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魔女とよばれた令嬢は。〜目が覚めたら森の中でした〜  作者: みつき


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プリフィカの森③


そこまで生活感のない家の中を見渡し、ふと、壁に掛けてあった暦を見る。



あれ…?



毎晩その日のうちに✕印を日付の上に書いてから寝ていた。

しかし、その✕の位置や数がおかしい。

確か11月だったのに。3月の暦が飾られている。


そういえば、と近くの本棚に置いていた、自分が気まぐれで書いていた日記を開いてみるが、最後に書いたページは3月で終わっていた。

しかもよく見ると1年前の。


つまり私が家族と住んでいた家を出て、この小さな家で一人暮らしを始めてから2ヶ月が経った頃に戻っていることになる。


一体何故…?

椅子に座り、両腕を組んで思考を巡らせてみる。



プリフィカの森の中で目が覚める前。

誰かにすぐ傍で、愛しい声が。

今にも泣き出しそうな声が。

自分に向けられていた気がする。


「大事なことなはずなのに、思い出せないわ」


ただ、過去に戻ってきたのは、同じ過ちを繰り返さないためなのではないかと思えた。


目が覚めた時、幸せな気持ちも心の奥底に残っていた。

これが何なのか、後でわかるだろうか?

戻ってきた場所がプリフィカの森の中なのも、何か意味があるのかもしれない。


「今は…まだお昼前なのね。僅かでも情報を手に入れないとね」


時計を見て立ち上がる。

マントを羽織って深くフードを被り、顔や、シルクのようにやわらかいブロンドヘアを隠す。

チェーロブルー王国側では特に顔や髪色を見られてはいけない。

ブロンドヘアは珍しい色のため、目撃者により既に魔女だと認識されて広まっている可能性が高いからだ。


チェーロブルー側の王都を少し覗いたら、プリフィカの森の中を通ってルーシュソラーレの王都へ行ってみよう。

本来ならばチェーロブルーから馬車を走らせ長い一本道をひたすら行くとルーシュソラーレへと入れるのだが、どちらの国にも跨って広がっているプリフィカの森の中からも行けたりする。

と言っても私のように森の奥まで入れることが前提なのだけど。

尚且つ人になるべく会わないようにして行き来できるので重宝していた。



さて、行きましょうか。

まずはチェーロブルーの王都へ。




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