表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
門兵ですが、そこそこできます  作者: 勢崎カスリ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/10

天啓の儀

パンズール王国では、5歳になる年の最初の日に、名付けの教会にて“天啓“として職業と属性が授けられる“天啓の儀“が行われる。そして、その“天啓の儀“が今日なのである。

 「ハルくん、いよいよね。」

 「うん、僕も剣士になれるかなぁ。」

 「そうだなぁ、俺やフィレスが剣士だから、ハルもきっと剣士になれるよ。」

 「うん、お姉ちゃんと同じがいい。」

 「大丈夫、きっと私と同じよ。」

 教会には、ハルを含めて、10人の子供が集まっていた。一人ずつ名前が呼ばれ、壇上に上がる。壇上には、司教がいて、司教の前で片膝をついて、顔の前で両手を組み、祈りを捧げる。司教が詔を唱え、子供の頭に手をかざすと、その手が輝き、“天啓“が降る。“天啓“を司教が代弁することで、その子供の属性と職業が知らされる。

 いよいよハルの名前が呼ばれた。他の子供と同じように、壇上に上がり、司教の前で祈りを捧げる。そして、“天啓“が降る。

 果たして、ハルに降された“天啓“は、

   職業:魔術師

   属性:闇、雷

であった。

 職業が“魔術師“だったことは、ハルにとっては、“母と同じ職業“ということで、“よかった“という感想。しかし、属性については、少し違った。属性については、父や母、姉からも、「絶対に避けたいよね」と言われていたものだったのだ。でも、なぜかハルは、“イヤ“という思いはなく、むしろ“嬉しい“という感情があった。この世界において、“ハズレ属性“と言われる属性であるにも関わらず、だ。理由はわからないが、嬉しかったのだ。儀式が終わり、家族で家路につく時、

 「まさか、闇と雷、とはなぁ。属性が2つというのはいいことなんだが。でもまぁ、なんとかなるさ、ハルなら、ね。」

 と、父から言われ、母からも、

 「おかあさんと同じ魔術師なんだし、おかあさんが色々教えてあげるから、ねっ?元気出して!」

 と励まされた。挙げ句の果てには、

 「ハルに何か言ってくる奴がいたら、お姉ちゃんがやっつけてやるから。ハルのことは、お姉ちゃんが守ってあげる!」

 なんてことを姉からも言われた。

 「ありがとう、とうさん、かあさん、お姉ちゃん。でも、僕、なぜかわからないんだけど、嬉しいんだよね。なんでだろう。闇と雷、って聞いた時、“よかったぁ“って思ったんだ。今も、嬉しんだよ。なんでだろう?」

 「ハルくん、強がってない?」

 「うん、全然。もしかしたら、誰とも違う属性だから、なのかなぁ。」

 「もし、そうだとしたら、ハル、お前、すごい人間になるかもな。」

 「ほんと?」

 「あぁ、だって、普通ならがっかりすると思うんだよ、それを嬉しいって思えるんだから。」

 「そうか、僕、頑張る。」

 「でも、お姉ちゃんが、ハルを守ってあげるんだからね。」

 「うん、ありがとう、お姉ちゃん。」

  

 その日の夜。

 「旦那様、奥様、皆揃いました。」

 「すまないな、こんな時間に集まってもらって。ゼノン、アキ、ヒロ、イズ。」

 「いいえ、とんでもございません。本日は坊っちゃんの“天啓の儀“ですから。」

 「あぁ、それで、結果なんだがな、“魔術師“で“闇“と“雷“、だったよ。」

 「なんと。」

 普通であれば、“鎮痛“な雰囲気になりがちな結果なのだが、ここに集った6人はいずれも、“笑み“が広がっていた。それも、“黒い笑み“ではなく、心の底から“嬉しい“という想いが伝わる“明るい笑み“だった。

 「旦那様、奥様、なんと喜ばしい結果でしょう。」

 「そうなんだよ。よかったよ。」

 「おめでとうございます、奥様。」

 「ありがとう、アキ。」

 「これからは、ハルに対して、“闇持ち“の“先輩“として、色々と指導してやってくれ。もちろん、厳しくな。」

 「かしこまりました。私たちも、嬉しゅうございます。」

 この世界では、闇属性を持つ者は、“闇持ち“として、いい意味でも悪い意味でも、一目置かれる存在であった。そして、ラズベール家に仕える使用人は、4人とも、その“闇持ち“であり、アルとハースがS級冒険者として活躍していた時から、“陰“として二人を支えているのである。

  

 さっそく次の日から、“闇持ち魔術師“としての手解きが、始まった。それは、厳しくも愛のある手解きであった。

  

 「イズ姉、強いよ、もっと手加減してぇ〜。」

 「ダメですよ、坊っちゃま、この程度で根を上げていては。それに、これ以上の手加減はできませんよ。」

 「えぇ〜、そんなぁ。」

ラズベール家使用人

 執事バトラー

  ゼノンワルド Lv83 ソード使い 闇、土

 メイド長

  アキ     Lv79 ソード使い 闇、風

 メイド

  ヒロ     Lv74 弓使い 闇、炎

 メイド

  イズ     Lv71 鋼糸使い 闇、雷


ちなみに、執事のゼノンワルドは、みんなから“ゼノン“と呼ばれているが、ハルからは“ゼノ爺“と呼ばれている。

ゼノンは、そのことを非常に嬉しく思っている。また、メイドの3人も、ハルから、アキ姉、ヒロ姉、イズ姉と呼ばれていることを非常に嬉しく思っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ