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魔女とよばれた令嬢は。〜目が覚めたら森の中でした〜  作者: みつき


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ジェネラル騎士団①



――――― ティアリーナが無我夢中で走り去る少し前。



「相変わらず魔物が増えてましたね」

「今の所は弱い奴ばっかだから楽勝楽勝!」

「たのしかったね〜!」

「でも気は抜くなよ、はんかくさい真似だけはするな」



「「「「「はんかくさい…?」」」」」



ん…?何かおかしいこと言ったか?と笑うのはダンテ。

ガッシリとした体格で、南にあるナンドウ地方の方言を話し、よく笑う。ジェネラル騎士団の団長を務めている。


「はんかくさい、と言うのは馬鹿なこと、という意味ですね」

「お、流石アルベルト!よくわかったな」


ダンテに後ろから肩に腕を回されているのはアルベルト。

黒色の髪に晴れ渡った青空のようなブルートパーズの瞳をもつ。

ジェネラル騎士団の副団長であり、誰よりも端麗な顔立ちをしていて、人前では笑顔を見せないその姿に団員からはよく恐れられている。


「何年もあなたと一緒に居ると大体わかってきますよ」

「そうかそうか、嬉しいねぇ」

このこのぉ〜と肩に回している腕とは逆の手でアルベルトの髪をわしゃわしゃと掻き乱す。


「お前は髪がグシャグシャになっても男前だな!」

ガハハ!と笑うダンテと、されるがままのアルベルト。

このやり取りを遠目で見ている団員たちはアルベルトが怒りやしないか内心ヒヤヒヤしていた。


アルベルトは団員に厳しく、自分にも厳しい。

剣の腕前も優れていて毎日早朝の訓練は怠らない。

ダンテは団員に甘く、自分に厳しい。

懐が広く、多少のことは目を瞑り団員たちを引っ張っている。

この二人のバランスが絶妙で、団員たちからは一目置かれ、憧れや信頼を抱かれている。


ジェネラル騎士団は平民からなる騎士団で黒を基調とした騎士服を着用している。

魔物の討伐を始め、パトロール、震災時には救助など多様な任務を熟す。

対して貴族からなるアリストラ騎士団は白を基調とした騎士服を着用し、王族や貴族の護衛をメインとしているため、国民のすぐ目の前まで姿を現す祝祭では女性達からの黄色い悲鳴が飛び交うのが恒例となっている。


「なにか騒がしいですね」


王都に戻って来ると血まみれ姿の女の子とその母親が立っていて、フードを深く被ったいかにも怪しい人間の走り去る姿が目に飛び込んできた。

しかし女の子と母親はその人に向かってお礼を言っているようだ。


「さっそくきいてくるね〜!」

「レイ、頼んだ」

「がってんしょうち〜!」


アルベルトからレイと呼ばれたレイモンドが、直ぐ様走って向かって行った。前世は犬なんじゃないかと思うくらいに人懐っこい。

子供を相手にする時はまずはレイモンドを会わせてから話しをすると警戒心を解いてくれるのが早く、スムーズに事が運ぶ。


「さっきのフードをかぶったおねえさんに、ケガをなおしてもらったみたい、しかもまほうで!」

詳しく話を聞くと、馬車の前に飛び出してしまった女の子が馬に蹴られ、命が危なかった所をすぐに治癒魔法で治してくれた、と。


(魔法で…?)


一緒に任務を熟したことのある女性魔術師が何人か居るが、どの女性魔術師も平民相手に回復魔法を使ったことなど一度も無かったはずだ。


「誰なんですかね?」

「そもそもうちの魔術師に顔を隠すような格好した魔術師はいねぇな。しかも男女関係なく魔術師専用のローブ羽織って出歩くべ?」

「たしかに〜!」

うんうんとレイモンドが頷いている。


魔術師ともなると仕事中もプライベートでも専用のローブを羽織っている。自分は魔術師である、というのが一目で分かるようにするためだ。

誰よりも凄いんだというプライドを強く持ち、貴重な魔法を平民には使いたくないという考えの魔術師がほとんどである。


ただ一人、ロベルト兄さんだけは除いて。




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