表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
門兵ですが、そこそこできます  作者: 勢崎カスリ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/10

門兵の仕事(2)

 そもそも、門兵の仕事は、3交代制である。

   早番:朝5時〜昼2時

   中番:昼1時〜夜10時

   遅番:夜9時〜6時

 労働時間は8時間、休憩1時間で拘束時間は9時間になる。7名で1チーム、早番→中番→遅番でローテーションを組んでいる。6日勤務、1日休暇が基本だが、遅番→早番の時だけ、時差調整のため、2日休暇が入る。

 ちなみに、王都の門は、2種類ある。一般の民が出入りする“一般門“と呼ばれる門。この門は、北門と南門の2ヶ所ある。そして、商人が出入りする“商門“と呼ばれる門。この門も北門と南門の2ヶ所ある。“一般門“と“商門“は少し離れて設置されていて、それぞれで、“入都者(王都に入る者)“と“出都者(王都から出ていく者)“をチェックしている。

 早番の時は、それぞれの門を朝6時に開けて、出入りのチェックを開始する。中番の時は、夜7時で出入りのチェックを終了し、それぞれの門を閉める。その日1日の出入りを早番の分と合わせて集計し、管理部署に報告する。そして、遅番の時は、王都の周りを囲っている壁“都壁(とへき)“にそって、巡回し、巡回報告をまとめて、同じく管理部門に報告する。門兵による“出入りチェック“は、昼夜を問わず行われている。


 今日もハルは、中番で“商門“での“出都者チェック“を行なっている。

 「あれ、ミーシャさん。こんにちわ。お出かけですか?」

 「やぁ、ハル。カスリアルトまで“前塩まえじお“の買い付けにな。」

 「カスリアルトですか。遠いですね。そういえば、お仕事、慣れましたか?」

 と話しながら、“出都“に必要な書類を受け取り、目を通す。

 「あぁ、だいぶ慣れてきたよ。ほんと、ハルには、いい仕事を紹介してもらったよ、ありがとうな。それにしても、あの先生様、だいぶ変わっているな?腕の方は確かなようなんだけどさ・・・。」

 「大変そうですね。」

 「私は楽しくやっているがな。まぁ、私より、“お嬢“の方が大変だと思うぞ?」

 「ヒナミですか?いやぁ、彼女も彼女なりに楽しんでいるんじゃないですかねぇ。」

 「そうかぁ?まぁ、そうかもしれんね。」

 ミーシャは、お嬢ことヒナミの日々の行動を思い返し、“クスリ“と笑った。

 「はい、書類の方は問題ないですね。では、道中お気をつけて。」

 「あぁ、ありがとうな。じゃ、行ってくるわ。」

 ヒナミというのは、ハルと同郷、ラベンドアール辺境伯領での幼馴染で、一緒に“天啓の儀“を受けている。以前、ヒナミから仕事が忙しいだの、大変だのと聞いていたので、それなら、ということで、あることがきっかけで知り合った、“一画“を根城にしていたミーシャを紹介したところ、ヒナミと“先生様“ことフリージア薬士に気に入られ、フリージア薬士が営む薬店で働くことになったのである。多少、出自が怪しかったが、幸いにも錬金の術があったのが良かったらしい。ヒナミはミーシャから“お嬢“呼ばわりされるのに抵抗があるらしいが、ミーシャはそこも楽しんでいるようで、ヒナミのことは気にせず“お嬢“と読んでいるらしい。それに乗っかったのか、フリージア薬士も“お嬢”と呼ぶようになったとか。ヒナミはいつの間にか、お客からも“お嬢“と呼ばれ、看板娘になったようで、薬店も繁盛しているようだった。

 「良かったね、ヒナミ。ミーシャさん。」

 ミーシャの後ろ姿を見送りながら、そう呟く。それに気付いたのかどうかは定かではないが、ミーシャが右腕を上げた。

 「さぁ、仕事、仕事っと。はい、次の方、お待たせしました。どちらに・・・」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ