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1話の5

写真

「戻りました。」


先ほど取材にいったばかりの阿久津が戻ってきたがいつも笑顔の阿久津が暗い顔をしているので、社内に居た人間に衝撃が走る。

よっぽど何かやらかして墨田に怒られたのか?!

どよめきが走る社内の気配を察知した社長も戻ってきた阿久津に声をかける。


「阿久津おつかれ報告を」


「はい。」


阿久津は呼ばれ駆け足で社長の元にいく。

社長の前にたち阿久津は暗い顔をしたまま少し震えていた。


「どうかしたのか?」


少しの沈黙が流れた。

阿久津は決意した顔をして真っすぐ社長を見つめた。


「別室で今まで僕が撮った写真を見てほしいです。」


「え?・・わかった行こう。」


社長は阿久津の気迫に押され墨田に渡された写真の束と対談室で阿久津に広げて見せられた写真の束をもって立ち上がり、阿久津は自分の席に戻りこれまた写真の束を持って二人はまた対談室のほうへと入っていく。

二週間であれだけの写真を撮れるのは凄いなとちょっと感動できる量である。




「それで写真がどうした?」


対談室では二人向かい合って座り阿久津は黙って見せたい写真を探す。


「これです。」


「これが?どうした?」


阿久津から渡された写真はりんごをもった笑顔の女性の写真だった。

ピントも合って綺麗に撮れて、写真を撮る技術ならこの会社で一番じゃないかと思えるが、使えない写真ばかりだからなと少し残念に思う。


「・・・事故で運ばれて行った人がこの人だったんです。この特徴的な腕輪が一緒なので間違いないです。」


「ん?この人が運ばれて行ったのを見たのか」


「はい」


阿久津に言われた通り社長はもう一度写真をみる。

りんごを持ってる腕には綺麗な作りのブレスレットをつけている。

どこにでも売っているようなものではないように見えるしデザインが凝っているので、近場で同じブレスレットを何人もつけているともあんまり考えられないので阿久津が言っていることに間違いはなさそうだ。

阿久津はまだ写真の束から見せるための写真をぱらぱら捲って探す。


「この写真は確認がとれたら使え」


「あと、これ、とっこれもこれに・・・」


テーブルの上に写真を阿久津が並べていく。


どこで区切ればいいのかわからないなー

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