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1話

りんご

ビルの中のとある一室


沢山の机が並びその上には大量の書類やファイルが散乱、通路には横になっている人もいる。

大丈夫だ生きている。

この、とある一室では当たり前の風景だから気にすることなんてない。


「社長!またあいつが高いカメラ持ち出して取材という名の散歩にいきました!!」


社長と呼ばれた男は部下らしき男に詰め寄られ苦笑いを浮かべる


「あいつ専用のカメラを渡してるのに、高いカメラばかり持ち出して、取材と言いながら取ってくる写真はこれです!見てくださいよ!!」


部下らしき男は大量の写真を社長に渡す。


「こんなのその辺りにあるなんでもない写真ばっかり!最初は学歴とか職歴も書いてない奴入ってきて、でもそんなの関係ないぐらい凄いやつなんだと思ってましたけど、あれはただのアホですよ!この二週間あいつこんな写真撮りながら散歩して昨日なんて三時間公園のベンチで寝てたらしいですし、その前なんて知らない子供たちと公園でかくれんぼしてたって話も!あ!あと、」


「わ、わかった。色々他のやつにも聞いてるから・・・、どうにかしとく」


社長は渡された写真を見ながら部下らしき男の言葉を遮る。


「すみません、我を乱しました。仕事に戻ります。早くあのア、、阿久津の対応お願いします。」


部下らしき男は深呼吸し息を整え社長に一礼し自分の席へと戻っていく。

社長はそんな部下らしき男に軽く会釈で返し大量の写真をパラパラ見ていく。

道端に落ちている葉っぱ、青い空、公園のベンチ、滑り台、ブランコ、よくわからない掘られている穴、色んな角度から撮られたりんご、りんご、りんご、りんごを笑顔で持ってる人が何人か、社長は現実逃避をしたくなり目をつぶる。


「バイトでもいれなければよかった・・・」


肩を落とし落胆する社長の耳に、その元凶となる声が聞こえてきた。


「戻りましたー!」


声の方に目を向けた社長はため息をつく。

よれよれのスーツに寝ぐせがついたままの髪、所々に葉っぱや泥をつけた顔にも泥をつけた人間が目をきらきら輝かせ入り口に立っていた。

変なとこあったら教えて

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