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門兵ですが、そこそこできます  作者: 勢崎カスリ


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8/10

間者看破(2)

 「・・・」

 「何かいる?」

 「はい、何かいますね。」

 「へ〜、わかるのか?」

 「センパイも?」

 お互い顔を見合わせ、頷き合う。気配を感じる方向に視線を向けて、目を凝らす。気配から、相手は4人。徐々に気配が近づく。しかし、姿は見えない。

 (インビジブル、使っていますね。)

 (な、なんだ?)

 (念話です、センパイ。)

 (んなこたぁ、わかってる。お前、念話も使えるのか?)

 (はい、でも、このことは内密にお願いしたいです。)

 (わかったけど、こいつは驚いた。)

 (近づいてきますね。)

 (あぁ、たぶん、こっちが門兵だと知ってて余裕かまして来てるんだろうよ。)

 (ですね、一旦切りますね。)

 (おっ、おぅ。)

 そしてハルはアンチ・インビジブルを発動させ、アンチ結界も張った。

 (マジか、コイツ!)

 「⁉︎」

 4人の姿が現れた。

 「こんばんわ、こんな時間にこんなところで何をされているのですか?しかも4人で。」

 「・・・・」

 「こんな時間に困りますねぇ。できれば、お帰り願いたいのですが、ダメですか?」

 と言われて

 “わかりました、帰ります。“

 となるわけがなく、“所詮は門兵“、と見下して、攻撃を仕掛けてきた。相手は4人、こちらは2人。1対2で数的には不利であるが、それはあくまでも数的に、である。ハルとフィオレッティにとって、数は問題ではない。あっという間に決した。

 「さて、どうしたもんかねぇ。」

 「えっと、兵団に渡すのでは?」

 「このまま何もせずに、か?」

 「何を?」

 「どうせなら、目的、聞きたくねぇか?」

 「それは、そうですけど・・・」

 と言って、フィオレッティは、親玉と思しき人物を起こして、目を見つめた。

 (魅了?)

 「ヨォ、相棒、俺たちって、ここに何をしに来たんだっけかなぁ?」

 「なんだ、相棒、忘れちまったのか?ここにはなぁ、・・・。」

 その人物は、目的をペラペラと話し出した。

 「そうだったなぁ、すまん、忘れちまって。忘れついでに、誰に会うんだっけ、俺たち。」

 「そりゃ、相棒。・・・。」

 「そうだそうだ。あいつだったなぁ。で、誰の依頼だっけ?」

 「依頼はさぁ、・・・。」

 「そうだったな、ありがとうよ。」

 フィオレッティは手刀で、その人物を再度伸した。

 (ここまで強力な“魅了“は見たことがない。この者たちにも、“対魅了“が施されていたのに、ものともしていない。スゴすぎる。)

 「なるほどね、もう、そこまで行ってるのかよ。こんな情報、このまま兵団に渡しても、こっちには降りてこねぇな。」

 「センパイ。」

 「何だ?」

 「念の為。」

 と言って、ハルは、他の男たちも含めて、フィオレッティの使った“魅了“の痕跡を消し去った。

 「お前、そんなことまでできるのかよ。」

 「センパイ、一人で背負おうとしましたよね?」

 「なっ。そんなことまで。」

 「いや、それは誰だってわかりますって、この状況なら。」

 「ふ〜、敵に回したくないねぇ〜。」

 「お互いさま、ですよ、センパイ。」

 「はいはい。」

 と言っている時に、兵団が到着した。勝負が決した際、フィオレッティが呼笛を使って兵団に知らせていた。

 「不審者4名、確かに預かりました。」

 「ご苦労様。我々は引き続き見回りに入ります。」

 「よろしくお願いします。それと、このことは内密に。では。」

 「内密、ねぇ。」

  

 「ふわぁ〜?何かあったのか?何で兵団の連中が?」

 「なに、陣中見舞いさ。」

 「へ〜、珍しいねぇ。で、何持ってきた?」

 「何も持って来てねぇ〜よ。」

 「なんだ、しけてんねぇ〜。」

 休憩小屋にいた他のメンバーが小屋から出てきた。彼らには、間者の気配を察知した際に、相手に気づかれないように結界に入ってもらっていた。

 「にしても、ハル、お前ってスゲェ〜なぁ〜。」

 「センパイほどでも。」

  

 (ロッドウェル先生、話以上ですよ、このハルってやつは。)

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