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門兵ですが、そこそこできます  作者: 勢崎カスリ


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門兵の仕事(1)

“天啓の儀”“から、魔術師としての手解きが続いた。領立学園卒業までは毎日。王立学園時は帰省時。その内容は、攻撃魔法、防御魔法、支援魔法、強化魔法、回復魔法、隠密系魔法、精神系魔法と多岐に渡った。特に、回復魔法と隠密系魔法に力が注がれ、隠密系魔法に至っては、“アンチ“という阻害系も取得、ものによっては、自ら開発も行った。さらに、本来であればLv50以上にならなければできないはずの無詠唱発動を、ハルはLv10時点で可能にしていた。現在ハルは、Lv40。

  

 あれから13年。ハルは今、パンズール王国兵団直属の門兵として働いている。職業は“魔術師“ではあるが、自ら門兵を希望し、門兵として働いている。門兵の仕事は、王都への出入りチェックが主になる。目的は、人と物、誰が入って、誰が出ていくのか、何が入ってきて、何が出ていくのか、これを日々チェックすること。今日は、“商門“での“出都者チェック“を担当している。ちなみに、門兵でLv50越えは、いない。


 「はい、グリドーさん、今回は、ロゼアルトへ鉱石の買い出しですね。お気をつけていってらっしゃい。」

  

 「え〜と、ハイシェさんはっと、野菜の卸で昨日来都されたんですよね、はい、確認できました。お気をつけてお帰りください。」


そして、不審者や不審物を取り押さえること、これも門兵の仕事である。


 (???)

 背後に不穏な気配を感じたハルは、密かに術を飛ばした。

 「・・・」

 「ちょっと、そこのあなた。ダメですよ、順番飛ばしては。みんなちゃんと並んで待っているんですから。罰として、一番最後に並んでください。」

 突然姿が現れたその人物は、別の門兵から注意を受け、渋々最後尾に並び直した。ただ、その人物は、隙を見ては“インビジブル(透明化)“を試みていたようだが、術が発動しないことに焦りを感じているようだ。

 “おかしい、発動しない“


 そうこうしているうちに、確認の順番になった。先ほど注意をした門兵が応対する。

 「えぇっと、お名前は?」

 「・・・」

 「あの〜、お名前、教えてもらえます?」

 「・・・」

 「あなた、王都民の方ではないですよね?いつ、王都に?」

 「・・・」

 記録がないのは当然である。王都に入った時も、“インビジブル“を使って、不法に入ったのだから。

 「申し訳ないですが、このままあなたを王都から出すわけにはいきませんね。決まりなもので。」

 実は、この人物。門兵からの質問を受けている間、何度も精神系魔法を発動させようとしていたのだが、ことごとく発動しなかったのである。何が起きているのか訳もわからず、結果的に、“不法者“として、捕えられたのだった。


 発動しなかった理由。それは、ハルが、この人物に気付いてから、“アンチ結界“を展開していたからである。

 このアンチ結界、ハルを中心に半径200mほどの範囲にしか張れないため、ハルが当番の時にしか使えないのが玉に瑕。さらに、当番の度に実施していると、結界の存在がバレてしまう可能性もあるので、使うタイミングは考えている。“害の有無“も感じ取れるため、“害なし“と感じた時には、見逃すことにしている。今回は、明らかに“害あり“と感じたため、結界を展開した。

  

 パンズール王国には、特定の居住地を持たない、いわゆる“家なし“と呼ばれるものも多数いる。しかし、王国の方針で、そういった者も王国の管理下に置くべく、区画を用意して、そこに住まわせている。“一画“と呼ばれる区画である。そして、その“一画“に対しては、王国兵士団が定期的に見回りを行い、出入りをチェック、門兵と共有している。これは、過去に発生した“とある事件“をきっかけとして、先代の女王が定めた決まりである。そのため、事情を門兵に説明すれば、“入都“が可能であり、王国兵士団によって、“一画“に案内され、そこに住むことが可能なのである。このことは、広く各国に周知されているので、今回の人物のようなことがあれば、即“不法者“と特定できるのである。

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