加奈徒 沙那
更新遅れてすみません…
朝が来た。
こんな目覚めが悪い朝は、母親が死んだ日以来だ。
転校するのが、こんなに嫌だとは思っていなかった。
気分が上がらないまま朝食を食べ、僕はこれから通うことになる、天明高校に向かった。
天明高校は創立十年という、まだ歴史が浅く、校舎もとても綺麗だった。
僕は職員室に行き、これからの担任になる、木暮俊哉先生に会った。
木暮先生は二十歳前半の様だが、小柄な体格と童顔のせいか十歳後半に見える。
僕の教室を聞くと、1―Dと言われたので木暮先生と一緒に1―Dへ向かった。
1―Dの前に立つと鼓動が高まった。
やはり緊張する。
ガララっと木暮先生がドアを開け、僕を連れて教室に入った。
教室の中は、とても静かで、みんなの視線が僕に集まった。
「今日から1―Dに入る、黒崎帝人君だ。
一年の六月に転校してくるなんて不思議に思う奴もいると思うが、それは気にするなよ。
じゃあ黒崎君、自己紹介して」
先生から話をふられ、緊張しながらも自己紹介をすることにした。
「黒崎帝人って言います。
みかどは帝国の帝に、人間の人でみかどと言います」
自己紹介が終わっても、みんなの静かさは変わらなかった。
「じゃあ、黒崎は沙耶の隣に座ってくれ」
それが、僕と沙耶の出会いだった。
他の小説もよろしくですっ!