでんになりそうな」

「もちろん考えてあるわ!これをお使いなさい!」

「……串おでん……」

「なんでもおでんになるのだから、最初からおでんなら問題ないじゃなーい!」

「うわ殴りたい……右手で……」

「無駄よ、その力は私とあなた自身とおでんには効力を発揮しないの」

 これ以上の説明は面倒くさくなってきたわ。さっさと送ってしまいましょう。


「さあ、勇者オーデーンよ。かの地の邪悪を清め世界を救いなさい」(ていっ)

「なんだ、その名前は―――!!!」

 適当にうっちゃりを仕掛けけたら面白いぐらいの勢いで勇者は大地めがけて飛んでいった。

 あ、着地に失敗してやんの。ふふふ、目が覚めたら驚くでしょうね、目の前の湖がおでんの湖に変わっちゃっているから。


 私の美の女神。

 本来、救世とか魔物退治とか食料対策とかはもっと地味な大地の女神とかが担当することだけど今回は例外。なぜなら、


 最近おでんにはまっちゃって。


 3食おでんにしたらダイエット効果もあって美しさも女神力にもますます磨きがかかってきたわ。他の女神達にも薦めたら大好評。今では美 食 の女神と呼ばれるぐらいよ。

 でもさすがにおでんを作るのが面倒くさくなってきた。女神としての力をおでん作成に使うと最高神が怒ってくるし。

 神として人間達に作らせるという手はある。とはいえ日々の糧にすら困るこの地の住民には期待はできない。

 そこで思いついたのがこの手。人間を助けると言う大義名分があれば女神の力を使うことが出来るからだ。人間は助かり、神々はおでんにありつけ、ことによったらご当地グルメな変わりおでんとかも期待できるかも。


「さあ勇者オーデーンよ、世界を助けるのよ!(おもに私を)」



 世界は救われた。確かに私の思惑通り世界はおでんに満たされた。



 あの勇者野郎がおでんに餃子やシュウマイを入れるような外道でさえなければ!はんぺんと牛筋を抜くんじゃないわよ!カレーおでんもやめてぇぇぇ!!

私、猫舌なのでおでんはそう好きじゃなかったり……

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