002未就 魔女七威 ☆
病院内の、無機質で精錬された廊下はそれほど広くはなかった。
幾人もの看護師が、点滴スタンドを引く入院患者らの間を巧みに足早に、すり抜け交差している。
そのかたわら、自販機前で立ち尽くしていた夏川ハナヲに対して小銭を差し出したのは、見知らぬ銀髪の少女だった。
銀髪少女は黙ってハナヲを見つめている。
ハナヲの頭に巻いた包帯が、僅かに解けかけて垂れていた。
下手をすれば、まるで負け戦した落ち武者か、王墓を抜け出し彷徨くミイラに見えた。
かたやLED照明に青碧色を帯びた白銀の髪を煌かせ、背の中ほどまですらり流し魅せる少女の方は、その端麗な相貌にそぐわない、もっさりとした赤茶色のドテラを着込んでいる。こたつから這い出した座敷童か、ものぐさな寝正月娘である。
作業着の清掃員が等間隔に並ぶ観葉植物に水やりをしつつ、無言で見つめ合うふたりをジャマ気にチラ見する。
客観的に言って、どちらの少女もかなり奇異に映っているのは間違いない。
「――飲みたいのなら奢ります」
「……いいえ。大丈夫です」
ようやく様子見の遣り取りを終えたふたりは、まるで申し合わせたかのように並んで待合所のあるロビーに向かった。空いているソファに腰を落とし、そこでまた無言状態になった。
隣に陣取った順番待ちの外来者が億劫そうに電光掲示板を窺いながら咳き込む。
ふたりは場所を変えるべく、同時に立ち上がった。
「飲み物、本当に要らなかったですか?」
「……いや。そーですね。……ホントーに大丈夫です」
ハナヲは先程から、薄々勘付いていた。
どうも銀髪少女は、小銭をサイフから出す前にかなりの間、逡巡していたのである。
奢ってやろうはただの口実だ、何か用事があって声掛けして来たのだろうと。
銀髪少女が、もごもごと口を動かし始めた。
それを見て取ったハナヲがキッカケを作ってあげた。
「……叔母さんの友だちさんですか?」
「そのオバサンと言うのはもしかして、黒姫さまのコトなのですか?」
「クロヒメさま……あ、そうです! 魔女七威のひとり、暗闇姫ヒマリです! もしかして叔母さんの友だちなんですか?!」
四方の外来者たちが眉をひそめた。場所をわきまえない若者のおしゃべりは中高年らの不興を買いやすい。敏感に察したハナヲがトーンを落とし、しかし切迫した気持ちを前面に押し出して尋ねる。
「あの、その。ヒマリ叔母さんは?! お父さんは?! どこの病室にいるんですか?!」
――阪奈道路での事故。
覚束ない記憶ながら、ハナヲは事の重大性を認識していた。
大型トレーラーにまともに体当たりされた。
それは間違いなかろう。
銀髪少女は少し首を傾けてから、ハナヲの手を取ってロビーの端に移動する。
そして、半泣きのハナヲをなだめるように頷いた。
「黒姫さまはおっしゃってました。『姪っ子しか逃がせなかった。目覚めたら謝っておいてくれ』と」
「そ、そ、それって。いったいどーゆーイミなんですか?」
さらに問い詰めたところにもう一人、金髪ツインテールの少女が缶飲料をみっつ抱えてあらわれた。
「あ! キミは阪奈道路で会った……! コロリコロリさん!」
「ヘンな病原体みたいな名前で呼ばないでよッ! わたしはココロクルリ! わたしが清水の舞台から飛び降りる気持ちで用意した差し入れ、あげないわよ! てーか、シンクハーフッ! ナニ勝手に先に飲んじゃってんのよォッ?! このドロボーネコオッ」
「――これ。コーンスープだと思って飲んだらおしるこでした」
「人の好みにケチつけるんなら飲むなってーの! ……なに手を差し出してんのよ?」
「ケチなんてつけてません。そっちの缶も試したいだけです」
「はぁっ? バカ! 大バカッ! これはこの子の分! ……えーと名前、なんだっけ?」
ハナヲは眼元に皺を寄せて唸りを発した。
「飲み物もわたしの名前も今はどーでもいいですッ。それよりヒマリとお父さん。どこなんですかッ?!」
金髪ツインテールの少女、ココロクルリが咳払いする。目をハナヲから逸らせている。
銀髪少女が答えた。
「黒姫さまは火葬場です。あなたのお父さんは死にました。彼はいま冥界の受付にいます」
「……え」
「昨日お通夜、本日お葬式でした。御愁傷さまです」
「……え」
半笑いになったハナヲは銀髪少女の淡々とした口調に肩を落とし、静かにうなだれた。
――ウソやろ?
あの、元気が取り柄の、能天気なお父さんが死ぬわけ無い。
何かの間違いや。
銀髪少女の淡々とした報告が俄かに信じられなかったし信じたくなかった。
「落ち込まないでよ。とりあえず黒姫さまのところに連れてってあげるから」
「だけどココロクルリ。この子の恰好、パジャマですよ?」
「ねえ。ヒマリの話、もう少し教えて欲しいんやけど」
「それは魔女七威のコトですか?」
「それとお父さんが死んだ経緯と」
金髪ツインテールのココロクルリと違い、銀髪ドテラ少女の方はいたって冷静にハナヲに相対した。
ハナヲは感情を抑えているのか、無表情になっている。
「ココロクルリ。何処か落ち着ける場所に」
「そ、そうだね」
ハナヲと銀髪少女の手を取って、寸時瞑目したココロクルリは、口の中で小さく呟いた。
それは彼女の個体スキルで、彼女が最も得意とする魔法だった。
「――転移」
たちまちのうちに景色が歪み、流れ、暗転する。だがじきに視野が回復した。
但し、目にしたのは全く別の場所だった。
「……ココロクルリ、ここは」
「……シンクハーフの部屋」
「知ってます、見たら分ります。何故わざわざ? わたしの部屋に来る必要があったんですか? と、わたしは疑問を投げかけてます」
「えー理由? とっさに思い付いたんだから仕方ないじゃない!」
「ウソおっしゃい。自分ちのお茶とかお菓子とかを出すのが惜しいのでしょう?」
「う……。そ、そ、そんなコトないもん。わたし、ケチじゃないし」
「……あ、そうですか。ドケチの吝嗇家じゃないですか。あ、そうですか、お金さん。間違えました、オカネクレリさん」
「わたし、そんなヘンな名前じゃないしッ」
――どうやらシンクハーフの住まいはマンションのようだった。
だが、とても広い。
リビングだけでハナヲの家の一階部分を全部合わせたほどの空間があった。
ゆうに身長の3倍の高さのある天井と、それに届くほどの本棚が一面の壁を占拠し、そこにびっしりと本が詰まっている。
その手前には腰ほどの高さの棚が居並んでいる。
真っ先にハナヲの目に留まったのはその棚と、棚の前に据えられた木製の大テーブルだった。
古今東西、ありとあらゆる珍品奇品が置かれていた。
例えば皿や壺などの工芸品や民芸品、または懐中時計や革製鞄などの古物、木製や陶製、銅製などの、置物や看板をはじめとするアンティーク雑貨、さらには作者不明の大小の絵画、変わったところではフィギュアドールや模型、時代を問わない玩具の類まで並んでいる。
棒立ちになるハナヲの目前に、マグカップが差し伸べられた。
「ようこそ。我が主、シンクハーフさまのお部屋に」
年の頃は二十代前半。「美形以外は同族に非ず」との至言で有名なニンフ系種族(ハナヲの世界ではフェアリーとエルフ、二種族の血を受け継いだ者が祖先とされる)と思われる青年がスーツ姿で現れ、柔らかな笑みを湛えながらハナヲに挨拶した。
その立ち居振る舞い、整った容貌、果てしなく爽やかである。
「あ~う~」
思春期真っ只中のハナヲにはあまりに眩しすぎた。正視できずに視線を彷徨わせる。
「まずは温かいお茶でも。どうぞお体を労わりください」
たちまち夢遊病者化したハナヲは導かれるまま、案内されたソファについた。
次いでココロクルリと、銀髪少女も対面側のソファに座る。
マグカップを受け取ったハナヲは為すがままに青年の紹介を受けた。
「改めまして、こちら、我が主のシンクハーフさま、こちらの御方がココロクルリさまです。わたしはここでお世話係のアルバイトをしております、提臣と申します。どうかお知り置きください」
「な、夏川ハナヲです」
状況の整理が追いつかないのか、ハナヲはお茶を口に含んで縮こまったまま顔を上げなかった。
伏せた目が激しく泳いでいる。
「まずはこの写真をご覧ください。ハナヲさまのお父さまです。あの世の入り口で元気になさっています」
「はへ?」
見せられたスマホに、確かに父が映っていた。
「冥界……転生局……?」
背景の看板にそう書かれていた。
どこかの役場の窓口で、父が職員らしき女性と仲良く記念撮影をしている。
「めちゃ楽しそう……ピースしてる……」
「あなたのお父さん、直接の死因は事故じゃなくってショック死よ。わたしが瞬間移動させて逃がしたんだけれど……」
無念そうにココロクルリが呟くが、ハナヲの眉はUの字を描いた。
「ショック死ぃ? 驚いて死んだん?! 無傷で?!」
ココロクルリ、首肯する。
「ついでに言うと、あなたのお父さんは転生局で女の子に生まれ変わる申請をしました。もうオトコとして生きる人生はこりごりだそうです」
「はあ?」
シンクハーフの言いように、ハナヲは先程まで落ち込んだ分の反動の怒りをあらわにマグカップの中味を一気飲みした。
「こんなにわたしが心配してたってのに?!」
「まあまあ。まだ申請が通ったわけではありませんので。四十九日に結果が出ます」
立ち上がるハナヲ。
「急にどうしたのよ?」
「アホなお父さんを止めに行く!」
ココロクルリとシンクハーフが顔を見合わせた。
「残念ながら冥界へは簡単に行けません」
「ええ?!」
「落ち着きなさいよ」
ムスッとしたハナヲ、ココロクルリにたしなめられて再びソファに落ち着くが、歯をギリギリいわしている。怒りが収まらないようだった。
「冥界に行けるのは特別の存在、魔女七威だけ」
「ってコトは。ふたりは行けるってコトなんだよねッ?!」
噛みつきそうな勢いのハナヲに、シンクハーフが一突き告げた。
「でも、あなたは行けない」
「だったら連れてってよ!」
ココロクルリが止めを刺す。
「だからムリだって! 魔女七威しか往来出来ないの」
「ガーン。そんなぁ……」」
ハナヲ、とうとうシクシクと泣き出した。
「泣かないで? コレ、何だか分かる?」
ココロクルリが洟水まみれのハナヲの鼻っ面にチラつかせたのは鈴。
1寸5分程度の直径がある。例えるとピンポン玉くらいか。
かなり大き目で、手のひらにすっぽり入るサイズだ。
「……この鈴が?」
金ぴかの表面には篆書体風に大きく【赤紫鈴】と書かれている。
「……あか……むらさきすず?」
「これはね。赤紫鈴って読むんですよ」
ハンカチをハナヲの顔に当てたヒサゲが優しげな声色で説明する。
彼はシンクハーフの世話係である。
「この金色の鈴は、魔法使の中でも魔女七威のみが所持を許された代物です」
「……選ばれた魔法使が?」
「そうですよ。とても栄誉ある、貴重なアイテムです」
「金色なのに【あか・むらさき】ってヘン。……けどイイ感じに宝物っぽい」
――魔女七威。
仮想敵である光の加護らに圧倒的な力を見せつけることができる、魔物たちの希望の星。
サジェス族どもの反乱した世の中から善良なミニュイたちを救い、平和な世を取り戻した伝説の女傑たち。
彼女らはそろって、その証しを有していた。
それが金色に輝く【赤紫鈴】。
魔女七威を名乗る者のみに与えられた至宝である。
「ありがとう、そんな貴重な物を呉れるの?」
「アホチン! 違うわよ! これからあなたが頑張って獲得するの」
「ココロクルリは口が悪いです。ちゃんと分かりやすく説明してあげてください」
「そう言うシンクハーフこそ。説明人任せじゃない」
更に観察を続けるとココロクルリの鈴には【威七位】と墨書きされている。
ちなみにシンクハーフのものには【威三位】とあった。
「わたしたちがしたいのは夏川ハナヲ、あなたのスカウトです」
「だから、わざわざ場所を変えたのよ。落ち着いて説得しようと思って」
「スカウト? 説得?」
頷き合ったふたりが交互に説明する。
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◇余禄 “赤紫鈴練達早見表“
金色 ※魔女七威のみが所有(生涯序列不動)
威一位:不詳
威二位:黒姫 (暗闇姫ヒマリ)
威三位:シンクハーフ
威四位:不在
威五位:不詳
威六位:不在
威七位:ココロクルリ
銀色 ※七位まであり
紫色 ※七位まであり
黒色 ※七位まであり
白色 ※七位まであり(不特定多数・最多)
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「現在、魔女七威のうち、四位と六位が空位なの。わたしたちは、そのどちらかにあなたを推したいと思ってるのよ」
「推薦でその地位に就くには黒姫さまの弟子になるのが手っ取り早い方法です。将来の就職口を探しているのなら、ジャパニーズドリームな魔法使になるのが得策だと勘考します」
「質問なんやけど」
「何よ?」
「何で空席があるの? ……だいたい予想がつくんやけど」
顔を見合わせるふたり。辛そうに、言い難そうに、ココロクルリが告げる。
「お察しの通りよ。――先の大戦で、ね。わたしらは生き残りってわけ」
――当時、最終勇者退治が大々的に報道された裏で、小さく新聞紙面に掲載されていたが、光の神殿での決戦の際に、魔女二名の尊い犠牲があったのである。
「ラスボスが斃れても各地にまだ勇者はたくさんいるわ。わたしたちミニュイにどんな復讐をするかも知れない。常にわたしたちはサジェスどもの動向に目を光らせて、万全の態勢を敷かなくちゃならないの」
「でもさ、きょうび自衛隊とか各国にも軍隊がいるしさ、魔法使が出張らんでも何とかなるんちゃうかなぁ?」
「それは天地茂の考えです……もとい、甘々な考えです。先の大戦では現代兵器のほとんどが光の加護を受けた勇者には通用しませんでした。加護を受けれない一般のサジェスを取り締まるのがせいぜいでした」
「わたしたち魔女七威以外にも魔法使は全国にたくさんいるわ。けれども単純に数いればいいってもんじゃないのよ。サジェスどもを悪の道に踏み込ませない、勇者と対等に渡り合える強よつよの人材が必要なのよ!」
むむむと腕組みするハナヲに、ヒサゲがお菓子のカゴを差し入れた。赤面しカクッとお辞儀。ひとつつまむ。
「そこまでして世界を護りたいってまでは……だって、戦いで死んじゃうかも知れんし」
ズイとシンクハーフが身を乗り出した。
「聞いて愕け。わたしのお給金、月500万です」
つまんだお菓子を口に入れようとしていたハナヲ、眼を剥き飛び上がった。
「ごっ、500万?!」
「――はい。この魔女七威の証、【七威の赤紫鈴所持者】に与えられた報酬の額です」
左手をウチワのようにしてひらひらと。ドヤ顔のシンクハーフ。
引き攣る笑みのハナヲの口からツー……とヨダレ。
「ヤラシイわね、あんたら。ちなみに夏と冬にはだいたい各2ヶ月くらいの期末勤勉手当が出るわ。いしし」
「期末勤勉……」
「要はボーナスよ」
「まっ、マジなんッ?!」
「ま、そりゃ……だからシンクハーフもこんな立派なマンションに住んでるわけで……」
ハナヲ、ベランダにダッシュし、あらためて外に広がる景色を探訪した。
大阪平野が一望出来る。
あべのハルカスや大阪湾も指差せた。
一等地に建つタワマンとは、ここの事だと言わんばかり。
「こ、こんな生活が……!」
「平和維持のための先鋒部隊。なんせ命がけの、とっても尊いお仕事ですから」
ヒサゲがニッコリ、背後から声をかける。
――こんな。
こんな素敵な部屋に住んで。こんな素敵な男の人を侍らせて。
それって確かに、しあわせスイートドリーム以外に何があるっての―!
……。
いや。待って。
ドリーム以外にもあるやん。
悩みだすハナヲ。
「……けど、良いことばっかや無いやん。光の加護が現れたら戦わんとアカンのやね?」
「まーそーね。それが仕事だから」
「学校はどーすんの?」
「別に。通いたきゃ通えばいいと思います。オベンキョーが好きならば、ですが」
「ガッコーなんて通うだけムダムダ。学が無くてもお金は貯まるわよ」
「ん? 先日は、『中卒は肩身が狭い』とか何とか、その場の空気を読んで言ってたような気がしますが?」
「シッ。これでもTPOをわきまえてんの、わたしは」
「ん? 何の話?」
「うーん、なーんにも。こっちの話」
また腕組みで考え込みだしたハナヲ。
「待ってって。だいたいさ、なんでわたしをスカウトすんの? 他にもいっぱい女子はいるでしょうに」
「そりゃ闇雲にスカウトなんてしないわよ」
「わたしたちはあなたを千年に一人の逸材だと見込んで声をかけてます。……済みません、盛りすぎました。数年に一人くらいの」
「そこわざわざ訂正するんや、リアルに」
「阪奈道路での一件。あのときに、あなたの能力の断片を見させてもらったわ」
女勇者に襲われたとき、ハナヲの魔法壁で窮地を逃れられた。
ココロクルリはその事を言っている。
「あのとき。なんでシンクハーフさんは助けてくれへんかったんですか? 結局最後まで見てただけでしたよね」
「……ありゃりゃ。わたしの存在に気付いてたんですか?」
あの場にシンクハーフは確かにいた。
離れた場所に潜み、他の敵が現れないか周囲を見張っていたのである。
彼女を見つけるには、相手バレを覚悟して察知魔法を作動させるか、もしくは魔法力が相当高くないと、覚るのは不可能なはずだった。
ヒサゲがふたりの魔女七威に目配せする。
この子はホンモノですね、と。
「お父さんを助けられたかも知れなかったのに」
「何度も言うけどあなたのお父さんは事故死じゃないんだって、ビビリ死にしたんだって」
「魔女七威になれば、あの世にも行けるんやんね? お父さんにも会えるんやんね?」
「冥界や霊界、地獄界ね。なれればね」
もう一度外の景色を見て、また振り返る。
「けど……肝心のヒマリ叔母さんは何てゆってんの?」
「何が、ですか?」
「わたしが魔法使になるコト、反対してたんやんねぇ? 叔母さん」
ブクマ1件目ありがとー
(夏川ハナヲ)
数年に一人の逸材やって、ウレシー