プロローグ
嵌められた…
気付いた時には既に遅かった。
魔法陣が発動し、身体が拘束され身動きが取れない。
背中や腹部、脚に衝撃が走った。
「ハハハハハ!!!小娘がワタクシに敵うはずなどないのよ!」
高笑いをしている女は勝ち誇ったような顔で嬉しそうに眺める。
傷口から温かな赤い液体がドクドクと流れていくのがわかった。
寒い。身体の震えが止まらない。
この女をねめつける力も、立つ力ももう無い。
身体が傾き、その場に派手に倒れ込む。
微かな意識の中で、遠くから沢山の足音が近付いて来るのがわかった。
「ティナ!!!」
「「「ティナ嬢ー!!!」」」
優しく抱きかかえられ、荒い吐息が耳に当たる。
あぁ、あなたは無事だったのね…よかった。
「ティナ…どうしてあなたがこんな目に!!!」
ポタポタと、彼が流した涙が頬に当たる。
「ティナ、すぐに助ける!死なないでくれ…あなたがいない世界なんて…!」
もうあなたの顔も見られない。
あなたの声も聞こえない。
あなたの優しい腕の中で、最後に伝えたかった。
あなたに出逢えて本当によかった、と。




